公開日 2017/09/01 09:48
人気モデルをベースにワイヤレス対応
<IFA>beyerdynamicのテスラ技術搭載ワイヤレスイヤホン「Xelento」&ヘッドホン「Aventho」最速レポ
山本 敦
ベイヤーダイナミックは、IFA2017のプレイベント期間に新製品発表会を開催。国内でも3月に発売されたテスラテクノロジーを搭載するイヤホン「Xelento remote」をベースにしたBluetoothイヤホン「Xelento wireless」や、ユーザーの聴力にアンプの設定を最適化できるアクティブタイプのBluetoothヘッドホン「Aventho Wireless」を発表した。
■aptX HDに対応するワイヤレス版“テスライヤホン”
Xelento wirelessは、発売時期は未定だが、価格は1,199ユーロを予定する。有線タイプのXelento remoteは高解像度・広ダイナミックレンジを引き出すテスラテクノロジーを、初めてイヤホンに採用したことで注目を集めた。今回発表された製品は、同じイヤホン部をベースにワイヤレス化を図ったバリエーション。交換可能なMMCX端子で銀メッキ処理の高音質ワイヤレスケーブルを採用する。
同社は「Xelento remoteの究極の高音質を、ストレスフリーのワイヤレス環境で楽しめる“ファーストクラスのBluetoothイヤホン”」として本機を紹介している。製造はベイヤーダイナミックがドイツ南部の街、ハイルブロンに構える本社工場でハンドメイドで行われる。
Bluetoothのオーディオコーデックは最大48kHz/24bitの音声信号をワイヤレスで伝送できるaptX HDとAAC、SBCをサポートする。アルミニウム筐体のリモコンには約5時間半の連続音楽再生に対応するバッテリーを内蔵。リモコンユニットはさらに別の筐体になる。パッケージには7種類のシリコンチップ、3種類のComplyフォームチップにキャリングケース、ケーブルクリップなどを同梱する。
ドライバーは8Hz〜48kHzの周波数帯域をカバーする。インピーダンスが16Ω、感度は110dBという基本スペックもXelento remoteと変わらない。イヤホン側がMMCXで、アンバランス接続の3.5mmイヤホン端子を搭載する1.3mのマイク内蔵リモコンケーブルもパッケージに同梱されているので、こちらのケーブルに交換すればまさしくXelento remoteによるリスニングが楽しめることになる。
■Bluetooth対応テスラヘッドホンのテーマは「パーソナライズ」
Aventho Wirelessは、テスラテクノロジーを搭載するオンイヤーヘッドホン「T51 p」をベースに開発されたワイヤレスヘッドホンだ。搭載するドライバーはT51 pと口径は同じだが、高域の再生周波数帯域を40kHzまで伸ばしている。外観もほぼT51 pのデザインを踏襲しながら、ワイヤレスヘッドホンとしての機能性を追加している。カラバリはブラウン×ブラックとブラック×ブラックの2色。ヘッドバンドとイヤーパッドに使っているレザーのタンニングが変わる。
BluetoothヘッドホンとしてはaptX HDとaptX、AACのコーデックをサポートしている。特筆すべきは、BTレシーバーからDAC、アンプまで一体化されたモジュールをあえて選択せずに、BTレシーバーのICとDACのICを分けて持たせて高音質化を図ったこと。DACにはAKMのICチップを使っている。
右側のイヤーカップがタッチセンサーリモコンになっていて、音楽再生やハンズフリー通話のコントロールがスムーズに行える。本体に搭載するその他のインターフェースは電源/ペアリングに使う小さなボタン1つだけだ。
本機のユニークな機能は、サードパーティーであるドイツのMIMI社が開発する聴覚チューニングアプリ「MIY HEADPHONES APP」との連携を実現したこと。アプリでユーザーの年齢を入力した後、左右の耳ごとにテスト信号を聴き分けながらユーザーの聴覚の状態をチェック。測定値から導き出したプロファイルを保存して、ヘッドホンに内蔵するメモリーに読み込ませることによって、ヘッドホンに内蔵するアンプの帯域ごとの出力バランスをユーザーの聴力に合わせて整え、ベストなリスニング体験を繰り返し楽しめる。
筆者もプロファイルを作成してもらってその効果を試してみたが、効果のオン・オフをアプリで切り替えながら音楽を鳴らしてみると、音の彫りの深さと立体感、前に押し出してくる力が明らかに違った。設定はヘッドホンの側に保存されるので、スマホでどんなアプリを使って音楽を聴いたり、動画を視聴したりしても効果が発揮されるのが特徴だ。
アプリはiOS/Androidの両方をサポートしている。アプリによるヒアリングチェックはヘッドホンとスマホをBluetoothで接続している状態、および付属のヘッドホンケーブルでつないでいる状態の両方で行える。
内蔵バッテリーは20時間の連続音楽再生が楽しめるスタミナ設計。USB-C端子を搭載して、クアルコムの急速充電が使える。
本機はヨーロッパで10月から449ユーロで発売を予定している。ユニークな機能を日本でもゆっくりとテストできる機会が待ち遠しく感じられた。
■スマホ対応ポケットDACのiOS版も開発中
スマホやタブレットにつないで高品位なハイレゾ再生が楽しめるポケットサイズのDAC「Impacto Essential」(関連記事)をベースに、iOSデバイスへの対応も可能とした「Impacto Universal」のプロトタイプについても最後に簡単に触れておこう。より長時間の音楽リスニングが楽しめるようにバッテリーパックも付属する。現在は最終調整を行いながら発売時期の検討が進められている。
(山本 敦)
■aptX HDに対応するワイヤレス版“テスライヤホン”
Xelento wirelessは、発売時期は未定だが、価格は1,199ユーロを予定する。有線タイプのXelento remoteは高解像度・広ダイナミックレンジを引き出すテスラテクノロジーを、初めてイヤホンに採用したことで注目を集めた。今回発表された製品は、同じイヤホン部をベースにワイヤレス化を図ったバリエーション。交換可能なMMCX端子で銀メッキ処理の高音質ワイヤレスケーブルを採用する。
同社は「Xelento remoteの究極の高音質を、ストレスフリーのワイヤレス環境で楽しめる“ファーストクラスのBluetoothイヤホン”」として本機を紹介している。製造はベイヤーダイナミックがドイツ南部の街、ハイルブロンに構える本社工場でハンドメイドで行われる。
Bluetoothのオーディオコーデックは最大48kHz/24bitの音声信号をワイヤレスで伝送できるaptX HDとAAC、SBCをサポートする。アルミニウム筐体のリモコンには約5時間半の連続音楽再生に対応するバッテリーを内蔵。リモコンユニットはさらに別の筐体になる。パッケージには7種類のシリコンチップ、3種類のComplyフォームチップにキャリングケース、ケーブルクリップなどを同梱する。
ドライバーは8Hz〜48kHzの周波数帯域をカバーする。インピーダンスが16Ω、感度は110dBという基本スペックもXelento remoteと変わらない。イヤホン側がMMCXで、アンバランス接続の3.5mmイヤホン端子を搭載する1.3mのマイク内蔵リモコンケーブルもパッケージに同梱されているので、こちらのケーブルに交換すればまさしくXelento remoteによるリスニングが楽しめることになる。
■Bluetooth対応テスラヘッドホンのテーマは「パーソナライズ」
Aventho Wirelessは、テスラテクノロジーを搭載するオンイヤーヘッドホン「T51 p」をベースに開発されたワイヤレスヘッドホンだ。搭載するドライバーはT51 pと口径は同じだが、高域の再生周波数帯域を40kHzまで伸ばしている。外観もほぼT51 pのデザインを踏襲しながら、ワイヤレスヘッドホンとしての機能性を追加している。カラバリはブラウン×ブラックとブラック×ブラックの2色。ヘッドバンドとイヤーパッドに使っているレザーのタンニングが変わる。
BluetoothヘッドホンとしてはaptX HDとaptX、AACのコーデックをサポートしている。特筆すべきは、BTレシーバーからDAC、アンプまで一体化されたモジュールをあえて選択せずに、BTレシーバーのICとDACのICを分けて持たせて高音質化を図ったこと。DACにはAKMのICチップを使っている。
右側のイヤーカップがタッチセンサーリモコンになっていて、音楽再生やハンズフリー通話のコントロールがスムーズに行える。本体に搭載するその他のインターフェースは電源/ペアリングに使う小さなボタン1つだけだ。
本機のユニークな機能は、サードパーティーであるドイツのMIMI社が開発する聴覚チューニングアプリ「MIY HEADPHONES APP」との連携を実現したこと。アプリでユーザーの年齢を入力した後、左右の耳ごとにテスト信号を聴き分けながらユーザーの聴覚の状態をチェック。測定値から導き出したプロファイルを保存して、ヘッドホンに内蔵するメモリーに読み込ませることによって、ヘッドホンに内蔵するアンプの帯域ごとの出力バランスをユーザーの聴力に合わせて整え、ベストなリスニング体験を繰り返し楽しめる。
筆者もプロファイルを作成してもらってその効果を試してみたが、効果のオン・オフをアプリで切り替えながら音楽を鳴らしてみると、音の彫りの深さと立体感、前に押し出してくる力が明らかに違った。設定はヘッドホンの側に保存されるので、スマホでどんなアプリを使って音楽を聴いたり、動画を視聴したりしても効果が発揮されるのが特徴だ。
アプリはiOS/Androidの両方をサポートしている。アプリによるヒアリングチェックはヘッドホンとスマホをBluetoothで接続している状態、および付属のヘッドホンケーブルでつないでいる状態の両方で行える。
内蔵バッテリーは20時間の連続音楽再生が楽しめるスタミナ設計。USB-C端子を搭載して、クアルコムの急速充電が使える。
本機はヨーロッパで10月から449ユーロで発売を予定している。ユニークな機能を日本でもゆっくりとテストできる機会が待ち遠しく感じられた。
■スマホ対応ポケットDACのiOS版も開発中
スマホやタブレットにつないで高品位なハイレゾ再生が楽しめるポケットサイズのDAC「Impacto Essential」(関連記事)をベースに、iOSデバイスへの対応も可能とした「Impacto Universal」のプロトタイプについても最後に簡単に触れておこう。より長時間の音楽リスニングが楽しめるようにバッテリーパックも付属する。現在は最終調整を行いながら発売時期の検討が進められている。
(山本 敦)