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公開日 2025/04/01 06:30
「Display Pilot 2」による“Macとの一体感”は特筆もの

操作性から映像再現までBenQの圧倒的な技術力が活きる!Mac向けモニター「MAシリーズ」の完成度に迫る

海上 忍

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BenQのMac向けモニター“MAシリーズ”。写真は、31.5インチ「MA320U」
正確な色再現を掲げるプロ向けの “AQCOLORシリーズ” を旗頭に、ゲーミングやアイケアなど特長を明確に打ち出したモニター製品をラインナップするBenQ(ベンキュー)。プロジェクターを含めたビジュアル製品全般に強みを持つ、信頼のブランドだ。

そのBenQが、ノートPC「MacBook」との親和性を重視したPCモニター“MAシリーズ” を2024年にスタートした。映像系クリエイターに支持者が多いパソコンとの組み合わせを前提とするだけに、色再現性などモニターとしての真の実力を問われることは必定だ。

実際のところ、PCモニターが高い評価を獲得できる理由は描画性能のみにあらず、操作性であったり周辺機器のハブとしての役割だったり、PCの同伴者たる存在としての総合的な評価によるものだ。「Macにピッタリ」を標榜するモニター、その実力やいかに。



BenQ独自のカラーチューニング技術でMacに最適化


“MAシリーズ”のラインナップは、31.5インチ「MA320U」と27インチ「MA270U」の2製品。ボディカラーはシルバーを用意しており、高さ調整(115mm)、上下のティルト角度(-5 - 20度)、スウィーベル角度(左15°/右15°)は共通だ。


高さ調整は115mmまで対応、コーディング作業などにも適した縦型配置も可能


ティルト角度は-5度から20度までカバーする
LEDバックライト採用のIPS液晶パネル、4K解像度(3840×2160)、表面はナノマットコート仕上げと、ディスプレイとしてのスペックもほぼ共通だが、輝度や色域、コントラスト比はMA320Uが若干上回る仕様となっている。

Mac内蔵ディスプレイと色味の一貫性を実現したことも、“MAシリーズ” の特長だ。色域はDisplay P3を97%(MA270Uは95%)カバー、しかもBenQ独自のカラーチューニング技術によりMacに “寄せる" ことで、並べて設置したときに違和感がないよう仕上げている。初期設定はMacBookに最適化したモード、その名も「M-bookモード」だ。

Macとの接続はUSB Type-C、すなわちDisplay Port Altモードでの接続が想定されている。USB-PD/最大90Wの給電に対応しているから、映像/音声の出力とあわせ最高スピードで充電可能としている。「MacBook Pro」など90W超の電力を必要とするMacでも、満充電までの時間は若干延びるが、十分に実用的な充電速度となるはず。HDMI端子も2基用意されているから、Display Port Altモード非対応のMacにも対応できる。


“MAシリーズ”の背面端子部。写真はMA320U

ケーブルホルダーも付属する

「Display Pilot 2」の操作性から映像調整までMacとの親和性を高める


セットアップを終えたあと、いろいろな角度から眺め回し細部を確認することからスタート。Macとの親和性をうたうだけあってデザインはミニマルテイスト、アルマイトにサンドブラストを施したと思しきフレームや足回りの表面には既視感を覚える。シルバーの「MacBook Air」(M2)を並べて置いたが不自然さはなく、これがスペースグレイやスターライトであっても印象は変わらなそう。


MacBook Airを並べてみると質感もしっかりと近付けていることを実感


MacBookのスペースグレイなどと並べても馴染みの良いデザインが施されている
一方では実用的な視点も。スタンド表面に貼られたラバーパッドがそれで、Macなどの硬いものをひょいと載せても傷つかないようになっている。ラバーの色調はスタンドよりやや濃い目だが嫌味はなく、全体の雰囲気に溶け込んでいる。

USB Type-CケーブルでMacBook Airに接続、事前にインストールしておいたディスプレイアシスタントアプリ「Display Pilot 2」を起動する。一般的なモニターでは輝度や音量の調整といった設定をOSDメニューで行うところ、このアプリを使えばPCから指示できるのだ。ショートカットキーを利用した機能の呼び出しもできるから、利用頻度の高い画面設定やカラーモード変更用のキーアサインを登録しておけば便利に使える。


アプリ「Display Pilot 2」のUI


カラーモードから「M-book」のほか、Display P3やsRGB、シネマ、コーディングなどに調整可能
カラーモード「M-book(iDeviceカラー同期)」では、接続しているMacBookの画面に合うようにしてくれるだけでなく、詳細設定から「色一致ターゲット」を操作すると、MacBook AirやMacBook Proなどを選択できるだけなく、M1/M2/M3といったApple製チップやIntelなどCPUチップごと、そしてMacの年度ごとなどで、さらに細かく調整することができるようになっている。


「M-book(iDeviceカラー同期)」では、自動で接続したMacと映像を合わせてくれるだけでなく、デバイスの選択で、接続しているMacの映像にさらに近付けられる
MacBook側の明るさを変えるにつれ“MAシリーズ”側の明るさも変わる輝度連動機能「Brightness Sync」、同様に画面モードやブルーライトの状態が同期する「FocuSync」も、Macとの親和性の高さを裏付けるフィーチャーだ。内蔵ディスプレイと同じ感覚で使用できるわけだから、Mac StudioなどApple純正モニターをある意味超えている。


入力切替やオーディオの選択もMacをそのまま操作しているような感覚で調整可能


「MA320U」での静止画の編集でディスプレイ精度をチェック

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