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公開日 2018/12/11 06:30
低音をほどよく締めるのに効果大!

手軽な設置で大幅な音質向上。オーディオ評論家がヤマハの調音パネル「ACP-2」を導入レポート

土方久明

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大掛かりな施工を必要とせず、リスナー自身の手で設置しやすく、高いルームチューニング効果を発揮するヤマハの調音パネル「ACP-2」。あるオーディオショウの講演ルームで、ACP-2の調音効果に助けられた土方久明氏は、ついに自宅にも導入するに至った。本記事では、土方氏がACP-2をどのように使用し音作りをしていったのかをレポートする。

土方久明氏が自宅にヤマハの調音パネル「ACP-2」を導入!使用法と音作りをレポート

薄いパネルなのに、低音域の吸音効果も望める

僕は、ルームチューニングに高い関心を持っている。オーディオの音は、部屋の音響特性に影響を受ける。室内をいかに適確にチューニングするかが、最終的なサウンドの品質を左右することを実感しているのだ。そこで今回は、自宅のオーディオルームに導入したヤマハの調音パネル「ACP-2」シリーズについてご紹介したい。





YAMAHA 調音パネル
ACP-2
ホワイト=¥45,000(税抜) ブラウン=¥60,000(税抜) ナチュラル=¥60,000(税抜)


ヤマハは1980年代初頭から、楽器演奏部屋の音響特性を改善することを目的とした調音技術を開発していた。2010年に発売されたコンシュマー向き調音パネルの初代モデル「TCH」は、もともとピアノなどの楽器を設置した部屋の音響特性を整えることを目的としていたが、オーディオルームの音響改善にも高い効果をみせ、オーディオファンからも好評を博した。

そして2012年、付属スタンドで自立設置を可能とし、オーディオ用途で使いやすくなった「ACP-2」が発売されたのだ。以前のモデル「TCH」が高さ90cmであったのに比べ、「ACP‐2」は高さを120cmに伸ばしたことで制御音域の最低域を拡張し、80Hzから4kHzまで制御できるのもポイントだ。特にオーディオ再生時やピアノ演奏時の中低音域の響きを整える効果を高めている。

「ACP‐2」は高さを120cmに伸ばし、制御音域の最低域を80Hzから4kHzまで制御可能に

その構造はユニークだ。音を吸音するには、低音域になるほど吸音材の厚みが必要となるが、ACP-2はわずか3cmの厚さながら、MDFとリアルウッドのハイブリットで、「音響共鳴管」と「堅い反射面」で構成された独自の音響構造となっている。

パネル前面には、共鳴管へつながる短い穴の空いたスリットがある。そこから入ってきた音は、開口部の位置を境に長さの違う上下2本の共鳴管により、異なる周波数で吸音される。合計20本以上の長さの異なる共鳴管があることで、高域から低域までの広い帯域でほぼ平坦な吸音特性を発揮する。

さらに散乱性能も備えている。音を反射するパネル表面と、開口部から放射される音が干渉し、適度な拡散効果も生まれ、音響障害を抑制し響きを整え、単なる吸音材などでは得られない心地良い音場を作り出すのだ。


ヤマハの調音パネルとは?


音を吸音するには、低音域になるほど吸音材の厚みが必要となるが、ACP-2は「音響共鳴管」と「堅い反射面」で構成された独自の音響構造により、わずか3cmの厚さながら、広い帯域でほぼ平坦な吸音特性を発揮する。さらに散乱性能も備えているため、音響障害を抑制し響きを整え、単なる吸音材などでは得られない心地よい音場を作り出す。以前のモデル「TCH」が高さ90cmであったのに比べ、「ACP‐2」は高さを120cmとすることで制御音域の最低域を拡張。特にオーディオ再生時やピアノ演奏時の中低音域の響きを整える効果を高めている。


オーディオショウの講演で実感したACP-2の効果

ACP-2の優れた音質改善効果を知ったのは、2017年春に開催されたオーディオショウで講演したメーカーブースの設営に立ち会った時のことだった。その部屋は壁の大部分がガラス面で、音を鳴らすと低域から高域まで全てライヴで、特に低域の暴れっぷりは凄まじかった(オーディオショウのブースの多くはこの手のブーミーな部屋が多い)。講演を成功させるには、良い音を出すことが大前提だ。「この製品は音が良い」と言ったところで、実際の音が悪ければまったく説得力がない。

これは困ったなと思っていたのだが、その時メーカーが用意した荷物の中にACP-2があった。

導入前の問題点は、低域がブーミーで全帯域の明瞭度が低い

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