公開日 2019/09/21 07:00
【特別企画】さらに長く使える信頼モデル
世界中のプロが愛する音を持ち歩く。AKGの新モニターヘッドホン「K371-Y3/K361-Y3」レビュー
草野 晃輔
音の入口であるマイクと音の出口にあたるヘッドホン&イヤホン。その双方を手掛け、世界的に高い評価を得ている名門ブランドAKGから、モニターヘッドホンのニューモデルとなる「K371-Y3」と「K361-Y3」が登場した。
両機種ともプロフェッショナル向けの本格派でありながら、モバイルリスニングを意識した意欲作だ。そのうえ、価格も手頃とくれば、気になるのは必然だろう。今回、両機を試聴する機会を得たので、その実力をレビューしたい。
■伝統のAKGモニターヘッドホンがモバイル対応として新たな扉を開く
AKGは1947年にオーストリアで設立されたオーディオメーカーだ。マイクロフォンの開発・製造に端を発し、1950年代にはコンデンサー・マイクの「C12」を筆頭に、今でも多くのスタジオで使われている製品を多数手がけている。
そんなAKGがヘッドホンを最初に手掛けたのは1949年。以来、名機と呼ばれるプロダクトを次々と世に送り出し、1975年の「K240」でプロ用ヘッドホンとしての地位を確立。多くのミュージシャンやエンジニアから寵愛を受けてきた。
現在AKGのヘッドホンには、一般ユーザー向けのコンシューマーラインと、ミュージシャンやエンジニアに “正確なサウンド” を届けることにこだわるプロフェッショナルラインが存在する。今回登場する「K371-Y3」と「K361-Y3」は、プロフェッショナルラインのモニター・スタジオヘッドホンの最新機種だ。いずれも、密閉型のオーバーイヤータイプで見た目が瓜二つの兄弟モデルとなる。
ヘッドホンファンの中には、両機のデザインを見て「あれ?」と思った人も少なくないだろう。AKGのヘッドホンといえば、円形のイヤーパッドがデザインのアイデンティティとなっているのだが、今回登場した2モデルは、いずれも楕円形のイヤーパッドを採用しているのだ。これは、音質や快適性をそのままにモバイルユースでの利便性を高めたため。
両機は折り畳み機構を備えており、ヘッドバンドのアーム部にある同社ロゴマーク部を中心に、長さ調節のヒンジ部を回転させることでコンパクトにできる。円形イヤーパッドではここまで小さくできないだろう。筆者もコンシューマーラインの密閉型リファレンスヘッドホン「K550MKII」を愛用しており、外でも楽しみたいと常々感じていた。しかし、大きくて持ち歩きには適さず、自宅での利用に限定していた。その点、K371-Y3/K361-Y3はプロ向けのスタンスはそのままに、気軽に持ち出して楽しむこともできる。
ここからは各モデルを紹介しよう。上位機のK371-Y3は、実売19,000円前後。ヘッドバンドとイヤーカップをつなぐアーム部分などに金属製のパーツを採用するなど、強度を高めつつ高級感を演出している。
ドライバーには、チタニウムコーティング振動板と高純度OFCボイスコイルを組み合わせた大型の50mm径ドライバーを搭載。再生周波数帯域は5Hz〜40kHzで、感度が99dB SPL/mW、インピーダンスは32Ωとなる。
Mini-XLR端子を備え、リケーブルに対応する。ケーブルは、3mカールコード、3mストレートケーブルに加え、1.2mストレートケーブルも用意。1.2mのケーブルを付属するのはプロフェショナルラインでは初めてということからも、本機の携帯性能へのこだわりがうかがえる。ケーブルはいずれもプレーヤー側の端子が3.5mmステレオミニで、6.3mmへの変換アダプターが付属する。また、質量は256gと軽く、持ち運びに便利なキャリングポーチが付いている。
K361-Y3は、K371-Y3の弟分にあたる実売12,000円前後のモデルで、金属製のパーツが樹脂製に置き換わるなど差別化が図られている。搭載するドライバーは50mm径のダイナミック型。ボイスコイルは上位機同様に高純度OFCを採用する。再生周波数帯域は上位機と異なり15Hz〜28kHz。感度が99dB SPL/mW、インピーダンスは32Ωという点は変わらない。
本機もリケーブルに対応するが、端子は2.5mmプラグとなる。また、付属するケーブルも3mストレートケーブル、1.2m ストレートケーブルの2本となっている。プレーヤー側の端子は3.5mmステレオミニで、変換アダプターとキャリングポーチが付く点は同じだ。樹脂の割合が増えたことで、質量は220gとより軽量になっている。
また、AKGのプロフェッショナルラインを取り扱う代理店のヒビノでは、両製品ともにAKGの2年保証に加え、独自に1年の保証期間を追加、合計3年間の保証期間を設けている。もともと堅牢な設計だが、長期の保証によって心置きなく愛用することができるはずだ。
両機種ともプロフェッショナル向けの本格派でありながら、モバイルリスニングを意識した意欲作だ。そのうえ、価格も手頃とくれば、気になるのは必然だろう。今回、両機を試聴する機会を得たので、その実力をレビューしたい。
■伝統のAKGモニターヘッドホンがモバイル対応として新たな扉を開く
AKGは1947年にオーストリアで設立されたオーディオメーカーだ。マイクロフォンの開発・製造に端を発し、1950年代にはコンデンサー・マイクの「C12」を筆頭に、今でも多くのスタジオで使われている製品を多数手がけている。
そんなAKGがヘッドホンを最初に手掛けたのは1949年。以来、名機と呼ばれるプロダクトを次々と世に送り出し、1975年の「K240」でプロ用ヘッドホンとしての地位を確立。多くのミュージシャンやエンジニアから寵愛を受けてきた。
現在AKGのヘッドホンには、一般ユーザー向けのコンシューマーラインと、ミュージシャンやエンジニアに “正確なサウンド” を届けることにこだわるプロフェッショナルラインが存在する。今回登場する「K371-Y3」と「K361-Y3」は、プロフェッショナルラインのモニター・スタジオヘッドホンの最新機種だ。いずれも、密閉型のオーバーイヤータイプで見た目が瓜二つの兄弟モデルとなる。
ヘッドホンファンの中には、両機のデザインを見て「あれ?」と思った人も少なくないだろう。AKGのヘッドホンといえば、円形のイヤーパッドがデザインのアイデンティティとなっているのだが、今回登場した2モデルは、いずれも楕円形のイヤーパッドを採用しているのだ。これは、音質や快適性をそのままにモバイルユースでの利便性を高めたため。
両機は折り畳み機構を備えており、ヘッドバンドのアーム部にある同社ロゴマーク部を中心に、長さ調節のヒンジ部を回転させることでコンパクトにできる。円形イヤーパッドではここまで小さくできないだろう。筆者もコンシューマーラインの密閉型リファレンスヘッドホン「K550MKII」を愛用しており、外でも楽しみたいと常々感じていた。しかし、大きくて持ち歩きには適さず、自宅での利用に限定していた。その点、K371-Y3/K361-Y3はプロ向けのスタンスはそのままに、気軽に持ち出して楽しむこともできる。
ここからは各モデルを紹介しよう。上位機のK371-Y3は、実売19,000円前後。ヘッドバンドとイヤーカップをつなぐアーム部分などに金属製のパーツを採用するなど、強度を高めつつ高級感を演出している。
ドライバーには、チタニウムコーティング振動板と高純度OFCボイスコイルを組み合わせた大型の50mm径ドライバーを搭載。再生周波数帯域は5Hz〜40kHzで、感度が99dB SPL/mW、インピーダンスは32Ωとなる。
Mini-XLR端子を備え、リケーブルに対応する。ケーブルは、3mカールコード、3mストレートケーブルに加え、1.2mストレートケーブルも用意。1.2mのケーブルを付属するのはプロフェショナルラインでは初めてということからも、本機の携帯性能へのこだわりがうかがえる。ケーブルはいずれもプレーヤー側の端子が3.5mmステレオミニで、6.3mmへの変換アダプターが付属する。また、質量は256gと軽く、持ち運びに便利なキャリングポーチが付いている。
K361-Y3は、K371-Y3の弟分にあたる実売12,000円前後のモデルで、金属製のパーツが樹脂製に置き換わるなど差別化が図られている。搭載するドライバーは50mm径のダイナミック型。ボイスコイルは上位機同様に高純度OFCを採用する。再生周波数帯域は上位機と異なり15Hz〜28kHz。感度が99dB SPL/mW、インピーダンスは32Ωという点は変わらない。
本機もリケーブルに対応するが、端子は2.5mmプラグとなる。また、付属するケーブルも3mストレートケーブル、1.2m ストレートケーブルの2本となっている。プレーヤー側の端子は3.5mmステレオミニで、変換アダプターとキャリングポーチが付く点は同じだ。樹脂の割合が増えたことで、質量は220gとより軽量になっている。
また、AKGのプロフェッショナルラインを取り扱う代理店のヒビノでは、両製品ともにAKGの2年保証に加え、独自に1年の保証期間を追加、合計3年間の保証期間を設けている。もともと堅牢な設計だが、長期の保証によって心置きなく愛用することができるはずだ。