公開日 2017/03/29 12:59
【特別企画】MQAなどマルチソースに対応
クリプトン「KS-9Multi」を聴く ー ハイレゾ全方位対応の小型アクティブスピーカー
山之内 正
クリプトンのハイレゾ対応アクティブスピーカー最上位モデル「KS-9Multi」を山之内正氏がレポート。いちはやく次世代の高音質フォーマット「MQA」に対応したことに加え、DSDやPCMファイル、HDMI入力までを高音質再生できる本機の魅力に迫った
■新たな高音質コーデック「MQA」が、次世代のオーディオ再生を担う理由
ハイレゾ音源のアドバンテージは周波数レンジの広さだけではない。正確なアタックで音色を忠実に再現し、小音量で聴いても実在感のある音が楽しめる点も見逃せない。臨場感やリアリティが向上するメリットはデスクトップなど近接リスニングでも味わえるので、コンパクトなシステムでもハイレゾの良さは十分に伝わるはずだ。
一方、そんなハイレゾ音源にも弱点はある。データのサイズが非常に大きく、ダウンロードとライブラリどちらの環境にも負荷が大きくなってしまうのだ。特にストレージにSSDを採用したノートパソコンに音源を保存するケースでは容量の大きさに二の足を踏む人もいるかもしれない。
そんな弱みを解消する提案として、ハイレゾ音源の音質を損なうことなくデータ量を数分の1に抑えるMQAコーデックが注目を集めている。専用エンコーダによって微小データをロスなく格納し、デコード対応機器で再生すると、エンコード前と同等の情報量を復元。その効率の良さは既存のロスレスコーデックの数倍に達し、ハイレゾ音源のデータ量をCDと同等未満のサイズに抑える。また、下位互換性が高いことにも特徴があり、デコード機能のない製品で再生した場合でもCD相当の音で聴くことができる。
■KRIPTON HQMは自社でエンコード処理を行ってのMQA配信を実施
そのMQAの音源をいち早く発売したのがクリプトンのハイレゾ配信サイト「(KRIPTON HQM)」である。ネットワーク技術に精通し、スピーカーを中心にオーディオ製品を手がけるクリプトンが8年前に開設した配信サイトで、近年は音源の充実も著しい。
そのKRIPTON HQMがMQAに注目した理由は2つある。音質を損なわずにデータ量を小さくできることはもちろんだが、それに加えて音質面での優位性にも着目。特にPCM信号の変換プロセスで生じる不自然な強調を抑え、音の自然な立ち上がりを実現する効果を評価したという。
信号波形でとらえると、本来の信号の前後に加わるプリエコー、ポストエコーなどのリンギング現象が少ないため、時間分解能の向上につながる。具体的には、アタックの改善や空間情報を含む微小信号の忠実な再現などを聴き取ることができ、まさにハイレゾ音源の美点を引き出す効果が期待できる。
クリプトンHQMが配信するMQA音源は、他の配信サイトのようにエンコードを外部に任せず、自社で行っている。音源ごとにエンコード処理を最適化して音質を追い込めるなど、自社でエンコードするメリットは小さくないのだという。
■新たな高音質コーデック「MQA」が、次世代のオーディオ再生を担う理由
ハイレゾ音源のアドバンテージは周波数レンジの広さだけではない。正確なアタックで音色を忠実に再現し、小音量で聴いても実在感のある音が楽しめる点も見逃せない。臨場感やリアリティが向上するメリットはデスクトップなど近接リスニングでも味わえるので、コンパクトなシステムでもハイレゾの良さは十分に伝わるはずだ。
一方、そんなハイレゾ音源にも弱点はある。データのサイズが非常に大きく、ダウンロードとライブラリどちらの環境にも負荷が大きくなってしまうのだ。特にストレージにSSDを採用したノートパソコンに音源を保存するケースでは容量の大きさに二の足を踏む人もいるかもしれない。
そんな弱みを解消する提案として、ハイレゾ音源の音質を損なうことなくデータ量を数分の1に抑えるMQAコーデックが注目を集めている。専用エンコーダによって微小データをロスなく格納し、デコード対応機器で再生すると、エンコード前と同等の情報量を復元。その効率の良さは既存のロスレスコーデックの数倍に達し、ハイレゾ音源のデータ量をCDと同等未満のサイズに抑える。また、下位互換性が高いことにも特徴があり、デコード機能のない製品で再生した場合でもCD相当の音で聴くことができる。
■KRIPTON HQMは自社でエンコード処理を行ってのMQA配信を実施
そのMQAの音源をいち早く発売したのがクリプトンのハイレゾ配信サイト「(KRIPTON HQM)」である。ネットワーク技術に精通し、スピーカーを中心にオーディオ製品を手がけるクリプトンが8年前に開設した配信サイトで、近年は音源の充実も著しい。
そのKRIPTON HQMがMQAに注目した理由は2つある。音質を損なわずにデータ量を小さくできることはもちろんだが、それに加えて音質面での優位性にも着目。特にPCM信号の変換プロセスで生じる不自然な強調を抑え、音の自然な立ち上がりを実現する効果を評価したという。
信号波形でとらえると、本来の信号の前後に加わるプリエコー、ポストエコーなどのリンギング現象が少ないため、時間分解能の向上につながる。具体的には、アタックの改善や空間情報を含む微小信号の忠実な再現などを聴き取ることができ、まさにハイレゾ音源の美点を引き出す効果が期待できる。
クリプトンHQMが配信するMQA音源は、他の配信サイトのようにエンコードを外部に任せず、自社で行っている。音源ごとにエンコード処理を最適化して音質を追い込めるなど、自社でエンコードするメリットは小さくないのだという。