公開日 2019/11/21 15:04
コンパクトでハイエンドなシステムを実現できる
【AEx2020 特別賞】デスクトップ×ハイエンドの進化系。TEAC“505シリーズ”の真髄を掘り下げる
角田郁雄
コンパクトサイズに最新鋭の機能を盛り込み、リーズナブルな価格を実現したティアックの“505シリーズ”。昨年発売の「NT-505」「UD-505」、そして今年登場したNcoreアンプモジュールを搭載した2機種の計4モデルが「505シリーズ」としてオーディオ銘機賞2020特別賞を受賞した。個別の機能の高さはもちろん、シリーズとしても魅力的な本シリーズのサウンドと、ティアックならではの戦略性を角田郁雄氏が解説する。
■価格以上の機能と技術を搭載してきたティアック
ハイレゾの黎明期に登場したティアックのA4サイズのUSB-DAC「UD-501」は、同社のテープレコーダーの操作部のイメージを湛え、コンパクトながら精密感に溢れていた。
その後、ハイレゾフォーマットやストリーミングミュージックなどの進化とともに、アップグレードモデルが登場し、「UD-505」へと進化を歩んできた。この間、シリーズの愛好家は確実に増え、次はどんな機能が追加されるのであろうかと期待を膨らませていた。
このシリーズは、デザイン、技術、音質を決して裏切ることはなかったし、それどころかいつも価格以上の機能、技術を搭載してきた。現在のその頂点は、USB-DAC/ヘッドホンアンプ「UD-505」とUSB-DAC/ネットワークプレーヤー「NT-505」である。
UD-505はUSB再生で、DXD、DSD22.6MHzまでのハイスペック音源を再生できるようになった。NT-505のネットワーク再生では、TIDAL、Qobuzなどのストリーミング再生やRoonReadyに対応するほか、MQAにも対応するに至った。
D/A変換技術面では、32bit高精度DACによるデュアル・モノラル構成にこだわり、アナログ出力には、なんと贅沢にも同社独自の電流強化型バッファー「TEAC-HCLD」を搭載。それだけではなく、このサイズにして、余裕十分な電源部までも搭載しているのである。
■倍音成分豊かなアナログ的な質感が特徴
ここまで進化してくると同じサイズのプリメインアンプが欲しくなる。ここで登場したのが「AX-505」である。RCA入力3系統、バランス入力1系統に加え、ヘッドホンアンプも搭載。出力段には、世界的に高い評価を得ているオランダHypex社のNcoreクラスDアンプを搭載している。
その音質は中低域に厚みのあるピラミッド型バランスで、倍音成分の豊富なアナログ的質感も大きな魅力である。また、スピーカー制動力も高く、私のB&W「802D3」を見事にドライブしてくれた。
さらに同社は、パワーアンプ「AP-505」を登場させた。本機はまず、そのデザインが良い。
サイドパネルは高品位なアルミ製で、中央にはLR用2針式アナログレベルメーターを装備。これは明るさを3段階に切り替えられ、消灯することもできるので便利だ。脚部も、同社が特許を取得した「3点支持ピンポイントフット」である。
内部技術で特筆すべきは、何と言っても出力段だろう。AX-505にも搭載されたHypexのNcoreクラスDモジュールが本機にも搭載されているが、単なる標準機ではなく、同社の技術を投入し、音決めしたカスタムメイド仕様であり、その基板にはTEACと表記されている。ダンピング・ファクターも370以上と、驚くほど高い性能値である。
これら2モデルに搭載したNcoreモジュールは、海外のハイエンド・ブランドも採用するほど高品位なクラスDアンプで、現在、A級、AB級アンプと並ぶ存在となってきている。現在のAB級アンプと音質を区別することは、もはや困難と言えるくらい音質と駆動力が進化してきているのだ。
AP-505を鳴らしてみると、俊敏な立ち上がりを示しつつ、前段のアナログ回路の音質が反映されたアナログ的な色濃い音質を聴かせてくれる。しかも、音楽のベースラインをガッチリと支える、中低域の厚みも十分である。こうした特性を備えるので、B&W 802D3をも楽々とドライブしてしまうのだ。
なお、このAP-505は2台揃えることでモノラルアンプへと進化し、バイアンプ・モードとハイパワーのBTLモードが選択できる。さらなるスピーカー駆動力向上が可能となるのである。
■価格以上の機能と技術を搭載してきたティアック
ハイレゾの黎明期に登場したティアックのA4サイズのUSB-DAC「UD-501」は、同社のテープレコーダーの操作部のイメージを湛え、コンパクトながら精密感に溢れていた。
その後、ハイレゾフォーマットやストリーミングミュージックなどの進化とともに、アップグレードモデルが登場し、「UD-505」へと進化を歩んできた。この間、シリーズの愛好家は確実に増え、次はどんな機能が追加されるのであろうかと期待を膨らませていた。
このシリーズは、デザイン、技術、音質を決して裏切ることはなかったし、それどころかいつも価格以上の機能、技術を搭載してきた。現在のその頂点は、USB-DAC/ヘッドホンアンプ「UD-505」とUSB-DAC/ネットワークプレーヤー「NT-505」である。
UD-505はUSB再生で、DXD、DSD22.6MHzまでのハイスペック音源を再生できるようになった。NT-505のネットワーク再生では、TIDAL、Qobuzなどのストリーミング再生やRoonReadyに対応するほか、MQAにも対応するに至った。
D/A変換技術面では、32bit高精度DACによるデュアル・モノラル構成にこだわり、アナログ出力には、なんと贅沢にも同社独自の電流強化型バッファー「TEAC-HCLD」を搭載。それだけではなく、このサイズにして、余裕十分な電源部までも搭載しているのである。
■倍音成分豊かなアナログ的な質感が特徴
ここまで進化してくると同じサイズのプリメインアンプが欲しくなる。ここで登場したのが「AX-505」である。RCA入力3系統、バランス入力1系統に加え、ヘッドホンアンプも搭載。出力段には、世界的に高い評価を得ているオランダHypex社のNcoreクラスDアンプを搭載している。
その音質は中低域に厚みのあるピラミッド型バランスで、倍音成分の豊富なアナログ的質感も大きな魅力である。また、スピーカー制動力も高く、私のB&W「802D3」を見事にドライブしてくれた。
さらに同社は、パワーアンプ「AP-505」を登場させた。本機はまず、そのデザインが良い。
サイドパネルは高品位なアルミ製で、中央にはLR用2針式アナログレベルメーターを装備。これは明るさを3段階に切り替えられ、消灯することもできるので便利だ。脚部も、同社が特許を取得した「3点支持ピンポイントフット」である。
内部技術で特筆すべきは、何と言っても出力段だろう。AX-505にも搭載されたHypexのNcoreクラスDモジュールが本機にも搭載されているが、単なる標準機ではなく、同社の技術を投入し、音決めしたカスタムメイド仕様であり、その基板にはTEACと表記されている。ダンピング・ファクターも370以上と、驚くほど高い性能値である。
これら2モデルに搭載したNcoreモジュールは、海外のハイエンド・ブランドも採用するほど高品位なクラスDアンプで、現在、A級、AB級アンプと並ぶ存在となってきている。現在のAB級アンプと音質を区別することは、もはや困難と言えるくらい音質と駆動力が進化してきているのだ。
AP-505を鳴らしてみると、俊敏な立ち上がりを示しつつ、前段のアナログ回路の音質が反映されたアナログ的な色濃い音質を聴かせてくれる。しかも、音楽のベースラインをガッチリと支える、中低域の厚みも十分である。こうした特性を備えるので、B&W 802D3をも楽々とドライブしてしまうのだ。
なお、このAP-505は2台揃えることでモノラルアンプへと進化し、バイアンプ・モードとハイパワーのBTLモードが選択できる。さらなるスピーカー駆動力向上が可能となるのである。