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公開日 2019/11/29 06:00
Zマウント初となる、待望のAPS-Cミラーレス

ニコン「Z 50」レビュー。カメラで写真を撮る楽しさが、小型軽量ボディに凝縮!

山田久美夫

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ニコンから、Zマウントを採用した、初のAPS-Cミラーレス「Z 50」が登場した。本機は、昨年発表されたニコンの新世代システム「ニコン Z マウントシステム」に対応した最新モデルであり、先日発表された「デジタルカメラグランプリ2020」においても、見事「総合金賞<ミラーレス>」を受賞した注目モデル。「Z 7」、「Z 6」などのフルサイズ機とはひと味違った魅力を備えた新展開だ。



ニコンがミラーレス機用に新たに立ち上げた「ニコン Z マウントシステム」は、第一弾がフルサイズ機だったことや、マウント口径の大きさから、「フルサイズ機専用のマウントでは?」という雰囲気もあったが、いよいよ待望のAPS-C機の登場である。どのように仕上げたのか興味津々の方も多いだろう。

まずは本機のアウトラインを、ざっとおさらいしておこう。マウントは「Z 7」、「Z 6」と同様、Zマウントを採用。イメージセンサーは、位相差AFに対応した有効2088万画素のAPS-Cセンサーを搭載。最高感度はISO51200(静止画撮影時。動画撮影時は最高ISO25600)。最高で秒間11コマ(拡張時)の連写に対応し、有機ELを採用した約236万ドットのEVF(電子ビューファインダー)を採用。チルト可能なタッチ式液晶モニターを備え、防塵防滴に配慮した設計が施されるなど、APS-Cミラーレスの中堅モデルとして、過不足のないスペックといえるだろう。

レンズキットに付属する軽量コンパクトな標準ズーム「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」(写真左)。ダブルズームキットには、「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」に加え、望遠ズーム「NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR」(写真右)も付属する。

価格はオープンだが、ボディ単体で実売12万円前後。標準ズーム「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」を付属したレンズキットが実売14万円前後、そこに望遠ズーム「NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR」が加わったダブルズームキットが実売17万円前後だ。

■毎日気軽に持ち歩ける、軽量コンパクトなボディ


「この薄さ、この軽さ、いいな!」というのが、実際に本機を手に取った際の第一印象だ。

これは私の持論だが、カメラの最大の欠点は、常に持ち歩いていなければ写真が撮れないこと。そのため、大きく重いカメラは、「撮るぞ!」という強い意気込みがない限り、だんだんと持ち歩くのが億劫になり、最悪、使わなくなってしまうなんてことも…。

写真が趣味、あるいは作品を撮ることが目的の方なら話は別だが、そうでない方の多くは、楽しいと思った瞬間、キレイだと思った瞬間を残すために写真を撮る。それが今もっともスタンダードなカメラとの付き合い方ではないだろうか。なので、特別な目的がない限り、カメラを買うこと、カメラを持ち歩くことが苦になってしまうようなモデルは選ばない方がいいだろう。

しかし、本機とレンズキット付属の標準ズームの組み合わせなら、そんな心配も無用。ボディは、縦横のサイズが5.5インチディスプレイを搭載したスマートフォンとほぼ同等で、厚みもレンズ込みで約10cmと非常にコンパクトだ。


縦横のコンパクトさはもちろんだが、実際に使って驚くのがボディの薄さ。レンズキット付属の標準ズームを装着した状態でなんと10cm未満。しかもこの数値はEVFの出っ張りも含めてなので、実際はそれ以上に薄く感じるだろう。

さらに標準ズーム装着時の重さも600gを切っており、600ml入りのペットボトル1本分よりも軽い。実際、撮影の間ずっと首から下げていたが、首が凝るどころか、一瞬、下げていることを忘れて、焦ってしまったほどだ。

この大きさ、この軽さなら、デイパックはもちろん、小さめのトートバッグやスリムなビジネスバッグにだって、難なく収まる。カメラのためにバッグを変えず、普段使いのバッグに標準ズームを付けたまま持ち歩けるだろう。

一方、小型軽量ながらも、手にすると、しっかりと「イイもの感」が伝わってくる。外装はマグネシウム合金を採用し、防塵防滴に配慮した設計も施されるなど、かなりの本格派だ。ボディに触れた時のヒンヤリとした感触は、エントリーモデルにありがちなプラスチック外装とは一線を画し、高級感を感じさせてくれる。

心地よく軽快な撮影をサポートする、必要十分な基本性能

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