公開日 2024/04/13 06:50
コンテンツを楽しみつつ、周囲の音も聞き逃さない “ながら聴き” を実現できるオープンイヤー型イヤホン。家事やジムでの運動、テレワーク等をしながら使いたいという方に適したイヤホンで、近年注目を集めている。
そして今年、ついに “強力ブランド”の 「ボーズ」もながら聴きイヤホンに参戦。人気定着で製品も揃ってきた今こそ、本当に満足できるモデルを選び出したいという方も多いのではないだろうか。
そこで本稿では、約2万円〜4万円の価格帯から人気の4モデルをピックアップ。それぞれ屋内&屋外でテストを行い、各モデルの特徴やその実力を探ってみたので、比較レビューを行っていきたい。
【オープンイヤー型イヤホン4機種をレビュー】
・Bose 「Bose Ultra Open Earbuds」 39,600円(税込)
・HUAWEI 「HUAWEI FreeClip」 オープン価格(市場予想税込価格27,800円前後)
・Shokz 「Shokz OpenFit」 24,880円(税込)
・JBL 「JBL Soundgear Sense」 オープン価格(オンラインストア税込22,000円前後)
まずいきなりだが、各モデルの印象を各項目ごとに5段階評価でまとめた表がこちらだ。
自身がオープンイヤー型に特に求める要素と、その製品の強みである「評価5」の項目との一致が多いモデルを探せば、まずは選ぶべき製品に当たりをつけられるだろう。
例えば「Bose Ultra Open Earbuds」は、基本的な使い勝手に優れつつ、オープンイヤーでのイマーシブオーディオ体験という提案性も備える。「使いやすさは絶対! その上でハイエンド機らしいプラスアルファもほしい」という、贅沢なユーザーも満足させてくれることだろう。
「HUAWEI FreeClip」は、特にイヤーカフ形状の強みである、軽やかな装着感を磨き上げた製品という印象。「オープンイヤーに求めるのは、やっぱり聴き心地と着け心地の軽さ!」という方に合いそうだ。
「Shokz OpenFit」は、一般的なイヤーハンガー形状でありつつ、装着周りの完成度が抜群。スタンダードな使い心地が極まっている。「普通に使いやすいのがほしい!」という、実は高度な要求に応えてくれるモデルだ。
「JBL Soundgear Sense」は、音質周りも強いが、最大の強みは音漏れが圧倒的に少ないこと。「周りへの音漏れが気になってコンテンツに集中できないかも...」という不安を減らしたい人にもおすすめしやすい。
ではここからは、各製品をより詳しく紹介していくので、気になったモデルについてさらに確認していただけたらと思う。
イヤーカフ形状を採用し、本体もケースも小型軽量。デザインのポイントは円柱形のバッテリーバレルで、それを軸にクルリと耳を包み挟むような装着方法が特徴的だ。これまでにない装着方法なので慣れは必要かもしれない。走る、跳ぶなどすると、耳たぶごとイヤホンが揺れる感覚はあるが、実際にズレたり外れたりすることはなく、実用上の問題はない。
バレルを指先でつまむような動作で物理ボタンを押すことができ、ボタン操作が安定して行いやすいやすいのは、操作性における秀逸ポイントだ。同社製品に共通のアプリはすでに十分な完成度に達しており、アプリ周りの使い勝手も優秀だ。
静かな室内での音漏れ感は、電車内での隣り合わせを想定した距離感で「何か音楽が再生されているのはわかる」程度。間に一人挟む距離感では、さらに微かにしか聞こえない。都心の屋外では環境騒音にマスキングされ、隣り合わせでも微かに聞こえる程度であった。
サウンドは、帯域バランスに癖はなく、音調は鋭い描写より耳当たりの優しさに重きが置かれている。長時間のながら聴きにもフィットする、聴き疲れしにくい音作りだ。イコライザーのプリセットは効果が強すぎ、使いどころが難しい印象。簡易的だがマニュアル設定も可能なので、そちらを活用するのがおすすめだ。
特筆したいのは「Boseイマーシブオーディオ」。筆者は一般的なイヤホンのイマーシブ効果には不自然さを感じがちだが、オープンイヤー型+Boseイマーシブのそれは、好ましい新感覚だった。再生音がイマーシブ化されることで、むしろ周囲の環境音との馴染みがよくなり、より自然な聴き心地とさえ感じられた。
【SPEC】
●本体重量:片側約6.5g ●ケース重量:非公開 ●防水防塵:IPX4 ●Bluetoothコーデック:SBC、AAC、aptX Adaptive ●連続再生時間:本体約7.5時間、ケース併用約19.5時間 ●カラーバリエーション : ブラック、ホワイト
アコースティックボール、C-ブリッジ、コンフォートビーンズで構成される独自のイヤーカフ形状を採用するモデル。耳側に入れるドライバー搭載部がその名の通りボール形なので、引っかかりがなくスルっと装着できる。
重量の軽さのおかげか、運動時も耳たぶごと揺れる感じが少なく、安定性も良好。本体に左右の区別がないため、装着とケースへの出し入れの際、いちいち左右を気にする必要がないのも何気に使いやすいポイントだ。そのケースもコンパクトで持ち歩きに不便なし。アプリも問題ない仕上がりだ。
操作性においてはタップ範囲の広さが長所。ボール、ブリッジ、ビーンズの大半の部分、つまりイヤホンのほぼ全体がタップを認識してくれるので、どの指でもどの方向からでも操作しやすい。それでいてシングルタップ操作を廃すことで、「うっかりイヤホンに触っちゃって誤動作」は起きにくくしてある。
音漏れについては、今回ピックアップした製品の中では少し大きめな印象。静かな室内で電車内隣り合わせ程度の距離感に立つと、シンバルやスネアなど中高域のアタックはまあまあわかりやすく届いてくる。とはいえ都心屋外では、環境騒音にマスキングされて気にならない程度の音漏れだ。車内で隣り合うように近接する場面以外では問題ないだろう。
サウンドは、帯域バランスは少し中高域寄り、音調はやや硬質でクリアな音像&空間描写が美点。再生音と周囲の環境音を馴染ませるのではなく、再生音は再生音として明瞭に届けてくれるタイプだ。イコライザーはプリセットのみで細かな調整はできないので、素の音質音調が自分の好みに合うかの判断は慎重に行いたい。
【SPEC】
●本体重量:片側約5.6g ●ケース重量:約45.5g ●防水防塵:IP54 ●Bluetoothコーデック:SBC、AAC、L2HC ●連続再生時間:本体約8時間+ケース併用約36時間 ●カラーバリエーション : ブラック、パープル
さすがスポーツイヤホンのトップブランド、装着周りの快適さは完璧だ。柔らか素材のイヤーフックをグニっと広げて耳を挟むという、一般的な装着方法の使い勝手や着け心地を、素材や形状の工夫で最大限に高めてある。
おかげで最初から迷わず装着できる上、着け心地も安定感も抜群。イヤーフック形状はケースが大柄になりがちなのが弱点だが、そこもフックの柔らかさを活かし、左右のフックを重ねて収納する構造などである程度解消。ケースの形や厚みにも癖はなく、カバン等への収納性も確保されている。
強いて弱点を挙げるなら、操作性や機能性に目立った強みや面白みが少ないことか。だがそれも「シンプルイズベスト!ベーシックな部分の完成度が高くて遊びのない製品が好き」という方の琴線には、むしろヒットするかも。
音漏れ抑制も十分。静かな室内で電車内での隣り合わせを想定した距離感でチェックしても、隣の人の耳元で何か再生されているな、と何となくわかる程度。間に一人挟む距離感では、さらに微かな聞こえ方になる。都心屋外での音漏れは環境騒音にほぼかき消され、隣り合わせの距離でも微かに聞こえる程度だ。
サウンドとしては、帯域バランスはミドルレンジを中心に素直なまとまりで、音調はややウォーム。明るめの声で聴き取りやすいボーカル、弾みよくドライブ感のあるベースは特に好印象だ。サブベース帯域を盛大に響かせる曲では、ベースやバスドラムの音像が崩れることもあったが、一般的なポップスの大半ではおおよそ問題ない。イコライザーはプリセットからの選択のみだが、そもそもEQを使う必要もあまりなさそうだ。
【SPEC】
●本体重量:片側約8.3g ●ケース重量:約57g ●防水防塵:IP54 ●Bluetoothコーデック:SBC、AAC ●連続再生時間:本体約7時間+ケース併用約28時間 ●カラーバリエーション : ブラック、ベージュ
今回の4製品のなかでは、本体もケースも大柄。そのかわりにイヤホンとしての音質、オープンイヤーとしての音漏れの少なさという、本質的な優位性を備える製品だ。
二点可動イヤーフックにより、イヤホンと耳の位置関係を最適化調整できることが、音質や音漏れ抑制にも効いているようだ。ただ逆に、その調整なくしては本領を発揮できないので、毎回の装着時にその調整を欠かさないようにしたい。
装着の軽やかさと安定性も、大柄さのわりに確保されている。安定性については、本体左右をつないでネックバンド化する付属アタッチメントでの補強も可能。アプリはJBLイヤホン&ヘッドホン共通のものを利用でき、そちらの使いやすさも本機の強みと言える。
そして音漏れは、今回紹介の製品はどれも十分に優秀な中でも、この製品はさらに突出して少ない。静かな室内で隣に立つ距離感でも、何か微かに鳴ってる? くらいの聞こえ方だ。図書館レベルの静かさではさすがに使いにくいが、オフィス程度の騒がしさがあれば隣の席の同僚を気にせずに使えるかも。
サウンドもオープンイヤー型の中でトップクラス。カチッとした感触の高域で細かなリズムや音の配置を際立たせ、素直に響く低域でベースとバスドラムによる大きなグルーヴを届けるなど、音楽の届け方のツボも押さえられている。
イコライザーも強力で、ユーザー設定の自由度もプリセットも実用性が高い。例えば街歩きのBGM的に音楽を流しておくのなら、高域を抑えて耳当たりをやわらげ、環境音との馴染みもよくしてくれる「Soundgear Sence」プリセットがおすすめだ。
【SPEC】
●本体重量 : 片側約13.1g ●ケース重量:約69.5g ●防水防塵:IP54 ●Bluetoothコーデック:SBC、AAC(LC3対応予定) ●連続再生時間:本体約6時間+ケース併用約24時間 ●カラーバリエーション : ブラック、ホワイト
さて、製品選びの見当はつけられただろうか? お気に入りのオープンイヤー型イヤホンと共に、開放的な春夏を迎えられますように!
装着感や操作性、さらに音質と音漏れ具合までチェック
時代は“ながら聴き”!ボーズ/Shokz/JBL/ファーウェイのオープンイヤー型イヤホン徹底比較レビュー
高橋 敦※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます
コンテンツを楽しみつつ、周囲の音も聞き逃さない “ながら聴き” を実現できるオープンイヤー型イヤホン。家事やジムでの運動、テレワーク等をしながら使いたいという方に適したイヤホンで、近年注目を集めている。
そして今年、ついに “強力ブランド”の 「ボーズ」もながら聴きイヤホンに参戦。人気定着で製品も揃ってきた今こそ、本当に満足できるモデルを選び出したいという方も多いのではないだろうか。
そこで本稿では、約2万円〜4万円の価格帯から人気の4モデルをピックアップ。それぞれ屋内&屋外でテストを行い、各モデルの特徴やその実力を探ってみたので、比較レビューを行っていきたい。
【オープンイヤー型イヤホン4機種をレビュー】
・Bose 「Bose Ultra Open Earbuds」 39,600円(税込)
・HUAWEI 「HUAWEI FreeClip」 オープン価格(市場予想税込価格27,800円前後)
・Shokz 「Shokz OpenFit」 24,880円(税込)
・JBL 「JBL Soundgear Sense」 オープン価格(オンラインストア税込22,000円前後)
■音質や装着感、音漏れ具合。各モデルを5段階項目でチェック!
まずいきなりだが、各モデルの印象を各項目ごとに5段階評価でまとめた表がこちらだ。
自身がオープンイヤー型に特に求める要素と、その製品の強みである「評価5」の項目との一致が多いモデルを探せば、まずは選ぶべき製品に当たりをつけられるだろう。
例えば「Bose Ultra Open Earbuds」は、基本的な使い勝手に優れつつ、オープンイヤーでのイマーシブオーディオ体験という提案性も備える。「使いやすさは絶対! その上でハイエンド機らしいプラスアルファもほしい」という、贅沢なユーザーも満足させてくれることだろう。
「HUAWEI FreeClip」は、特にイヤーカフ形状の強みである、軽やかな装着感を磨き上げた製品という印象。「オープンイヤーに求めるのは、やっぱり聴き心地と着け心地の軽さ!」という方に合いそうだ。
「Shokz OpenFit」は、一般的なイヤーハンガー形状でありつつ、装着周りの完成度が抜群。スタンダードな使い心地が極まっている。「普通に使いやすいのがほしい!」という、実は高度な要求に応えてくれるモデルだ。
「JBL Soundgear Sense」は、音質周りも強いが、最大の強みは音漏れが圧倒的に少ないこと。「周りへの音漏れが気になってコンテンツに集中できないかも...」という不安を減らしたい人にもおすすめしやすい。
ではここからは、各製品をより詳しく紹介していくので、気になったモデルについてさらに確認していただけたらと思う。
■「Bose Ultra Open Earbuds」<イマーシブ効果が新感覚>
イヤーカフ形状を採用し、本体もケースも小型軽量。デザインのポイントは円柱形のバッテリーバレルで、それを軸にクルリと耳を包み挟むような装着方法が特徴的だ。これまでにない装着方法なので慣れは必要かもしれない。走る、跳ぶなどすると、耳たぶごとイヤホンが揺れる感覚はあるが、実際にズレたり外れたりすることはなく、実用上の問題はない。
バレルを指先でつまむような動作で物理ボタンを押すことができ、ボタン操作が安定して行いやすいやすいのは、操作性における秀逸ポイントだ。同社製品に共通のアプリはすでに十分な完成度に達しており、アプリ周りの使い勝手も優秀だ。
静かな室内での音漏れ感は、電車内での隣り合わせを想定した距離感で「何か音楽が再生されているのはわかる」程度。間に一人挟む距離感では、さらに微かにしか聞こえない。都心の屋外では環境騒音にマスキングされ、隣り合わせでも微かに聞こえる程度であった。
サウンドは、帯域バランスに癖はなく、音調は鋭い描写より耳当たりの優しさに重きが置かれている。長時間のながら聴きにもフィットする、聴き疲れしにくい音作りだ。イコライザーのプリセットは効果が強すぎ、使いどころが難しい印象。簡易的だがマニュアル設定も可能なので、そちらを活用するのがおすすめだ。
特筆したいのは「Boseイマーシブオーディオ」。筆者は一般的なイヤホンのイマーシブ効果には不自然さを感じがちだが、オープンイヤー型+Boseイマーシブのそれは、好ましい新感覚だった。再生音がイマーシブ化されることで、むしろ周囲の環境音との馴染みがよくなり、より自然な聴き心地とさえ感じられた。
【SPEC】
●本体重量:片側約6.5g ●ケース重量:非公開 ●防水防塵:IPX4 ●Bluetoothコーデック:SBC、AAC、aptX Adaptive ●連続再生時間:本体約7.5時間、ケース併用約19.5時間 ●カラーバリエーション : ブラック、ホワイト
■「HUAWEI FreeClip」<再生音を明瞭に届ける>
アコースティックボール、C-ブリッジ、コンフォートビーンズで構成される独自のイヤーカフ形状を採用するモデル。耳側に入れるドライバー搭載部がその名の通りボール形なので、引っかかりがなくスルっと装着できる。
重量の軽さのおかげか、運動時も耳たぶごと揺れる感じが少なく、安定性も良好。本体に左右の区別がないため、装着とケースへの出し入れの際、いちいち左右を気にする必要がないのも何気に使いやすいポイントだ。そのケースもコンパクトで持ち歩きに不便なし。アプリも問題ない仕上がりだ。
操作性においてはタップ範囲の広さが長所。ボール、ブリッジ、ビーンズの大半の部分、つまりイヤホンのほぼ全体がタップを認識してくれるので、どの指でもどの方向からでも操作しやすい。それでいてシングルタップ操作を廃すことで、「うっかりイヤホンに触っちゃって誤動作」は起きにくくしてある。
音漏れについては、今回ピックアップした製品の中では少し大きめな印象。静かな室内で電車内隣り合わせ程度の距離感に立つと、シンバルやスネアなど中高域のアタックはまあまあわかりやすく届いてくる。とはいえ都心屋外では、環境騒音にマスキングされて気にならない程度の音漏れだ。車内で隣り合うように近接する場面以外では問題ないだろう。
サウンドは、帯域バランスは少し中高域寄り、音調はやや硬質でクリアな音像&空間描写が美点。再生音と周囲の環境音を馴染ませるのではなく、再生音は再生音として明瞭に届けてくれるタイプだ。イコライザーはプリセットのみで細かな調整はできないので、素の音質音調が自分の好みに合うかの判断は慎重に行いたい。
【SPEC】
●本体重量:片側約5.6g ●ケース重量:約45.5g ●防水防塵:IP54 ●Bluetoothコーデック:SBC、AAC、L2HC ●連続再生時間:本体約8時間+ケース併用約36時間 ●カラーバリエーション : ブラック、パープル
■「Shokz OpenFit」<装着性が快適で安定感も抜群>
さすがスポーツイヤホンのトップブランド、装着周りの快適さは完璧だ。柔らか素材のイヤーフックをグニっと広げて耳を挟むという、一般的な装着方法の使い勝手や着け心地を、素材や形状の工夫で最大限に高めてある。
おかげで最初から迷わず装着できる上、着け心地も安定感も抜群。イヤーフック形状はケースが大柄になりがちなのが弱点だが、そこもフックの柔らかさを活かし、左右のフックを重ねて収納する構造などである程度解消。ケースの形や厚みにも癖はなく、カバン等への収納性も確保されている。
強いて弱点を挙げるなら、操作性や機能性に目立った強みや面白みが少ないことか。だがそれも「シンプルイズベスト!ベーシックな部分の完成度が高くて遊びのない製品が好き」という方の琴線には、むしろヒットするかも。
音漏れ抑制も十分。静かな室内で電車内での隣り合わせを想定した距離感でチェックしても、隣の人の耳元で何か再生されているな、と何となくわかる程度。間に一人挟む距離感では、さらに微かな聞こえ方になる。都心屋外での音漏れは環境騒音にほぼかき消され、隣り合わせの距離でも微かに聞こえる程度だ。
サウンドとしては、帯域バランスはミドルレンジを中心に素直なまとまりで、音調はややウォーム。明るめの声で聴き取りやすいボーカル、弾みよくドライブ感のあるベースは特に好印象だ。サブベース帯域を盛大に響かせる曲では、ベースやバスドラムの音像が崩れることもあったが、一般的なポップスの大半ではおおよそ問題ない。イコライザーはプリセットからの選択のみだが、そもそもEQを使う必要もあまりなさそうだ。
【SPEC】
●本体重量:片側約8.3g ●ケース重量:約57g ●防水防塵:IP54 ●Bluetoothコーデック:SBC、AAC ●連続再生時間:本体約7時間+ケース併用約28時間 ●カラーバリエーション : ブラック、ベージュ
■「JBL Soundgear Sense」<音質と音漏れ性能の高さが突出>
今回の4製品のなかでは、本体もケースも大柄。そのかわりにイヤホンとしての音質、オープンイヤーとしての音漏れの少なさという、本質的な優位性を備える製品だ。
二点可動イヤーフックにより、イヤホンと耳の位置関係を最適化調整できることが、音質や音漏れ抑制にも効いているようだ。ただ逆に、その調整なくしては本領を発揮できないので、毎回の装着時にその調整を欠かさないようにしたい。
装着の軽やかさと安定性も、大柄さのわりに確保されている。安定性については、本体左右をつないでネックバンド化する付属アタッチメントでの補強も可能。アプリはJBLイヤホン&ヘッドホン共通のものを利用でき、そちらの使いやすさも本機の強みと言える。
そして音漏れは、今回紹介の製品はどれも十分に優秀な中でも、この製品はさらに突出して少ない。静かな室内で隣に立つ距離感でも、何か微かに鳴ってる? くらいの聞こえ方だ。図書館レベルの静かさではさすがに使いにくいが、オフィス程度の騒がしさがあれば隣の席の同僚を気にせずに使えるかも。
サウンドもオープンイヤー型の中でトップクラス。カチッとした感触の高域で細かなリズムや音の配置を際立たせ、素直に響く低域でベースとバスドラムによる大きなグルーヴを届けるなど、音楽の届け方のツボも押さえられている。
イコライザーも強力で、ユーザー設定の自由度もプリセットも実用性が高い。例えば街歩きのBGM的に音楽を流しておくのなら、高域を抑えて耳当たりをやわらげ、環境音との馴染みもよくしてくれる「Soundgear Sence」プリセットがおすすめだ。
【SPEC】
●本体重量 : 片側約13.1g ●ケース重量:約69.5g ●防水防塵:IP54 ●Bluetoothコーデック:SBC、AAC(LC3対応予定) ●連続再生時間:本体約6時間+ケース併用約24時間 ●カラーバリエーション : ブラック、ホワイト
さて、製品選びの見当はつけられただろうか? お気に入りのオープンイヤー型イヤホンと共に、開放的な春夏を迎えられますように!
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