公開日 2020/09/18 06:30
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“Hi-Fi級のステレオ再生” は本当か? マランツ「SR6015」から、今まで聴いたことのない音が出た
土方久明
「AVアンプの音質は、本格的な2チャンネルのステレオアンプには及ばない」。
これはオーディオ/ビジュアルファン界隈ではよく言われている事だ。理由については諸説あるが、多機能なAVアンプの場合、開発コストの配分が数多くのチャンネルやビジュアル回路に割り振られることで、ステレオ再生の音質のプライオリティが一歩後退しているイメージがあるからだと思う。素直に言えば、かつては筆者もそう思っていた。
しかし、総合オーディオ/ビジュアルメーカーのマランツが発売するミドルクラスの新型AVアンプ「SR6015」(公式サイト)は、そんな固定概念を打ち崩すものだ。
マランツのAVアンプ部門は近年好調だ。そのラインナップは、9月中旬に発売されるエントリーラインの薄型AVアンプ「NR1711」が価格9万円(税抜、以下同)で、その次の価格レンジとなる「SR8012」が37万円。つまり14万8千円のSR6015は、両者の空白地点に加わる、文字通りマランツAVアンプのミドルクラスにあたる製品なのである。
本機は9チャンネル分のパワーアンプを搭載し、2020年代のAVアンプに必要とされる機能である8K/60p、4K/120pのパススルー、充実したサラウンドフォーマット、最新のHDCP規格や音声フォーマットへの対応をほぼパーフェクトに備えている。これだけでもハイコストパフォーマンスと言えるが、さらに重要なポイントが「オーディオファイルでも納得できるレベルのステレオ再生品質を目指した」ということだ。
最近のマランツはAVアンプにおけるステレオ再生時のクオリティ向上を大きなテーマとしており、2chでのサウンドを作り込んだ上で、その延長としてマルチチャンネルのサウンドを作る形でチューニングを行っている。事実NR1711を含む“NRシリーズ”も2チャンネル時の再生音が高く評価されているが、このSR6015は、ミドルクラスとしてもう1歩進んだ音質対策を施したモデルなのである。
今回は本機を自宅試聴室にセッティングし、ステレオ再生とサラウンド再生の両方で徹底的に音質チェックしてみた。先に結論を述べると、SR6015は、筆者がステレオ再生のリファレンスに使用できるレベルの音質を備えていた。また、その音質で聞いた6.1チャンネルのサラウンド再生にも、大きな感銘を受けた事をお伝えしたい。
■映像、サラウンド、ゲーミングの最新フォーマットに対応
最初にお断りしたいのだが、本機は冒頭で触れたように多くのストロングポイントを持った製品だ。本題の音質評価をお届けする前に、そのスペックを紹介していこう。
まずはAVアンプの評価に必須となるチャンネル数、入出力、入力ソース、対応するHDRとサラウンドフォーマットについて、SR6015の対応状況を確認しよう。
外形寸法は440W×161H×398Dmm(Wi-Fi/Bluetoothアンテナを寝かせた状態)で、大型のTVラックであれば設置できるサイズだ。筆者も所有する同社のフラグシップAVプリアンプ「AV8805」に通じる、インテリアに馴染む品質の高いデザインも魅力。
パワーアンプは9ch分を搭載する。実用最大出力は220W(6Ω、1kHz、THD10%、1ch駆動)でパワーも申し分ない。
これにより、5.1.4chもしくは7.1.2chサラウンド環境が構築可能で、さらに11.2chの内部処理および11.2chプリアウト端子も装備している。2ch分のパワーアンプを追加すれば7.1.4環境まで対応可能となり、実質的にフルスペックのサラウンド環境を構築できる。
HDMIの入出力が豊富で、かつ最新スペックに対応。7入力/3出力を備えており、うち入力1系統と出力2系統は8K/60pと4K/120pのパススルーに対応する。もちろん全てのHDMI端子が最新の著作権保護技術「HDCP 2.3」をフォローしているのも安心だ。eARC、CECもサポートするほか、HDMI2.1の新機能「ALLM」「VRR」「QFT」「QMS」に対応し、ゲームの次世代スペックをサポートしているのも嬉しい。
近年、HDMIを利用するソース機器は増加しており、UHD-BDプレーヤー、新4K8K衛星放送対応のチューナー/レコーダー、ゲーム機器、Apple TVなどのストリーミングデバイスなど、枚挙にいとまがない。さらに年末には次世代ゲーム機「PS5」や「Xbox Series X」などの発売も控えており、最新のHDMI規格への対応力が求められる状況だ。
SR6015はこれらに対応するアドバンテージに加え、購入後も長期間製品が使い続けられる安心感がある(HDMI規格の関係上、筆者はあまり古いAVアンプの中古購入はお勧めしない)。
これはオーディオ/ビジュアルファン界隈ではよく言われている事だ。理由については諸説あるが、多機能なAVアンプの場合、開発コストの配分が数多くのチャンネルやビジュアル回路に割り振られることで、ステレオ再生の音質のプライオリティが一歩後退しているイメージがあるからだと思う。素直に言えば、かつては筆者もそう思っていた。
しかし、総合オーディオ/ビジュアルメーカーのマランツが発売するミドルクラスの新型AVアンプ「SR6015」(公式サイト)は、そんな固定概念を打ち崩すものだ。
マランツのAVアンプ部門は近年好調だ。そのラインナップは、9月中旬に発売されるエントリーラインの薄型AVアンプ「NR1711」が価格9万円(税抜、以下同)で、その次の価格レンジとなる「SR8012」が37万円。つまり14万8千円のSR6015は、両者の空白地点に加わる、文字通りマランツAVアンプのミドルクラスにあたる製品なのである。
本機は9チャンネル分のパワーアンプを搭載し、2020年代のAVアンプに必要とされる機能である8K/60p、4K/120pのパススルー、充実したサラウンドフォーマット、最新のHDCP規格や音声フォーマットへの対応をほぼパーフェクトに備えている。これだけでもハイコストパフォーマンスと言えるが、さらに重要なポイントが「オーディオファイルでも納得できるレベルのステレオ再生品質を目指した」ということだ。
最近のマランツはAVアンプにおけるステレオ再生時のクオリティ向上を大きなテーマとしており、2chでのサウンドを作り込んだ上で、その延長としてマルチチャンネルのサウンドを作る形でチューニングを行っている。事実NR1711を含む“NRシリーズ”も2チャンネル時の再生音が高く評価されているが、このSR6015は、ミドルクラスとしてもう1歩進んだ音質対策を施したモデルなのである。
今回は本機を自宅試聴室にセッティングし、ステレオ再生とサラウンド再生の両方で徹底的に音質チェックしてみた。先に結論を述べると、SR6015は、筆者がステレオ再生のリファレンスに使用できるレベルの音質を備えていた。また、その音質で聞いた6.1チャンネルのサラウンド再生にも、大きな感銘を受けた事をお伝えしたい。
■映像、サラウンド、ゲーミングの最新フォーマットに対応
最初にお断りしたいのだが、本機は冒頭で触れたように多くのストロングポイントを持った製品だ。本題の音質評価をお届けする前に、そのスペックを紹介していこう。
まずはAVアンプの評価に必須となるチャンネル数、入出力、入力ソース、対応するHDRとサラウンドフォーマットについて、SR6015の対応状況を確認しよう。
外形寸法は440W×161H×398Dmm(Wi-Fi/Bluetoothアンテナを寝かせた状態)で、大型のTVラックであれば設置できるサイズだ。筆者も所有する同社のフラグシップAVプリアンプ「AV8805」に通じる、インテリアに馴染む品質の高いデザインも魅力。
パワーアンプは9ch分を搭載する。実用最大出力は220W(6Ω、1kHz、THD10%、1ch駆動)でパワーも申し分ない。
これにより、5.1.4chもしくは7.1.2chサラウンド環境が構築可能で、さらに11.2chの内部処理および11.2chプリアウト端子も装備している。2ch分のパワーアンプを追加すれば7.1.4環境まで対応可能となり、実質的にフルスペックのサラウンド環境を構築できる。
HDMIの入出力が豊富で、かつ最新スペックに対応。7入力/3出力を備えており、うち入力1系統と出力2系統は8K/60pと4K/120pのパススルーに対応する。もちろん全てのHDMI端子が最新の著作権保護技術「HDCP 2.3」をフォローしているのも安心だ。eARC、CECもサポートするほか、HDMI2.1の新機能「ALLM」「VRR」「QFT」「QMS」に対応し、ゲームの次世代スペックをサポートしているのも嬉しい。
近年、HDMIを利用するソース機器は増加しており、UHD-BDプレーヤー、新4K8K衛星放送対応のチューナー/レコーダー、ゲーム機器、Apple TVなどのストリーミングデバイスなど、枚挙にいとまがない。さらに年末には次世代ゲーム機「PS5」や「Xbox Series X」などの発売も控えており、最新のHDMI規格への対応力が求められる状況だ。
SR6015はこれらに対応するアドバンテージに加え、購入後も長期間製品が使い続けられる安心感がある(HDMI規格の関係上、筆者はあまり古いAVアンプの中古購入はお勧めしない)。