公開日 2023/05/24 06:40
状況に応じてかしこく節電
節電で電気代対策、見逃しがちなパソコンも使い方次第で効果あり
PHILE WEB編集部
様々な商品の値上げが続く昨今だが、この2023年6月から、電気代がまた値上げされる。これに加えてテレワークが普及することで、家庭での電気使用量そのものも以前より増加傾向にある。それだけに、家計への影響はインパクトが大きく、積極的な節電が必要といえる。
PHILE WEBでは先日、電気使用量の多い家電製品であるテレビに着目して手軽に電気代を抑えるコツを紹介した。その他にも比較的涼しい夜間にエアコンの設定温度を上げる、洗濯機は深夜に回すなど様々な方法で節電を実践されている方も多いだろう。
そんななか、実はテレワークでは必須アイテムであり、当たり前に使っているからこそ節電対象として見落としがちな「パソコン」も、使い方を見直すだけで節電効果が見込めるのをご存知だろうか? 本稿では、すぐそこに迫る電気代値上げに向けて、パソコンの電気使用量を抑えるちょっとした方法をお伝えしたい。
まずパソコンの電気代だが、「パソコンの消費電力(kW)」×「使用時間」×「電気料金単価」で求めることができる。消費電力は動画のレンダリングや、近々ではAIによるイラスト生成、ゲームでのレイトレーシング処理に用いるGPUの処理に直結する部分。近々のモデルでは、搭載チップのパフォーマンスを引き出せるか否かは、電源性能に左右されるといっても過言ではないだろう。
例えば、多くのゲーミングモデルを取り扱うBTOパソコン専門店のドスパラでは、「搭載CPU/GPUの性能によるが平均的な目安として」という前置きつきで、ゲーミングPCの1時間の平均消費電力は約0.28kWh程度になると紹介している。これを全国家庭電気製品公正取引協議会による新電力料金目安単価である27円で計算すると「1時間あたり7.56円」の電気代が発生することになる。
こうして見ると大したことは無いかもしれないが、8時間使えば「60.48円」、それを1ヶ月続ければ「1,814.4円」、1年間にもなれば電気代は「22,075.2円」にもなる。ゲーミングPCとなるとCPU/GPUも高性能な物が積まれているので、消費電力もやや高くついてしまうのだ。
ちなみにドスパラでは一般的なデスクトップパソコンの消費電力は平均100W、1時間あたりの消費電力は0.1kWhと試算している。これを上記の計算式に当てはめれば、1時間2.7円、8時間で21.6円、1ヶ月で648円、1年で7,776円だ。
また、経済産業省 資源エネルギー庁の運営するポータルサイトでは、「1日1時間利用時間を短縮した場合」の省エネ効果について記載があり、デスクトップは年間31.57kWh、ノートPCでは、5.48kWhの削減につながるという。
この省エネ効果から逆算(「年間省エネ電気量」÷「日割り/365」×「電気料金単価」)すると、デスクトップ型の電気代概算は「1時間あたり2.33円」、ノートPCだと「1時間あたり0.4円」となる。
こちらをもとに計算するのであれば、8時間のテレワーク使用においてデスクトップであれば「18.64円」、ノートPCであれば「3.2円」の電気代が発生するということになる。この額だけ見れば本当に大したことは無いのだが、チリも積もれば。もし複数台/複数人での使用となれば倍々で増えていくことになるし、これからエアコンなどが本格稼働することを考えると、少しでも安くしたいのが正直な部分だ。
本題となるパソコンの電気代の下げ方であるが、まず1つ目が数値を引用した資源エネルギー庁が示す「1日1時間利用時間を短縮する」だ。至極シンプルな方法であるが、デスクトップであれば年間約980円、ノートPCであれば約170円の節約になるという。
ちなみに、記者宅に取り付けられているエアコン(2016年製)の定格冷房消費電力は0.7kW。上記した電気代を求める計算式に当てはめると、1時間あたりの電気代は約18.9円。こうしてみるとパソコンの電気代は微々たるものに思えるが、それでもパソコン使用量を抑えればその分だけ冷房代が浮くし、テレワークで極力仕事を引きずらなければ、日々にメリハリがついて省エネに繋がるわけだ。良いことしかない。
資源エネルギー庁が提示するもう一つの節電方法は「電源オプションの見直し」だ。「モニタの電源をOFF」から「システムスタンバイ」にした場合(3.25時間/週、52週)、デスクトップだと年間で12.57kWhの省エネ、約390円の節約。ノートPCだと年間で1.50kWhの省エネ、約50円の節約になるとのこと。
マイクロソフトも起動やシャットダウン、スリープで生じる電力に関する調査結果を発表しているが、多くの家電がそうであるように、パソコンも最も電力を消費するのは起動時になるとのこと。同社によると、中断時間がおよそ90分以内であれば、シャットダウンよりもスリープの方が消費電力量が低くなるという。
使用時間の見直し、電源オプションの確認、離席時の設定などいずれも細かなものとなっているが、どれもがすぐに始められるものばかりだ。少しでも家計を浮かせるため、本日から実践してみてはいかがだろうか?
PHILE WEBでは先日、電気使用量の多い家電製品であるテレビに着目して手軽に電気代を抑えるコツを紹介した。その他にも比較的涼しい夜間にエアコンの設定温度を上げる、洗濯機は深夜に回すなど様々な方法で節電を実践されている方も多いだろう。
そんななか、実はテレワークでは必須アイテムであり、当たり前に使っているからこそ節電対象として見落としがちな「パソコン」も、使い方を見直すだけで節電効果が見込めるのをご存知だろうか? 本稿では、すぐそこに迫る電気代値上げに向けて、パソコンの電気使用量を抑えるちょっとした方法をお伝えしたい。
■パソコンはハイスペックなモデルほど電気代が高くなりやすい
まずパソコンの電気代だが、「パソコンの消費電力(kW)」×「使用時間」×「電気料金単価」で求めることができる。消費電力は動画のレンダリングや、近々ではAIによるイラスト生成、ゲームでのレイトレーシング処理に用いるGPUの処理に直結する部分。近々のモデルでは、搭載チップのパフォーマンスを引き出せるか否かは、電源性能に左右されるといっても過言ではないだろう。
例えば、多くのゲーミングモデルを取り扱うBTOパソコン専門店のドスパラでは、「搭載CPU/GPUの性能によるが平均的な目安として」という前置きつきで、ゲーミングPCの1時間の平均消費電力は約0.28kWh程度になると紹介している。これを全国家庭電気製品公正取引協議会による新電力料金目安単価である27円で計算すると「1時間あたり7.56円」の電気代が発生することになる。
こうして見ると大したことは無いかもしれないが、8時間使えば「60.48円」、それを1ヶ月続ければ「1,814.4円」、1年間にもなれば電気代は「22,075.2円」にもなる。ゲーミングPCとなるとCPU/GPUも高性能な物が積まれているので、消費電力もやや高くついてしまうのだ。
ちなみにドスパラでは一般的なデスクトップパソコンの消費電力は平均100W、1時間あたりの消費電力は0.1kWhと試算している。これを上記の計算式に当てはめれば、1時間2.7円、8時間で21.6円、1ヶ月で648円、1年で7,776円だ。
また、経済産業省 資源エネルギー庁の運営するポータルサイトでは、「1日1時間利用時間を短縮した場合」の省エネ効果について記載があり、デスクトップは年間31.57kWh、ノートPCでは、5.48kWhの削減につながるという。
この省エネ効果から逆算(「年間省エネ電気量」÷「日割り/365」×「電気料金単価」)すると、デスクトップ型の電気代概算は「1時間あたり2.33円」、ノートPCだと「1時間あたり0.4円」となる。
こちらをもとに計算するのであれば、8時間のテレワーク使用においてデスクトップであれば「18.64円」、ノートPCであれば「3.2円」の電気代が発生するということになる。この額だけ見れば本当に大したことは無いのだが、チリも積もれば。もし複数台/複数人での使用となれば倍々で増えていくことになるし、これからエアコンなどが本格稼働することを考えると、少しでも安くしたいのが正直な部分だ。
■状況に応じた「シャットダウン」「スタンバイ」の使い分けでかしこく節電
本題となるパソコンの電気代の下げ方であるが、まず1つ目が数値を引用した資源エネルギー庁が示す「1日1時間利用時間を短縮する」だ。至極シンプルな方法であるが、デスクトップであれば年間約980円、ノートPCであれば約170円の節約になるという。
ちなみに、記者宅に取り付けられているエアコン(2016年製)の定格冷房消費電力は0.7kW。上記した電気代を求める計算式に当てはめると、1時間あたりの電気代は約18.9円。こうしてみるとパソコンの電気代は微々たるものに思えるが、それでもパソコン使用量を抑えればその分だけ冷房代が浮くし、テレワークで極力仕事を引きずらなければ、日々にメリハリがついて省エネに繋がるわけだ。良いことしかない。
資源エネルギー庁が提示するもう一つの節電方法は「電源オプションの見直し」だ。「モニタの電源をOFF」から「システムスタンバイ」にした場合(3.25時間/週、52週)、デスクトップだと年間で12.57kWhの省エネ、約390円の節約。ノートPCだと年間で1.50kWhの省エネ、約50円の節約になるとのこと。
マイクロソフトも起動やシャットダウン、スリープで生じる電力に関する調査結果を発表しているが、多くの家電がそうであるように、パソコンも最も電力を消費するのは起動時になるとのこと。同社によると、中断時間がおよそ90分以内であれば、シャットダウンよりもスリープの方が消費電力量が低くなるという。
使用時間の見直し、電源オプションの確認、離席時の設定などいずれも細かなものとなっているが、どれもがすぐに始められるものばかりだ。少しでも家計を浮かせるため、本日から実践してみてはいかがだろうか?
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