公開日 2020/10/17 07:00
スマホアプリと連動
【レビュー】Amazon「Echo Auto」を試す。“クルマの中でもAlexa”はどれだけ便利?
編集部:風間雄介
Amazonが9月末に発売した車載デバイス「Echo Auto」(詳細ページ)。その名の通り、家庭内向けの「Echo」と似たようなことが、クルマの中でもできるようになるというものだ。価格は4,980円(税込)。2週間程度使ってみたので、かんたんなレビューをお届けしよう。
製品の概要はニュースでもお伝えした通りだ。本機はマイク機能と音声を伝送したりする機能に徹しており、Alexaの応対やネット接続などは、スマートフォンのアプリを活用する。このため、たとえばスマホを家に置いてきてしまったら使用できない。
ただしこれは、車内の常時接続環境がまだまだ少ないため、仕方のないことだ。逆にシンプルな機能に徹しているため、本体は小さくまとめられており、なおかつ価格も手頃に抑えられている。
■考え抜かれた設計で設定はかんたんに行える
セットアップの手順だが、まずはEcho Autoを置く場所を確保する。これは、エアコンの吹き出し口に差し込んで固定する「エアベントマウント」を利用するので、クルマにテープを貼ったりする必要はない。マウントが固定できたら、その上にEcho Autoを置いて設置完了だ。
続いてEcho Autoの電源を確保する。クルマにUSB A端子があれば、付属のUSB A to USB microBケーブルで接続するだけでよい。なければ、これも付属の、シガーソケットに差し込むUSB電源アダプターを使おう。
続いて、Echo Autoとカーオーディオ/カーナビの音声伝送を準備する。Bluetoothでつなぐには、Alexaアプリを入れたスマートフォンと、カーオーディオ/カーナビがBluetoothでペアリングされていればOK。ライン出力端子も用意されているので、ケーブルの取り回しなどが気にならないのなら、こちらを選ぶ方法もある。
なおUSBケーブルやラインケーブルに関しては、マウント部にケーブルマネジメント機能があるため、これを利用することで、ディスプレイの上にケーブルが被らないように取り回せた。
もしスマホにAlexaアプリが入っていなかったら、インストールする必要がある。その上でアプリの「デバイス」からEcho Autoを登録する。
■予想に反してスピーディーな反応。マイク精度も文句なし
さて、これで準備は完了だ。早速使ってみよう。…とは言っても使うのはかんたんで、Bluetoothかライン、どちらか使用する入力に切り替えてから、「Alexa、今日の天気は?」など、使い慣れている方ならおなじみのフレーズで語りかければよい。Alexaが反応したり、処理しているあいだは、前面のLEDの色が変わるので、見た目にも反応しているかどうかわかるのが嬉しい。
使い方はかんたんだが、行っている処理の工程自体は多いはずだ。Echo Autoのマイクで声を拾い、それをBluetoothでスマホアプリに送り、さらにそれをクラウドに上げて処理し、戻ってきた回答や反応をさらにBluetoothでEcho Autoに伝送し…という処理が行われているはずで、使う前は遅延が気になりそうだと想像していた。
だが実際に使ってみると、当初の予想に反して、かなりスピーディーにAlexaが反応するので驚いた。もちろんスマホの通信環境などにもよるだろうが、これならいつも家庭内で使っているAlexaデバイスに近い感覚でストレスなく使えそうだと感じた。Alexaの機能やスキルは多数用意されているので、様々な使い方が楽しめそうだ。
個人的に気に入ったのはアナウンス機能だ。自宅には何台かのAlexaデバイスがあるので、それらのデバイスへ、クルマの中から声でアナウンスできる。特定の誰かではなく、複数のデバイスへ一斉にアナウンスできるのが便利だ。
肝心のマイク性能はどうだろう。マイクアレイは何と8つも搭載されており、家庭向けのEchoデバイスより多い。これはもちろん、騒音が激しい車内でもしっかり声を拾うための工夫だ。
実際に使ってみると、少しスピードを上げたり、あえて窓を開けて騒音を大きくした状態でも、こちらの声をしっかりと認識してくれた。とくに声を張り上げる必要もなかった。さすがのマイク性能で、しっかり対策しているだけのことはある。なお本機はプライバシーにも配慮しており、マイクオフボタンも用意されている。
■入力切替がやや面倒。常時接続の広がりにも期待
毎日のように使っているうち、クルマでも家の中に近い間隔でAlexaが使えて便利だと実感した。一方で「こうなったらいいのに」という希望もある。
まず、その仕組みからして仕方のないことだが、Echo Autoを使うには、Bluetoothかライン、どちらかの入力に切り替えなければならない。
私はクルマを運転する際、CarPlayでiPhoneを接続したり、テレビを流したり、ラジオを聴いたりなど、わりと頻繁に入力ソースを切り替える。
そうして他のソースを選択しているときに「Alexa」と呼びかけても、前面のLEDは光るが、音声は聞こえてこない。繰り返しになるが、Alexaを使う前に、あらかじめ入力を切り替えておかなければならないのだ。
この入力切り替え自体、通常は目で見て操作する必要があり、運転中は行えない。だから本当はその切り替え操作自体を声で行いたいのに、できない。仕方のないこととわかってはいても、使っていると少し残念に思う。
もう一点、スマホアプリがメインであるという点も、人によっては「ギガが減る」ことに不安を持つかもしれない。先日カロッツェリアが車載用Wi-Fiルーターを発表して話題になったが、今後車内の常時ネット環境が充実し、スマホ無しで本機のようなデバイスが活用できるようになったらありがたい。
◇
最後に少し気になる点も述べたが、Alexaを便利に使っていて車内でも活用したい方、ふだんはBluetoothで音楽を聴くなど、車内での入力ソースが比較的固定されている方には文句なくオススメだ。
逆に「ふだんはCarPlayやAndroid Autoがメイン」「大体ラジオを聴いている」など、別のソースを主に使っている方は、せっかくのAlexa機能を持て余す可能性がある。しばらく様子を見ても良いかもしれない。
製品の概要はニュースでもお伝えした通りだ。本機はマイク機能と音声を伝送したりする機能に徹しており、Alexaの応対やネット接続などは、スマートフォンのアプリを活用する。このため、たとえばスマホを家に置いてきてしまったら使用できない。
ただしこれは、車内の常時接続環境がまだまだ少ないため、仕方のないことだ。逆にシンプルな機能に徹しているため、本体は小さくまとめられており、なおかつ価格も手頃に抑えられている。
■考え抜かれた設計で設定はかんたんに行える
セットアップの手順だが、まずはEcho Autoを置く場所を確保する。これは、エアコンの吹き出し口に差し込んで固定する「エアベントマウント」を利用するので、クルマにテープを貼ったりする必要はない。マウントが固定できたら、その上にEcho Autoを置いて設置完了だ。
続いてEcho Autoの電源を確保する。クルマにUSB A端子があれば、付属のUSB A to USB microBケーブルで接続するだけでよい。なければ、これも付属の、シガーソケットに差し込むUSB電源アダプターを使おう。
続いて、Echo Autoとカーオーディオ/カーナビの音声伝送を準備する。Bluetoothでつなぐには、Alexaアプリを入れたスマートフォンと、カーオーディオ/カーナビがBluetoothでペアリングされていればOK。ライン出力端子も用意されているので、ケーブルの取り回しなどが気にならないのなら、こちらを選ぶ方法もある。
なおUSBケーブルやラインケーブルに関しては、マウント部にケーブルマネジメント機能があるため、これを利用することで、ディスプレイの上にケーブルが被らないように取り回せた。
もしスマホにAlexaアプリが入っていなかったら、インストールする必要がある。その上でアプリの「デバイス」からEcho Autoを登録する。
■予想に反してスピーディーな反応。マイク精度も文句なし
さて、これで準備は完了だ。早速使ってみよう。…とは言っても使うのはかんたんで、Bluetoothかライン、どちらか使用する入力に切り替えてから、「Alexa、今日の天気は?」など、使い慣れている方ならおなじみのフレーズで語りかければよい。Alexaが反応したり、処理しているあいだは、前面のLEDの色が変わるので、見た目にも反応しているかどうかわかるのが嬉しい。
使い方はかんたんだが、行っている処理の工程自体は多いはずだ。Echo Autoのマイクで声を拾い、それをBluetoothでスマホアプリに送り、さらにそれをクラウドに上げて処理し、戻ってきた回答や反応をさらにBluetoothでEcho Autoに伝送し…という処理が行われているはずで、使う前は遅延が気になりそうだと想像していた。
だが実際に使ってみると、当初の予想に反して、かなりスピーディーにAlexaが反応するので驚いた。もちろんスマホの通信環境などにもよるだろうが、これならいつも家庭内で使っているAlexaデバイスに近い感覚でストレスなく使えそうだと感じた。Alexaの機能やスキルは多数用意されているので、様々な使い方が楽しめそうだ。
個人的に気に入ったのはアナウンス機能だ。自宅には何台かのAlexaデバイスがあるので、それらのデバイスへ、クルマの中から声でアナウンスできる。特定の誰かではなく、複数のデバイスへ一斉にアナウンスできるのが便利だ。
肝心のマイク性能はどうだろう。マイクアレイは何と8つも搭載されており、家庭向けのEchoデバイスより多い。これはもちろん、騒音が激しい車内でもしっかり声を拾うための工夫だ。
実際に使ってみると、少しスピードを上げたり、あえて窓を開けて騒音を大きくした状態でも、こちらの声をしっかりと認識してくれた。とくに声を張り上げる必要もなかった。さすがのマイク性能で、しっかり対策しているだけのことはある。なお本機はプライバシーにも配慮しており、マイクオフボタンも用意されている。
■入力切替がやや面倒。常時接続の広がりにも期待
毎日のように使っているうち、クルマでも家の中に近い間隔でAlexaが使えて便利だと実感した。一方で「こうなったらいいのに」という希望もある。
まず、その仕組みからして仕方のないことだが、Echo Autoを使うには、Bluetoothかライン、どちらかの入力に切り替えなければならない。
私はクルマを運転する際、CarPlayでiPhoneを接続したり、テレビを流したり、ラジオを聴いたりなど、わりと頻繁に入力ソースを切り替える。
そうして他のソースを選択しているときに「Alexa」と呼びかけても、前面のLEDは光るが、音声は聞こえてこない。繰り返しになるが、Alexaを使う前に、あらかじめ入力を切り替えておかなければならないのだ。
この入力切り替え自体、通常は目で見て操作する必要があり、運転中は行えない。だから本当はその切り替え操作自体を声で行いたいのに、できない。仕方のないこととわかってはいても、使っていると少し残念に思う。
もう一点、スマホアプリがメインであるという点も、人によっては「ギガが減る」ことに不安を持つかもしれない。先日カロッツェリアが車載用Wi-Fiルーターを発表して話題になったが、今後車内の常時ネット環境が充実し、スマホ無しで本機のようなデバイスが活用できるようになったらありがたい。
最後に少し気になる点も述べたが、Alexaを便利に使っていて車内でも活用したい方、ふだんはBluetoothで音楽を聴くなど、車内での入力ソースが比較的固定されている方には文句なくオススメだ。
逆に「ふだんはCarPlayやAndroid Autoがメイン」「大体ラジオを聴いている」など、別のソースを主に使っている方は、せっかくのAlexa機能を持て余す可能性がある。しばらく様子を見ても良いかもしれない。