公開日 2024/11/07 06:30
アプリとの組み合わせでさらに便利に
耳を塞がない “軟骨伝導” の音質が大幅アップ!オーディオテクニカ「ATH-CC500BT2」をシーン別にチェック
草野晃輔
耳を塞がずに再生音と周囲の音を一緒に聴く、いわゆる “ながら聴き” ができるオープンスタイルのワイヤレスデバイスが、近年多数登場した。オンライン会議用のヘッドセットとして使用したり、家事やワークアウトの際に音楽を聴いたりと、日常生活に浸透するウェアラブルデバイスとしてすっかり定着している。
その中でもオーディオテクニカの新製品「ATH-CC500BT2」は、世界で初めて「軟骨伝導」を採用して注目を集めた「ATH-CC500BT」のリニューアルモデルだ。サウンドの向上はもちろん、対応アプリに新たなサウンドモードが追加され、大幅に使い勝手が良くなっている。今回は、さまざまなシチュエーションで本機を試してみた。
ATH-CC500BT2を説明する上で欠かせないのが、軟骨伝導についてである。軟骨伝導は2004年に奈良県立医科大学の細井裕司教授によって発見された技術である。空気を介して音が伝わる「空気伝導」、頭の骨を振動させる「骨伝導」とは異なる、“第3の聴覚経路” である軟骨伝導を用いる。
この技術では、ドライバーユニットを外耳道の入口にある軟骨部「耳珠(じじゅ)」に軽く当てる。ここに振動を伝えると、それが軟骨から外耳道の「壁の軟骨」へと伝わり、中の空気を振動させて音になる。例えるなら、耳の軟骨がスピーカーの振動板の代わりになり、しっかりとしたステレオ感が得られるメリットもある。
ATH-CC500BT2は、この軟骨伝導に使う振動ドライバーに新開発の次世代型を採用。音質向上はもちろん、最大音量が25%もアップしたという。外部振動によるノイズを低減する独自技術「A.P.S.S(アコースティック・ピュア・サウンド・スタビライザー)」も従来機同様に採用されており、同社は「低音再生時の不快な振動を抑えることで、広い音場を体感できる」と説明する。
同時に通話性能も高められている。intelliGo社が開発した最新の「AIノイズリダクション技術(AIVC)」を搭載し、話し手の声を識別/抽出して余計なノイズをカットする。自然でクリアな声を相手に届けられる。加えて、省電力設計により、約10時間も連続通話できるという。
アプリは従来機と同じくオーディオテクニカが提供する「Connect」を利用可能。プリセットが用意されたイコライザーのほかに新しく、カフェで流れるBGMのような音質で再生する「BGMモード」、音漏れをより低減する「音漏れ抑制モード」、オーディオテクニカのマイクで収録した環境音や、集中力を高めるマスキングノイズを再生する「サウンドスケープ機能」などの機能を備えている。
BluetoothはVer5.3、コーデックはAAC/SBCをサポート。他にも、PCとスマホなど2台のデバイスと同時にペアリングできるマルチポイント機能を搭載。こちらは大変便利な機能で、テレワークが主な筆者には必須だ。IPX4等級の防滴にも対応しており、外出時の急な雨や、ウォーキングなどでちょっとした汗をかいた際にも気にせずに済む。
バッテリーの持続時間も使い勝手に大きく影響する。ATH-CC500BT2は音楽の連続再生時間が最長約20時間であり、翌日朝に充電を忘れても問題ない。急速充電機能により、約10分の充電で約2時間再生できるのも便利だ。
コントロールアプリ「Connect」をインストールしたiPhone 14にATH-CC500BT2をペアリングし、Apple Musicで聴いた。
装着しようとATH-CC500BT2を手にした際、あまりの軽さに驚いた。質量を調べたところ、なんと32gである。本体形状はネックバンド型で、バンドは長すぎず短すぎない絶妙な長さ。重さで後頭部から垂れるようなことはなく、ワイシャツを着ても襟は引っかからなかった。
ドライバーユニットが収まる部分も非常にコンパクト。装着すると耳珠にやや圧を感じたが、数分で気にならなくなった。メガネのつるがネックバンドに触れるものの、圧迫されたり痛くなったりすることもない。装着感は極めて良好といえる。
電源やボリュームなどの3つの操作ボタンはバンド左側の底面にあり、中央の電源/再生ボタンが一段高く、感触だけで配置が分かる。クリック感がしっかりしており、どんな操作をしたかを把握しやすいのもポイントだ。
アプリのイコライザーには、「オリジナル」「クリアボイス」「ダイナミック」の3種類のプリセットが用意されており、シーンによって切り替えることで音楽体験をより豊かにできる。デフォルトの「オリジナル」のまま、レディー・ガガとブルーノ・マーズのコラボ曲「Die With A Smile」を再生すると、生々しいリッチで滑らかなサウンドが耳に飛び込む。
ブルーノ・マーズのボーカルは自然で立体的だ。レディー・ガガの歌声も高域に艶とキレがあり、広い空間に伸びていく。ステレオの定位が的確で、空間感もしっかり表現されているのが分かる。一般的に骨伝導のヘッドホンは頭の中で音がする感覚であるが、ATH-CC500BT2の軟骨伝導は、耳元に小型のスピーカーがあるようなナチュラルサウンドを実現している。
また、レビューは「オリジナル」で行ったが、じっくり音楽を聴きたいときには「ダイナミック」が最適であると感じた。低域が厚みを増し、音の密度が濃くなる。曲にもよるが、ロックやポップスでは、このモードが最もバランスの良いサウンドを提供してくれる。
その中でもオーディオテクニカの新製品「ATH-CC500BT2」は、世界で初めて「軟骨伝導」を採用して注目を集めた「ATH-CC500BT」のリニューアルモデルだ。サウンドの向上はもちろん、対応アプリに新たなサウンドモードが追加され、大幅に使い勝手が良くなっている。今回は、さまざまなシチュエーションで本機を試してみた。
■「軟骨伝導」の良さはそのままに音質が大幅アップ
ATH-CC500BT2を説明する上で欠かせないのが、軟骨伝導についてである。軟骨伝導は2004年に奈良県立医科大学の細井裕司教授によって発見された技術である。空気を介して音が伝わる「空気伝導」、頭の骨を振動させる「骨伝導」とは異なる、“第3の聴覚経路” である軟骨伝導を用いる。
この技術では、ドライバーユニットを外耳道の入口にある軟骨部「耳珠(じじゅ)」に軽く当てる。ここに振動を伝えると、それが軟骨から外耳道の「壁の軟骨」へと伝わり、中の空気を振動させて音になる。例えるなら、耳の軟骨がスピーカーの振動板の代わりになり、しっかりとしたステレオ感が得られるメリットもある。
ATH-CC500BT2は、この軟骨伝導に使う振動ドライバーに新開発の次世代型を採用。音質向上はもちろん、最大音量が25%もアップしたという。外部振動によるノイズを低減する独自技術「A.P.S.S(アコースティック・ピュア・サウンド・スタビライザー)」も従来機同様に採用されており、同社は「低音再生時の不快な振動を抑えることで、広い音場を体感できる」と説明する。
同時に通話性能も高められている。intelliGo社が開発した最新の「AIノイズリダクション技術(AIVC)」を搭載し、話し手の声を識別/抽出して余計なノイズをカットする。自然でクリアな声を相手に届けられる。加えて、省電力設計により、約10時間も連続通話できるという。
アプリは従来機と同じくオーディオテクニカが提供する「Connect」を利用可能。プリセットが用意されたイコライザーのほかに新しく、カフェで流れるBGMのような音質で再生する「BGMモード」、音漏れをより低減する「音漏れ抑制モード」、オーディオテクニカのマイクで収録した環境音や、集中力を高めるマスキングノイズを再生する「サウンドスケープ機能」などの機能を備えている。
BluetoothはVer5.3、コーデックはAAC/SBCをサポート。他にも、PCとスマホなど2台のデバイスと同時にペアリングできるマルチポイント機能を搭載。こちらは大変便利な機能で、テレワークが主な筆者には必須だ。IPX4等級の防滴にも対応しており、外出時の急な雨や、ウォーキングなどでちょっとした汗をかいた際にも気にせずに済む。
バッテリーの持続時間も使い勝手に大きく影響する。ATH-CC500BT2は音楽の連続再生時間が最長約20時間であり、翌日朝に充電を忘れても問題ない。急速充電機能により、約10分の充電で約2時間再生できるのも便利だ。
■耳元に小型のスピーカーがあるようなナチュラルサウンド
コントロールアプリ「Connect」をインストールしたiPhone 14にATH-CC500BT2をペアリングし、Apple Musicで聴いた。
装着しようとATH-CC500BT2を手にした際、あまりの軽さに驚いた。質量を調べたところ、なんと32gである。本体形状はネックバンド型で、バンドは長すぎず短すぎない絶妙な長さ。重さで後頭部から垂れるようなことはなく、ワイシャツを着ても襟は引っかからなかった。
ドライバーユニットが収まる部分も非常にコンパクト。装着すると耳珠にやや圧を感じたが、数分で気にならなくなった。メガネのつるがネックバンドに触れるものの、圧迫されたり痛くなったりすることもない。装着感は極めて良好といえる。
電源やボリュームなどの3つの操作ボタンはバンド左側の底面にあり、中央の電源/再生ボタンが一段高く、感触だけで配置が分かる。クリック感がしっかりしており、どんな操作をしたかを把握しやすいのもポイントだ。
アプリのイコライザーには、「オリジナル」「クリアボイス」「ダイナミック」の3種類のプリセットが用意されており、シーンによって切り替えることで音楽体験をより豊かにできる。デフォルトの「オリジナル」のまま、レディー・ガガとブルーノ・マーズのコラボ曲「Die With A Smile」を再生すると、生々しいリッチで滑らかなサウンドが耳に飛び込む。
ブルーノ・マーズのボーカルは自然で立体的だ。レディー・ガガの歌声も高域に艶とキレがあり、広い空間に伸びていく。ステレオの定位が的確で、空間感もしっかり表現されているのが分かる。一般的に骨伝導のヘッドホンは頭の中で音がする感覚であるが、ATH-CC500BT2の軟骨伝導は、耳元に小型のスピーカーがあるようなナチュラルサウンドを実現している。
また、レビューは「オリジナル」で行ったが、じっくり音楽を聴きたいときには「ダイナミック」が最適であると感じた。低域が厚みを増し、音の密度が濃くなる。曲にもよるが、ロックやポップスでは、このモードが最もバランスの良いサウンドを提供してくれる。
イコライザーとの組み合わせであらゆる場面に対応。その使い勝手をチェック!
- トピック
- AUDIO-TECHNICA
- イヤホン
- 骨伝導イヤホン