公開日 2021/11/24 06:30
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カジュアルに使えて音は“ガチ過ぎる”、ポータブルスマートスピーカー「Sonos Roam」の完成度が高い
折原一也
Sonosが日本で9月に(海外では2021年春から)発売した、Wi-Fi&Bluetoothスピーカー「Sonos Roam」。本機はバッテリー搭載のポータブルBluetoothスピーカーと、Sonosが得意とするWi-Fiスピーカー、そしてスマートスピーカーとしての面を備えた多機能モデルだ。その使い勝手とサウンドをレビューしていこう。
■確かな技術をベースに製品開発を行う老舗ブランド
Sonos Roamを詳しくご紹介する前に、読者の方々は “Sonos”(ソノス)というブランドを、どれくらい、そしてどのように認知しているだろうか。同社が日本に上陸したのは2018年。ビームス専売からスタートした経緯もあって、ライフスタイル系オーディオと捉えてしまいがちだが、その歴史はネットワークオーディオ黎明期に遡る。
Sonosによる初めての製品が登場したのは2004年。家庭内で音楽共有システムを構築するという、今のネットワークオーディオプレーヤーにあたる製品を投入し、一躍世界トップメーカーの座を確立した。
多くのユーザーに受け入れられている理由が、自社開発のアプリを通した、使いやすいマルチルームオーディオのシステム。僕自身も2010年以前から、米国・CESの会場でそのジャンルの第一人者として見聞きした記憶がある。そして2015年以降にはサブスク音楽配信の対応を進め、現在のWi-Fiスピーカーの老舗としての地位を固めている。
このように、Sonosの元を辿れば先進的な技術を持ったHi-Fi志向なメーカーであって、カジュアルな音楽リスニング用途にはあまり力を入れてこなかった。ゆえに、ポータブル製品のSonos Roamは、同社にとってチャレンジなのだ。
■大幅にコンパクト化、音質チューニング機能も進化し使い勝手を高めた
Sonos Roamの全体像を紹介していこう。本機の大きさは168W×62H×60Dmmで、本体の重量は430g。ポータブルスピーカーとしては大型の「Sonos Move」に続く2つめの製品だが、500mlのペットボトルを彷彿とさせるコンパクトなサイズ感を実現している。本体は横置きの方が馴染むが、筐体の側面にはシリコンが配置されており、縦置きでも使用できる。
IP67の防塵・防水にも対応しているところも、今どきのポータブルスピーカーらしい。内蔵バッテリーによる再生時間は最大10時間。ちなみに、充電はUSB type-Cの他に、縦置きした際の下部からQiによるワイヤレス充電も行える。
スピーカー構成は2基のクラスHアンプと、ミッドウーファー、トゥイーターによるモノラル構成。意外なことに、小型スピーカーの常套手段であるパッシブラジエーターを採っていないが、後述するようにそのサウンドはポジティブな意味で予想外だ。
さて、Sonosのサウンドに関わるテクノロジーとして欠かせない技術が、Trueplayの自動チューニングだ。同社のホームスピーカーではiPhoneなどのアプリを利用するが、本機は筐体内にマイクを内蔵するため、単体で最適化が行える。
これまで筆者は、リスニング環境に応じた高音質を重視する、Sonosのテック志向過ぎる部分に感心していたが、部屋のなかでiPhoneを持って歩き回り、部屋の環境を測定・最適化するのは面倒に感じていた。Sonos Roamでは晴れて測定が自動化・省略され、音楽を流しているだけで周囲の音を解析、自動で最適化が進むようになったのだ。
■確かな技術をベースに製品開発を行う老舗ブランド
Sonos Roamを詳しくご紹介する前に、読者の方々は “Sonos”(ソノス)というブランドを、どれくらい、そしてどのように認知しているだろうか。同社が日本に上陸したのは2018年。ビームス専売からスタートした経緯もあって、ライフスタイル系オーディオと捉えてしまいがちだが、その歴史はネットワークオーディオ黎明期に遡る。
Sonosによる初めての製品が登場したのは2004年。家庭内で音楽共有システムを構築するという、今のネットワークオーディオプレーヤーにあたる製品を投入し、一躍世界トップメーカーの座を確立した。
多くのユーザーに受け入れられている理由が、自社開発のアプリを通した、使いやすいマルチルームオーディオのシステム。僕自身も2010年以前から、米国・CESの会場でそのジャンルの第一人者として見聞きした記憶がある。そして2015年以降にはサブスク音楽配信の対応を進め、現在のWi-Fiスピーカーの老舗としての地位を固めている。
このように、Sonosの元を辿れば先進的な技術を持ったHi-Fi志向なメーカーであって、カジュアルな音楽リスニング用途にはあまり力を入れてこなかった。ゆえに、ポータブル製品のSonos Roamは、同社にとってチャレンジなのだ。
■大幅にコンパクト化、音質チューニング機能も進化し使い勝手を高めた
Sonos Roamの全体像を紹介していこう。本機の大きさは168W×62H×60Dmmで、本体の重量は430g。ポータブルスピーカーとしては大型の「Sonos Move」に続く2つめの製品だが、500mlのペットボトルを彷彿とさせるコンパクトなサイズ感を実現している。本体は横置きの方が馴染むが、筐体の側面にはシリコンが配置されており、縦置きでも使用できる。
IP67の防塵・防水にも対応しているところも、今どきのポータブルスピーカーらしい。内蔵バッテリーによる再生時間は最大10時間。ちなみに、充電はUSB type-Cの他に、縦置きした際の下部からQiによるワイヤレス充電も行える。
スピーカー構成は2基のクラスHアンプと、ミッドウーファー、トゥイーターによるモノラル構成。意外なことに、小型スピーカーの常套手段であるパッシブラジエーターを採っていないが、後述するようにそのサウンドはポジティブな意味で予想外だ。
さて、Sonosのサウンドに関わるテクノロジーとして欠かせない技術が、Trueplayの自動チューニングだ。同社のホームスピーカーではiPhoneなどのアプリを利用するが、本機は筐体内にマイクを内蔵するため、単体で最適化が行える。
これまで筆者は、リスニング環境に応じた高音質を重視する、Sonosのテック志向過ぎる部分に感心していたが、部屋のなかでiPhoneを持って歩き回り、部屋の環境を測定・最適化するのは面倒に感じていた。Sonos Roamでは晴れて測定が自動化・省略され、音楽を流しているだけで周囲の音を解析、自動で最適化が進むようになったのだ。