公開日 2021/07/15 06:30
【PR】“遅れてきた巨人”が強みを発揮
VGPコスパ賞受賞!世界的ブランドTCLの自信作、32型液晶テレビ「32S5200A」レビュー
大橋伸太郎
国内最大級のオーディオ&ビジュアルアワードVGP2021 SUMMERで、コスパ賞を受賞したTCL「32S5200A」。Android TVを搭載し、ネット動画視聴に最適な性能を誇ることがその受賞理由だが、50型を超える大画面モデルが数を増やすなかで、32型というサイズ感にもまた高い需要がある。まさに市場の声に答える性能を実現する本機の詳細をレビューしていく。
■世界で存在感を高めるテレビブランドTCLの強み
テレビはいま、大きな変化の真っ只中にある。ネット動画サービスの隆盛はかつての放送とパッケージ中心の視聴スタイルを一変させた。見逃し配信の普及で放送時間に束縛されることもない。最大の変革期にあるのは自動車だけではないのである。
そうした今、じわり存在感を増しているテレビメーカーがある。TCLがそれだ。広東省にヘッドクオーターを持つが、21世紀初めの時点ですでにテレビ製造台数世界一位、今やヨーロッパやアメリカ、アジア世界十カ国以上に本社を持つ世界企業である。
TCLが知られるようになるのに時間を要したのは、4Kどころか8K放送が行われている日本の放送の特殊性と、国内強豪メーカーがひしめいてシェア争いを繰り広げている日本市場固有の事情がある。しかし、テレビをめぐる環境の変化で今や扉が開かれた。昨年はJOLEDと資本業務提携を締結し、テレビ向け有機ELパネルの共同開発をスタートした。遅れてきた巨人、TCLが日本のユーザーに持てるポテンシャルをみせつける舞台が整った。
TCLの大きな強みの第一が、製品開発の機動力。いま、そしてこれからユーザーがテレビに何を求めるか分析し、フィードバックするスピードが速い。TCLが日本市場に導入する大画面テレビは現在3ラインだが、すべてAndroid TVでGoogleアシスタント、Chromecast対応だ。そして、スマートテレビであるだけでない。これらはすべてドルビービジョン、ドルビーアトモス対応である。
もうひとつの強みが技術力。TCLの4Kテレビは量子ドットLED「QLED」を搭載する。今回紹介するフルハイビジョンテレビ「32S5200A」は非搭載なので深入りはしないが、ナノメートルサイズの大きさの異なる半導体微粒子を使いわけ、LED光の波長を変換する技術だ。従来の液晶テレビに比べ、表示する色域を広くできる。
ミニLEDバックライトの採用もTCLの独自技術だ。ディスプレイ直下に数千個のミニLEDを敷き詰め、豊かな階調の映像を生み出す。さらに従来の液晶に比べ分割制御を格段に増やしたマイクロディミングが、時々刻々と変化する映像の明暗のニュアンスをリアルに再現する。
最後に、ボーダーレスな生産体制が生む低価格。いくら性能に優れていても特権的な高価格に止まっていては、テレビの本義である大衆の情報欲求、感動欲求に寄り添えない。アップトゥデートな機能、性能、そしてリーズナブルな価格。その総和に同社の「良品」思想をみる。
■万全の機能と手堅い高画質で驚きのプライス、VGPでコスパ賞を受賞
過日、TCL JAPANの2021年ラインナップ内覧会が、VGP審査委員映像音響部会のメンバーを対象に催された。そのなかでVGP2021 SUMMERの本命となったのが、2K中型画面フルハイビジョンテレビの32S5200Aである。これが小粒でぴりりと辛い好印象を審査委員全員に与えた。
Androidシステム搭載のスマートテレビであるのはいうまでもない。しかし、本機の見所はテレビとしての地力にある。32Vはいまや小画面だが、直下型LEDを搭載し、上位機種のような分割駆動ではないがマイクロディミング機能を搭載する。ちなみに、日本製品のこのサイズのほとんどが、片側のエッジ型LEDである。
実際に32S5200Aを操作して映像を確認してみよう。リモコン上にNetflixをはじめネット動画のダイレクト選局ボタンが並び、それ以外のコンテンツはホーム画面から選択する。YouTubeの自動車情報番組、Amazon Prime Videoの映画コンテンツ(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)を視聴したが、画質モード「自動」で2Kから4Kまで、映画からビデオまで適切な画質が選択される。東京の夜景を4Kでロケした環境ビデオは、「スマートHDR」モードを選択。ピークに輝き、暗部には透明感と奥行きが生まれ、リアルHDRとみまがう表現力だ。
次にブルーレイディスク(2K/4K UHDBD)を再生してみよう。『スパイの妻』は「動画」モードで視聴した。逆光撮影、半逆光撮影のシーンが多く、表現が難しいソフトだ。主人公である貿易商夫妻の戦時下の日本での苦悶を、このライティングが表現しているのだ。本機のマイクロディミング機能により、逆光でシャドウ部に入った蒼井優や高橋一生の表情がつぶれず、演出のメッセージがきちんと伝わってくる。
『TENET テネット』は「スマートHDR」モードで、4K/HDR10での視聴に近いバランス。感心したのは、スコープサイズの上下の黒帯がよく締まって、浮かないこと。国産のはるかに高価な4Kテレビでも浮く場合が多い。32S5200Aの映像は総じて黒浮きが抑えられており、バランスがよい。
あえてクセを指摘すると、色彩バランス上、強い色の影響を受けてやや色被りを生じる場合がある。それと映画ソフトの場合、コンテンツのグレーディング(画質設定)によらず、やや重い画質になりやすい。しかし、本機の特徴には画質をマニュアルで調整できる範囲が広いことも挙げられ、追い込んでいけばバランスの良い映像になるはずだ。
TCL JAPANがVGPのエントリーを絞り込んだ自信作32S5200Aは、万全の機能と手堅い高画質で強い印象を与えた。そして、多芸多才なこの製品の店頭実売価格が税込36,000円前後という驚きのプライス。かくして、VGP2021 SUMMERの部門金賞とコスパ賞を獲得した。
一回り大きな画面と4K/HDRを望むなら、4K液晶のベーシックライン「43P725B」という選択肢がある。直下型LEDを採用し、HDRに対応した広色域WCG技術とマイクロディミング搭載のAndroidシステムのスマートテレビで、音声はドルビーアトモスに対応した。本機もVGP2021 SUMMER部門賞を受賞している。
(協力:株式会社TCLジャパンエレクトロニクス)
■世界で存在感を高めるテレビブランドTCLの強み
テレビはいま、大きな変化の真っ只中にある。ネット動画サービスの隆盛はかつての放送とパッケージ中心の視聴スタイルを一変させた。見逃し配信の普及で放送時間に束縛されることもない。最大の変革期にあるのは自動車だけではないのである。
そうした今、じわり存在感を増しているテレビメーカーがある。TCLがそれだ。広東省にヘッドクオーターを持つが、21世紀初めの時点ですでにテレビ製造台数世界一位、今やヨーロッパやアメリカ、アジア世界十カ国以上に本社を持つ世界企業である。
TCLが知られるようになるのに時間を要したのは、4Kどころか8K放送が行われている日本の放送の特殊性と、国内強豪メーカーがひしめいてシェア争いを繰り広げている日本市場固有の事情がある。しかし、テレビをめぐる環境の変化で今や扉が開かれた。昨年はJOLEDと資本業務提携を締結し、テレビ向け有機ELパネルの共同開発をスタートした。遅れてきた巨人、TCLが日本のユーザーに持てるポテンシャルをみせつける舞台が整った。
TCLの大きな強みの第一が、製品開発の機動力。いま、そしてこれからユーザーがテレビに何を求めるか分析し、フィードバックするスピードが速い。TCLが日本市場に導入する大画面テレビは現在3ラインだが、すべてAndroid TVでGoogleアシスタント、Chromecast対応だ。そして、スマートテレビであるだけでない。これらはすべてドルビービジョン、ドルビーアトモス対応である。
もうひとつの強みが技術力。TCLの4Kテレビは量子ドットLED「QLED」を搭載する。今回紹介するフルハイビジョンテレビ「32S5200A」は非搭載なので深入りはしないが、ナノメートルサイズの大きさの異なる半導体微粒子を使いわけ、LED光の波長を変換する技術だ。従来の液晶テレビに比べ、表示する色域を広くできる。
ミニLEDバックライトの採用もTCLの独自技術だ。ディスプレイ直下に数千個のミニLEDを敷き詰め、豊かな階調の映像を生み出す。さらに従来の液晶に比べ分割制御を格段に増やしたマイクロディミングが、時々刻々と変化する映像の明暗のニュアンスをリアルに再現する。
最後に、ボーダーレスな生産体制が生む低価格。いくら性能に優れていても特権的な高価格に止まっていては、テレビの本義である大衆の情報欲求、感動欲求に寄り添えない。アップトゥデートな機能、性能、そしてリーズナブルな価格。その総和に同社の「良品」思想をみる。
■万全の機能と手堅い高画質で驚きのプライス、VGPでコスパ賞を受賞
過日、TCL JAPANの2021年ラインナップ内覧会が、VGP審査委員映像音響部会のメンバーを対象に催された。そのなかでVGP2021 SUMMERの本命となったのが、2K中型画面フルハイビジョンテレビの32S5200Aである。これが小粒でぴりりと辛い好印象を審査委員全員に与えた。
Androidシステム搭載のスマートテレビであるのはいうまでもない。しかし、本機の見所はテレビとしての地力にある。32Vはいまや小画面だが、直下型LEDを搭載し、上位機種のような分割駆動ではないがマイクロディミング機能を搭載する。ちなみに、日本製品のこのサイズのほとんどが、片側のエッジ型LEDである。
実際に32S5200Aを操作して映像を確認してみよう。リモコン上にNetflixをはじめネット動画のダイレクト選局ボタンが並び、それ以外のコンテンツはホーム画面から選択する。YouTubeの自動車情報番組、Amazon Prime Videoの映画コンテンツ(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)を視聴したが、画質モード「自動」で2Kから4Kまで、映画からビデオまで適切な画質が選択される。東京の夜景を4Kでロケした環境ビデオは、「スマートHDR」モードを選択。ピークに輝き、暗部には透明感と奥行きが生まれ、リアルHDRとみまがう表現力だ。
次にブルーレイディスク(2K/4K UHDBD)を再生してみよう。『スパイの妻』は「動画」モードで視聴した。逆光撮影、半逆光撮影のシーンが多く、表現が難しいソフトだ。主人公である貿易商夫妻の戦時下の日本での苦悶を、このライティングが表現しているのだ。本機のマイクロディミング機能により、逆光でシャドウ部に入った蒼井優や高橋一生の表情がつぶれず、演出のメッセージがきちんと伝わってくる。
『TENET テネット』は「スマートHDR」モードで、4K/HDR10での視聴に近いバランス。感心したのは、スコープサイズの上下の黒帯がよく締まって、浮かないこと。国産のはるかに高価な4Kテレビでも浮く場合が多い。32S5200Aの映像は総じて黒浮きが抑えられており、バランスがよい。
あえてクセを指摘すると、色彩バランス上、強い色の影響を受けてやや色被りを生じる場合がある。それと映画ソフトの場合、コンテンツのグレーディング(画質設定)によらず、やや重い画質になりやすい。しかし、本機の特徴には画質をマニュアルで調整できる範囲が広いことも挙げられ、追い込んでいけばバランスの良い映像になるはずだ。
TCL JAPANがVGPのエントリーを絞り込んだ自信作32S5200Aは、万全の機能と手堅い高画質で強い印象を与えた。そして、多芸多才なこの製品の店頭実売価格が税込36,000円前後という驚きのプライス。かくして、VGP2021 SUMMERの部門金賞とコスパ賞を獲得した。
一回り大きな画面と4K/HDRを望むなら、4K液晶のベーシックライン「43P725B」という選択肢がある。直下型LEDを採用し、HDRに対応した広色域WCG技術とマイクロディミング搭載のAndroidシステムのスマートテレビで、音声はドルビーアトモスに対応した。本機もVGP2021 SUMMER部門賞を受賞している。
(協力:株式会社TCLジャパンエレクトロニクス)