公開日 2017/07/18 10:28
パナソニック「VIERA(ビエラ)」に加わった、新たなるフラグシップ「EZ1000」。プラズマや液晶で培ってきた画づくりのノウハウを生かし、さらにハリウッドの知見も盛り込んだ、4K有機ELテレビの大本命である。VGP総合金賞に輝いた、この名機の真価を、審査員の鴻池賢三氏が語る。
■有機ELの潜在力を引き出した新時代の黒を制する「ビエラ」
黒を制する者が、画質を制す。画質を構成する要素は多様だが、すべての出発点は「黒」にあるといっても過言ではない。漆黒が表現できる有機ELパネルの登場でテレビの画質が新しいステージに突入したのは紛れもない事実で、映像マニアの興奮は冷めやらない。料理に例えるならパネルは素材で、完成品としての価値はシェフのセンスと技術が大きく左右する。
パナソニック「ビエラ」は、プラズマ、IPS/VA液晶と幅広いパネルを経験し、それぞれのアドバンテージを活かした高画質を実現してきた歴史を持つ。有機EL「EZ1000」でも、その知見が「ヘキサクロマドライブ プラス」として大いに発揮された。とりわけ自発光であるプラズマでの経験は、有機ELパネルで難しいとされる光はじめの繊細なコントロールに息づく。
また、16bit精度で信号を高階調化処理する「暗部階調スムーサー」でノイズを抑え、ゼロレベルの漆黒から立ち上がる黒を原信号に忠実に描き出す。また、HDR時代においては、信号レベルで明部の色情報が豊富になり、カラーボリュームが増大。色の表現力が高まればより高精度な制御が求められるが、そこに3D-LUTを駆使して対応するなど、業務用マスターモニターの手法が盛り込まれた。
さらにEZ1000はハリウッドで映画づくりに関わるプロの知見も生かされている。本機の場合、deluxe、CO3、ENCOREといった名だたるポストプロダクションの要望をチューニングに反映し、結果、クライアントレファレンスモニターとして使用することが認定された。つまり、映画関係者が、映像の仕上がりを最終判断する基準として、本機が相応しいと認めたのだ。
また、こうしたプロ達との緊密な連携はプラズマ時代に遡り、要求を実現するために磨き上げてきたのがヘキサクロマドライブであり、3D-LUTの採用に至ったストーリーだ。 プロの現場で鍛え上げられたビエラの高画質思想と有機ELの出会い。実際に映像を目の当たりにすると、実に玄人好みの仕上がりであることが分かる。
まず、黒の再現力が圧倒的だ。基本として、自発光の有機ELパネルは消灯により完全な黒を表現できるが、本機では微少な立ち上がりを捉え、ノイズに邪魔されない、高密度でなめらかな階調表現を達成している。
たとえばUHD BD『ハドソン川の奇跡』のチャプター6、夜のマンハッタン。電飾が煌めくタイムズスクエアから薄暗い路地に入ったシーンでは、街の灯りを映す夜空が遠ざかるに従って漆黒を取り戻す変化が克明かつナチュラルで立体的だ。なにげない風景だが、闇に吸い込まれるような不思議な感覚を覚えた。トム・ハンクス扮するサリーの心情が投影されているのかもしれない。映像装置でこのような体験は初めてで、本機の黒表現の凄まじさを確信させられた。
■制作者の意図を正確に再現するパナソニックの画づくり
こうした「黒」を体感できるのは、HDRによって明部の表現力が拡大していることも忘れてはならない。同シーンは、タイムズスクエアを埋め尽くす眩いばかりのサイネージが高いコントラストを生む構図が印象的だが、高輝度部分に黒が引きずられることなく終始安定している。HDR効果で光の粒が持つ色彩をデータとして収録することが可能になったが、本機では正確な色再現により、僅かな違いも忠実に描き切り、それは立体感や実体感として体感できる。
映画制作者が映像の隅々まで注意深く織り込んだ意図が、正確な表示能力により、視覚と心に蘇る。
「高画質」には様々な定義があるが、正解のひとつが「制作者の意図に忠実」であること。時には画作りとして見栄えする「味付け」も必要だが、UHD BDに収めた高画質コンテンツの場合、制作者の意図を読み解くうえで、まずは入力信号を忠実に表示する思想と能力が不可欠だ。
本機の場合、4K/HDR時代の高画質を裏づける「ULTRA HD PREMIUM」認証を取得。他にも原画忠実再生を保証する「THX4K」認証、正確な映像表現とそれを保つためのキャリブレーション機能を備えた機器にのみ許される「ISFccc」認証を取得するなど、測定をベースにした科学的根拠に基づく第三者のお墨付きを多数得ている。こうした取り組みは設計段階に止まらず、出荷時点で1台ずつ精密に調整され、全ユーザーに最高画質が届くように配慮されているのも嬉しい。
プラズマでも液晶でも最高評価を獲得するビエラが、有機EL時代にその特性を最大限に活かした画質力、スタイル、テクニクスオーディオシステムを纏い、総合金賞を獲得した。映画を堪能するもよし、「フォトプロ」モードで自ら撮影した画像の確認や加工などクリエイティブ用途に利用するもよし。家庭でも最高のレファレンスモニターとして活用できるはずだ。
【TH-65EZ1000】¥OPEN
●サイズ:65型 ●接続端子:HDMI端子×4、USB端子×3、ビデオ入力×1、光デジタル×1、LAN端子×1、イヤホン端子×1 ●音声実用最大出力:80W(10W+10W+10W+10W+20W+20W) ●画素数:3,840×2,160 ●定格消費電力:518W(待機時約0.3W)●外形寸法:1452W×918H×330Dmm(スタンド含む) ●質量:約27.0kg(スタンド含む)
(提供:パナソニック株式会社)
【特別企画】VGP審査員の鴻池賢三氏が真価を語る
ハリウッドが認めた圧巻の高画質。パナソニックの有機ELテレビ“VIERA”「EZ1000」の魅力
鴻池賢三パナソニック「VIERA(ビエラ)」に加わった、新たなるフラグシップ「EZ1000」。プラズマや液晶で培ってきた画づくりのノウハウを生かし、さらにハリウッドの知見も盛り込んだ、4K有機ELテレビの大本命である。VGP総合金賞に輝いた、この名機の真価を、審査員の鴻池賢三氏が語る。
■有機ELの潜在力を引き出した新時代の黒を制する「ビエラ」
黒を制する者が、画質を制す。画質を構成する要素は多様だが、すべての出発点は「黒」にあるといっても過言ではない。漆黒が表現できる有機ELパネルの登場でテレビの画質が新しいステージに突入したのは紛れもない事実で、映像マニアの興奮は冷めやらない。料理に例えるならパネルは素材で、完成品としての価値はシェフのセンスと技術が大きく左右する。
パナソニック「ビエラ」は、プラズマ、IPS/VA液晶と幅広いパネルを経験し、それぞれのアドバンテージを活かした高画質を実現してきた歴史を持つ。有機EL「EZ1000」でも、その知見が「ヘキサクロマドライブ プラス」として大いに発揮された。とりわけ自発光であるプラズマでの経験は、有機ELパネルで難しいとされる光はじめの繊細なコントロールに息づく。
また、16bit精度で信号を高階調化処理する「暗部階調スムーサー」でノイズを抑え、ゼロレベルの漆黒から立ち上がる黒を原信号に忠実に描き出す。また、HDR時代においては、信号レベルで明部の色情報が豊富になり、カラーボリュームが増大。色の表現力が高まればより高精度な制御が求められるが、そこに3D-LUTを駆使して対応するなど、業務用マスターモニターの手法が盛り込まれた。
さらにEZ1000はハリウッドで映画づくりに関わるプロの知見も生かされている。本機の場合、deluxe、CO3、ENCOREといった名だたるポストプロダクションの要望をチューニングに反映し、結果、クライアントレファレンスモニターとして使用することが認定された。つまり、映画関係者が、映像の仕上がりを最終判断する基準として、本機が相応しいと認めたのだ。
また、こうしたプロ達との緊密な連携はプラズマ時代に遡り、要求を実現するために磨き上げてきたのがヘキサクロマドライブであり、3D-LUTの採用に至ったストーリーだ。 プロの現場で鍛え上げられたビエラの高画質思想と有機ELの出会い。実際に映像を目の当たりにすると、実に玄人好みの仕上がりであることが分かる。
まず、黒の再現力が圧倒的だ。基本として、自発光の有機ELパネルは消灯により完全な黒を表現できるが、本機では微少な立ち上がりを捉え、ノイズに邪魔されない、高密度でなめらかな階調表現を達成している。
たとえばUHD BD『ハドソン川の奇跡』のチャプター6、夜のマンハッタン。電飾が煌めくタイムズスクエアから薄暗い路地に入ったシーンでは、街の灯りを映す夜空が遠ざかるに従って漆黒を取り戻す変化が克明かつナチュラルで立体的だ。なにげない風景だが、闇に吸い込まれるような不思議な感覚を覚えた。トム・ハンクス扮するサリーの心情が投影されているのかもしれない。映像装置でこのような体験は初めてで、本機の黒表現の凄まじさを確信させられた。
■制作者の意図を正確に再現するパナソニックの画づくり
こうした「黒」を体感できるのは、HDRによって明部の表現力が拡大していることも忘れてはならない。同シーンは、タイムズスクエアを埋め尽くす眩いばかりのサイネージが高いコントラストを生む構図が印象的だが、高輝度部分に黒が引きずられることなく終始安定している。HDR効果で光の粒が持つ色彩をデータとして収録することが可能になったが、本機では正確な色再現により、僅かな違いも忠実に描き切り、それは立体感や実体感として体感できる。
映画制作者が映像の隅々まで注意深く織り込んだ意図が、正確な表示能力により、視覚と心に蘇る。
「高画質」には様々な定義があるが、正解のひとつが「制作者の意図に忠実」であること。時には画作りとして見栄えする「味付け」も必要だが、UHD BDに収めた高画質コンテンツの場合、制作者の意図を読み解くうえで、まずは入力信号を忠実に表示する思想と能力が不可欠だ。
本機の場合、4K/HDR時代の高画質を裏づける「ULTRA HD PREMIUM」認証を取得。他にも原画忠実再生を保証する「THX4K」認証、正確な映像表現とそれを保つためのキャリブレーション機能を備えた機器にのみ許される「ISFccc」認証を取得するなど、測定をベースにした科学的根拠に基づく第三者のお墨付きを多数得ている。こうした取り組みは設計段階に止まらず、出荷時点で1台ずつ精密に調整され、全ユーザーに最高画質が届くように配慮されているのも嬉しい。
プラズマでも液晶でも最高評価を獲得するビエラが、有機EL時代にその特性を最大限に活かした画質力、スタイル、テクニクスオーディオシステムを纏い、総合金賞を獲得した。映画を堪能するもよし、「フォトプロ」モードで自ら撮影した画像の確認や加工などクリエイティブ用途に利用するもよし。家庭でも最高のレファレンスモニターとして活用できるはずだ。
【TH-65EZ1000】¥OPEN
●サイズ:65型 ●接続端子:HDMI端子×4、USB端子×3、ビデオ入力×1、光デジタル×1、LAN端子×1、イヤホン端子×1 ●音声実用最大出力:80W(10W+10W+10W+10W+20W+20W) ●画素数:3,840×2,160 ●定格消費電力:518W(待機時約0.3W)●外形寸法:1452W×918H×330Dmm(スタンド含む) ●質量:約27.0kg(スタンド含む)
(提供:パナソニック株式会社)