公開日 2020/12/03 06:45
【PR】Diretta USBブリッジの役割を図説
Direttaが開く“リアルサウンド”の次なる可能性。SPECの「RMP-UB1」を徹底解説
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
PCオーディオファンを中心にじわじわと人気を高めてきていたDirettaという高音質プロトコルに、「ハイエンドオーディオ」への新たな扉を開く最新鋭のモデルが登場した。国産ブランド、SPEC(スペック)より登場したDiretta USBブリッジ「RMP-UB1」である。
DirettaというオーディオプロトコルについてはPHILE WEBでも何度か取り上げてきた。技術的な側面は海上 忍氏による解説が詳しいのでこちらを参照してもらいたい。Direttaの対応モデルは、初号機のスフォルツァートのネットワークプレーヤー群に加えて、2019年10月にはfidata/soundgenicが正式対応、さらにオリオスペック限定で「Diretta Target PC」という小型PC「LIVA Z2」ベースのモデルが登場するなど、様々なアイデアが具現化されてきた。
新たに誕生したスペックのRMP-UB1は、Direttaという技術がハイエンドオーディオのグレードでも十分通用することを証明する、挑戦的な製品である。
今回は、このDiretta USBブリッジの開発を手掛けたスペック(株)の石見周三社長と開発の坂野 勉氏、そしてDirettaの魅力を当初からプッシュしてきたPCオーディオショップ、オリオスペックの酒井啓吉氏に話を聞きながら、この製品をどう「使いこなすか」、また音質的な魅力はどういったところにあるのか、研究してみたい。
■リアルサウンドの理念とDirettaの目指すべき方向が合致
RMP-UB1の開発は、スペックの石見社長と、Direttaの開発を手がける原田氏が、ミュンヘンのオーディオ・ショウで出会ったことからスタートしたという。スペックが掲げる「リアルサウンド」というコンセプトと、Direttaが目指す音の方向性が合致することにすぐに気がついた石見社長は、すぐさま製品開発に名乗りを上げた。
スペックは、まさにコンサートホールで聴くような “生の音” を意識したサウンド作りを大きな目標として掲げており、クラスDアンプを中心に、アナログプレーヤーやアクセサリーなどさまざまな製品を生み出してきた。国内のみならずヨーロッパやアジア圏でも着実に影響力を高めている。
しかし、Diretta USBブリッジという、オーディオ機器としてもあまり聞き慣れない新しい取り組みをスタートさせたことには、やはり新型コロナウイルスのパンデミックによる影響を抜きに語ることはできない。
今年当初から突然スタートしたグローバルな大混乱によって、仕事の進め方などは大きな影響を被ってしまった。販売プランに大きな狂いが出たことに加えて、海外からのパーツ類が入手できないなど、開発も当初の予定から大きく遅れを取ってしまった。
「ですが、逆にまとまった時間ができたことで、本腰を入れてDiretta製品に取り組むことができたのです」と石見社長は語る。
■Diretta USBブリッジはどう使う? 接続方法を徹底解説
そもそもDiretta USBブリッジとはどのようにして使うものだろうか? まず、Direttaを理解するためには、「ホスト」と「ターゲット」という2つの製品の位置付けを理解することが重要である。音源の送り出し側が「ホスト」、受け手側が「ターゲット」となり、Direttaは必ず「ホスト」と「ターゲット」の組み合わせによって動作する。
Direttaはいわゆるネットワーク回線で、一般的にはLANケーブルを通じて音源の送受信を行う。ただし、一般的なプロトコルではなく、高音質のために特化したプロトコルを採用しており、受け手(=ターゲット)の負荷を一定に保つことで、オーディオ再生の安定と高音質化を実現しようという考え方である。
RMP-UB1は、Direttaターゲットという位置付けになる。Direttaホストから音源を受け取り、それをDAコンバーターに送り出す、そのつなぎ目の役割を果たすことから、「Diretta USBブリッジ」と呼ばれている。DDコンバーターの役割とも言える。
2020年11月現在、Direttaホストに対応するのは、Windows PCまたは、fidataならびにsoundgenicのオーディオNASとなっている。Windows PCの場合はASIO出力に対応したソフトウェアをインストールしていればOKで、たとえばfoobar2000やTuneBrowser、Roonなどでも利用できる(Mac対応のドライバは開発中であり、現在利用はできない。またRoonの専用サーバーNucleusも、ASIOドライバをインストールすることができないため利用できない)。
Direttaターゲットについては、オリオスペックオリジナルの「Diretta Target PC」という小型PCが8万円弱と安価であったが、いかにも「パソコン」という外観でもあり、よりオーディオグレードを意識した製品は出ないものか、という要望が高まってきていた。
DirettaというオーディオプロトコルについてはPHILE WEBでも何度か取り上げてきた。技術的な側面は海上 忍氏による解説が詳しいのでこちらを参照してもらいたい。Direttaの対応モデルは、初号機のスフォルツァートのネットワークプレーヤー群に加えて、2019年10月にはfidata/soundgenicが正式対応、さらにオリオスペック限定で「Diretta Target PC」という小型PC「LIVA Z2」ベースのモデルが登場するなど、様々なアイデアが具現化されてきた。
新たに誕生したスペックのRMP-UB1は、Direttaという技術がハイエンドオーディオのグレードでも十分通用することを証明する、挑戦的な製品である。
今回は、このDiretta USBブリッジの開発を手掛けたスペック(株)の石見周三社長と開発の坂野 勉氏、そしてDirettaの魅力を当初からプッシュしてきたPCオーディオショップ、オリオスペックの酒井啓吉氏に話を聞きながら、この製品をどう「使いこなすか」、また音質的な魅力はどういったところにあるのか、研究してみたい。
■リアルサウンドの理念とDirettaの目指すべき方向が合致
RMP-UB1の開発は、スペックの石見社長と、Direttaの開発を手がける原田氏が、ミュンヘンのオーディオ・ショウで出会ったことからスタートしたという。スペックが掲げる「リアルサウンド」というコンセプトと、Direttaが目指す音の方向性が合致することにすぐに気がついた石見社長は、すぐさま製品開発に名乗りを上げた。
スペックは、まさにコンサートホールで聴くような “生の音” を意識したサウンド作りを大きな目標として掲げており、クラスDアンプを中心に、アナログプレーヤーやアクセサリーなどさまざまな製品を生み出してきた。国内のみならずヨーロッパやアジア圏でも着実に影響力を高めている。
しかし、Diretta USBブリッジという、オーディオ機器としてもあまり聞き慣れない新しい取り組みをスタートさせたことには、やはり新型コロナウイルスのパンデミックによる影響を抜きに語ることはできない。
今年当初から突然スタートしたグローバルな大混乱によって、仕事の進め方などは大きな影響を被ってしまった。販売プランに大きな狂いが出たことに加えて、海外からのパーツ類が入手できないなど、開発も当初の予定から大きく遅れを取ってしまった。
「ですが、逆にまとまった時間ができたことで、本腰を入れてDiretta製品に取り組むことができたのです」と石見社長は語る。
■Diretta USBブリッジはどう使う? 接続方法を徹底解説
そもそもDiretta USBブリッジとはどのようにして使うものだろうか? まず、Direttaを理解するためには、「ホスト」と「ターゲット」という2つの製品の位置付けを理解することが重要である。音源の送り出し側が「ホスト」、受け手側が「ターゲット」となり、Direttaは必ず「ホスト」と「ターゲット」の組み合わせによって動作する。
Direttaはいわゆるネットワーク回線で、一般的にはLANケーブルを通じて音源の送受信を行う。ただし、一般的なプロトコルではなく、高音質のために特化したプロトコルを採用しており、受け手(=ターゲット)の負荷を一定に保つことで、オーディオ再生の安定と高音質化を実現しようという考え方である。
RMP-UB1は、Direttaターゲットという位置付けになる。Direttaホストから音源を受け取り、それをDAコンバーターに送り出す、そのつなぎ目の役割を果たすことから、「Diretta USBブリッジ」と呼ばれている。DDコンバーターの役割とも言える。
2020年11月現在、Direttaホストに対応するのは、Windows PCまたは、fidataならびにsoundgenicのオーディオNASとなっている。Windows PCの場合はASIO出力に対応したソフトウェアをインストールしていればOKで、たとえばfoobar2000やTuneBrowser、Roonなどでも利用できる(Mac対応のドライバは開発中であり、現在利用はできない。またRoonの専用サーバーNucleusも、ASIOドライバをインストールすることができないため利用できない)。
Direttaターゲットについては、オリオスペックオリジナルの「Diretta Target PC」という小型PCが8万円弱と安価であったが、いかにも「パソコン」という外観でもあり、よりオーディオグレードを意識した製品は出ないものか、という要望が高まってきていた。