公開日 2017/11/24 10:00
オーディオ銘機賞2018で製品特別大賞を受賞
エソテリックの一体型プレーヤー/プリメイン最高峰。「Grandioso K1/F1」を聴く
鈴木 裕
エソテリックのフラッグシップ“Grandioso”シリーズは2013年の発売開始以降、徐々にラインナップを増やし、昨年末には待望の一体型プレーヤー「Grandioso K1」とプリメインアンプ「Grandioso F1」が登場。いずれも先日開催されたオーディオ銘機賞2018にて「製品特別大賞」を受賞した。本稿では、これまでのノウハウと新技術を凝縮させて完成させたこの2モデルに、マスタークロックジェネレーターの最高峰「Grandioso G1」を組み合わせ、その注目の特徴とクオリティを紹介する。
■電源部から新設計。最新の最上位DACも搭載した「Grandioso K1」
新しく登場した「Grandioso K1」は、K‐01Xの延長上にあるモデルに見えるが、実はドライブメカこそ共通なものの、その他はほぼ新設計の一体型プレーヤーだ。まず、トランスポートメカニズムは最上位のVRDS‐NEO「VMK‐3.5‐20S」。ただし、このメカの搭載されているシャーシの構造からして進化している。メカ自体はセンター配置だが、ピンポイントフット(脚)は4点支持。そしてスチール製ボトムシャーシに今回は本数、長さともに多めにスリットが入れられ、振動コントロールを積極的に行っている。
エレクトロニクスについては、紹介しなければいけない話題がたくさんある。まずエソテリックにとって初の搭載となったDACデバイス「AK4497」。2016年1月に発表された旭化成のフラッグシップだ。この32bitDACチップを左右チャンネル2個ずつ組み合わせ、35bitのD/Aプロセッシングアルゴリズムを構成。新しいパーツとしては新日本無線の「MUSES03」というオペアンプの採用も大きい。
AK4497とMUSES03によって、チャンネルあたり差動8回路のパラレル/ディファレンシャル回路を構成。DAコンバーター部は電源トランスも左右独立させ、チャンネルごとに8つの電源レギュレーターを各回路の直近に配置。また、デジタル回路とアナログ回路のアイソレーションもさらに徹底的に追い込んでいる。
以前からGrandiosoC1やD1等に採用されていた電流伝送強化型の出力バッファーアンプを搭載。スルーレートが2000V/μsという素子を採用し、これに電源としてチャンネルあたり12万5000μFの大容量スーパーキャパシターを組み合わせた点が新機軸となっている。
■独自の出力トランジスタを開発、ESLINK Analogも搭載した「Grandioso F1」
基本的にフルバランスで、デュアルモノラルの回路構成。音量調節はラダー抵抗切り替え型ボリュームを電子制御でコントロールする方式だ。電源部は1000VAのトロイダル電源トランスや10000μFの×4本のコンデンサーから構成する。
現在はK1にしかその出力が搭載されていないが「ESLINK Analog」も特筆すべき技術だ。いわゆる電流伝送方式による接続で、信号経路(ケーブル)のインピーダンスの影響を受けにくく、伝送の純度を向上できる。
そして大きな話題は出力トランジスターだ。最新技術シリコンカーバイドを使ったSiC‐MOSFETで、エソテリックブランド初の自社専用素子である。一般的なシリコンデバイスと比較して低容量で低損失。連続で78A、瞬間では最大150Aの電流を流せる高性能デバイスだ。
■電源部から新設計。最新の最上位DACも搭載した「Grandioso K1」
新しく登場した「Grandioso K1」は、K‐01Xの延長上にあるモデルに見えるが、実はドライブメカこそ共通なものの、その他はほぼ新設計の一体型プレーヤーだ。まず、トランスポートメカニズムは最上位のVRDS‐NEO「VMK‐3.5‐20S」。ただし、このメカの搭載されているシャーシの構造からして進化している。メカ自体はセンター配置だが、ピンポイントフット(脚)は4点支持。そしてスチール製ボトムシャーシに今回は本数、長さともに多めにスリットが入れられ、振動コントロールを積極的に行っている。
エレクトロニクスについては、紹介しなければいけない話題がたくさんある。まずエソテリックにとって初の搭載となったDACデバイス「AK4497」。2016年1月に発表された旭化成のフラッグシップだ。この32bitDACチップを左右チャンネル2個ずつ組み合わせ、35bitのD/Aプロセッシングアルゴリズムを構成。新しいパーツとしては新日本無線の「MUSES03」というオペアンプの採用も大きい。
AK4497とMUSES03によって、チャンネルあたり差動8回路のパラレル/ディファレンシャル回路を構成。DAコンバーター部は電源トランスも左右独立させ、チャンネルごとに8つの電源レギュレーターを各回路の直近に配置。また、デジタル回路とアナログ回路のアイソレーションもさらに徹底的に追い込んでいる。
以前からGrandiosoC1やD1等に採用されていた電流伝送強化型の出力バッファーアンプを搭載。スルーレートが2000V/μsという素子を採用し、これに電源としてチャンネルあたり12万5000μFの大容量スーパーキャパシターを組み合わせた点が新機軸となっている。
■独自の出力トランジスタを開発、ESLINK Analogも搭載した「Grandioso F1」
基本的にフルバランスで、デュアルモノラルの回路構成。音量調節はラダー抵抗切り替え型ボリュームを電子制御でコントロールする方式だ。電源部は1000VAのトロイダル電源トランスや10000μFの×4本のコンデンサーから構成する。
現在はK1にしかその出力が搭載されていないが「ESLINK Analog」も特筆すべき技術だ。いわゆる電流伝送方式による接続で、信号経路(ケーブル)のインピーダンスの影響を受けにくく、伝送の純度を向上できる。
そして大きな話題は出力トランジスターだ。最新技術シリコンカーバイドを使ったSiC‐MOSFETで、エソテリックブランド初の自社専用素子である。一般的なシリコンデバイスと比較して低容量で低損失。連続で78A、瞬間では最大150Aの電流を流せる高性能デバイスだ。