公開日 2023/03/01 06:30
「長い期間にわたって愛機となってくれそう」
ゼンハイザー“HD 600シリーズ”の新境地!「HD 660S2」を従来モデル3機種と聴き比べ
野村ケンジ
ゼンハイザーの“HD 600シリーズ”といえば、あらゆるハイエンドヘッドホンとして王道中の王道、本命のなかの大本命といえる人気モデル。オープンエアー(開放)型ハウジングをもつため録音ブース内での使用は他モデルに譲るが、個人スタジオから有名スタジオまで、様々な場所で利用されていると聞く。そんなHD 600シリーズがこのたびリニューアルされ、「HD 660S2」へと生まれ変わった。
HD 600シリーズは、1997年に登場した「HD 600」に始まり、2003年発売の「HD 650」、2017年発売の「HD 660S」と進化を続け、新しいHD 660S2は第4世代モデルと位置づけられる。
とはいえ筆者としては、HD 660S2を第4世代と呼ぶにはちょっとした抵抗感があったりする。というのも、HD 600シリーズは“全てが現行モデル”という特殊なラインナップ展開がされていたからだ。
きっかけは、2017年にHD 600がリバイバルされたことだろう。当初はあくまで限定生産を予定していたようだが、あまりに人気が高く、最終的にはHD 600の再生産が決定。すぐ後にHD 660Sが発売されたが、HD 600とHD 650はそのまま継続生産され、今日のような“歴代モデルが全て新品で購入できる”という珍しくも嬉しい状況が続いていた。
そこにニューモデルHD 660S2が加わることで、このラインナップにも何か変化があるかもしれない。少なくとも近々では終売のアナウンスは無いとはいえ、4モデルの中から自分にいちばんピッタリの1台が新品でチョイスできるのは、いまこの時だけだろう。
そこで本レビューでは、HD 660S2のスペックの詳細と合わせ、以前の3モデルと比べつつ音質的な特徴もお伝えする。“どれが自分にとってピッタリなHD 600シリーズか!?”という、ちょっとマニアックながらなかなか楽しい製品選びの参考にもしていただけたらと思う。
まずは、HD 660S2最大の進化ポイントを紹介しよう。それは、ドライバーユニットのアップグレードだ。前モデルHD 660Sの時点で最新技術を投入した新しいユニットに生まれ変わっていたが、HD 660S2では42mm口径のダイナミック型ドライバー(ゼンハイザーではトランスデューサーと呼ぶ)という基本は変えず、各部のさらなる作り込みが行われている。
HD 600シリーズは、1997年に登場した「HD 600」に始まり、2003年発売の「HD 650」、2017年発売の「HD 660S」と進化を続け、新しいHD 660S2は第4世代モデルと位置づけられる。
とはいえ筆者としては、HD 660S2を第4世代と呼ぶにはちょっとした抵抗感があったりする。というのも、HD 600シリーズは“全てが現行モデル”という特殊なラインナップ展開がされていたからだ。
きっかけは、2017年にHD 600がリバイバルされたことだろう。当初はあくまで限定生産を予定していたようだが、あまりに人気が高く、最終的にはHD 600の再生産が決定。すぐ後にHD 660Sが発売されたが、HD 600とHD 650はそのまま継続生産され、今日のような“歴代モデルが全て新品で購入できる”という珍しくも嬉しい状況が続いていた。
そこにニューモデルHD 660S2が加わることで、このラインナップにも何か変化があるかもしれない。少なくとも近々では終売のアナウンスは無いとはいえ、4モデルの中から自分にいちばんピッタリの1台が新品でチョイスできるのは、いまこの時だけだろう。
そこで本レビューでは、HD 660S2のスペックの詳細と合わせ、以前の3モデルと比べつつ音質的な特徴もお伝えする。“どれが自分にとってピッタリなHD 600シリーズか!?”という、ちょっとマニアックながらなかなか楽しい製品選びの参考にもしていただけたらと思う。
■ドライバーユニットの改良により、豊かな低域となめらかな高域が誕生
まずは、HD 660S2最大の進化ポイントを紹介しよう。それは、ドライバーユニットのアップグレードだ。前モデルHD 660Sの時点で最新技術を投入した新しいユニットに生まれ変わっていたが、HD 660S2では42mm口径のダイナミック型ドライバー(ゼンハイザーではトランスデューサーと呼ぶ)という基本は変えず、各部のさらなる作り込みが行われている。
シリーズの特徴を受け継ぎ、そして高めた「最も低歪みで客観的なサウンド」
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