公開日 2022/11/04 07:00
【特別企画】ケーブル本来の伝送性能を実現
フルテックのNCF採用XLRプラグを聴く。類を見ない作り込みでケーブルの特性を引き出した
角田郁雄
オーディオ機器同士を繋ぐケーブル類は、それらを取り巻く環境下で「振動」「静電気」などさまざまな影響を受け、音質的な劣化が起きている。それを理想的な環境に整え、本来の伝送性能を取り戻す効果で注目されるのが、フルテックの特殊素材NCFだ。ケーブルインシュレーターのNCF Boosterシリーズや電源関連の端子に加えて、このほど信号系も製品化。待望のRCAに続く第2弾として、XLRプラグが登場した。ここではその新たな創意工夫が盛り込まれた“優れもの”の魅力をレポートする。
フルテックが発売する「NCF」は、振動を低減し、帯電を防止する画期的な素材だ。それを導入した「NCF Boosterシリーズ」は世界のオーディオショウにも使われ、多くの愛好家が導入するに至った。近年はハイエンド仕様の電源プラグとコネクター、「FI-50M NCF(R)」と「FI-50NCF(R)」の発売も注目を浴びる。
同社の着眼点はそれに留まらず、信号系コネクターにも踏み込み、NCFを採用した第一弾のRCAプラグとして「CF-102NCF(RCA)」を開発。それを採用するフラグシップインターコネクトケーブル「Lineflux NCF(RCA)」も発売した。
そして今年、待望のXLRキャノンプラグ「CF-601M NCF(R)」と「CF-602F NCF(R)」が新製品として登場した。今回は、そのプラグ単体としての構造と魅力を紹介したい。
まず読者は、その美しく精密感に溢れるデザインに魅了されることだろう。注目すべきは同社の技術を駆使した構造だ。光沢あるシルバーの外装部は、非磁性ステンレス製。カーボンのデザイン部は「マルチマテリアルハイブリッドNCFカーボンハウジング」と呼ばれ、ハードクリアコート層の下にハイブリッドNCFシルバーメッキ3kカーボン層があり、外装本体と併せて3層構造としている。
内部も手の込んだ作りで、「CF-601M NCF(R)」では、3本の端子にはロジウムメッキα高純度銅製導体によるワンピース構造を採用。それを絶縁配置するボディ部は、耐熱性NCF液晶ポリマー樹脂(3本の端子内部にも同樹脂を充填)と、特殊なNCF反共振減衰素材(ナイロン/グラスファイバーにナノサイズの結晶性セラミックとカーボンパウダーを調合)の2重で、実に複雑な構造だ。
「CF-602F NCF(R)」もほぼ同様だが、繋いだ機材の出力端子を受けて安定した接触確保と帯電防止を得るべく、前述の特殊なNCF反共振減衰素材を用いた制振弾性リードでボディ部を押さえているのも特徴だ。そのボディ部をカバーする金属部はクロームメッキ真鍮スタンピングハウジングを採用し、プラグ固定ボタンは制振性の高いステンレスパウダーなど複数の特殊制振金属パウダーを調合し、粉末冶金成形している。
また製造過程では、独自の超低温処理及び特殊電界処理による、2段階のα-Processも施している。さらに両プラグとも、結線は非磁性ステンレス製の六角穴つきネジを採用し、ハンダに加えてネジ止めも可能としている。これほどに高品位で精密なプラグは、世界でも類を見ないであろう。
NCF採用XLRプラグの登場が、バランス接続の性能を向上させる
フルテックが発売する「NCF」は、振動を低減し、帯電を防止する画期的な素材だ。それを導入した「NCF Boosterシリーズ」は世界のオーディオショウにも使われ、多くの愛好家が導入するに至った。近年はハイエンド仕様の電源プラグとコネクター、「FI-50M NCF(R)」と「FI-50NCF(R)」の発売も注目を浴びる。
同社の着眼点はそれに留まらず、信号系コネクターにも踏み込み、NCFを採用した第一弾のRCAプラグとして「CF-102NCF(RCA)」を開発。それを採用するフラグシップインターコネクトケーブル「Lineflux NCF(RCA)」も発売した。
そして今年、待望のXLRキャノンプラグ「CF-601M NCF(R)」と「CF-602F NCF(R)」が新製品として登場した。今回は、そのプラグ単体としての構造と魅力を紹介したい。
世界でも類例のない作り込み、高品位で精密なプラグが完成
まず読者は、その美しく精密感に溢れるデザインに魅了されることだろう。注目すべきは同社の技術を駆使した構造だ。光沢あるシルバーの外装部は、非磁性ステンレス製。カーボンのデザイン部は「マルチマテリアルハイブリッドNCFカーボンハウジング」と呼ばれ、ハードクリアコート層の下にハイブリッドNCFシルバーメッキ3kカーボン層があり、外装本体と併せて3層構造としている。
内部も手の込んだ作りで、「CF-601M NCF(R)」では、3本の端子にはロジウムメッキα高純度銅製導体によるワンピース構造を採用。それを絶縁配置するボディ部は、耐熱性NCF液晶ポリマー樹脂(3本の端子内部にも同樹脂を充填)と、特殊なNCF反共振減衰素材(ナイロン/グラスファイバーにナノサイズの結晶性セラミックとカーボンパウダーを調合)の2重で、実に複雑な構造だ。
「CF-602F NCF(R)」もほぼ同様だが、繋いだ機材の出力端子を受けて安定した接触確保と帯電防止を得るべく、前述の特殊なNCF反共振減衰素材を用いた制振弾性リードでボディ部を押さえているのも特徴だ。そのボディ部をカバーする金属部はクロームメッキ真鍮スタンピングハウジングを採用し、プラグ固定ボタンは制振性の高いステンレスパウダーなど複数の特殊制振金属パウダーを調合し、粉末冶金成形している。
また製造過程では、独自の超低温処理及び特殊電界処理による、2段階のα-Processも施している。さらに両プラグとも、結線は非磁性ステンレス製の六角穴つきネジを採用し、ハンダに加えてネジ止めも可能としている。これほどに高品位で精密なプラグは、世界でも類を見ないであろう。