トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > コラム記事一覧

公開日 2021/04/27 09:48
調整後はかなりパキッとした映像に

Apple TVの「自動カラーバランス調整機能」を試す。測定時は映像モードに要注意

風間雄介
アップルが、Apple TV向けのOS「tvOS 14.5」を提供開始した。いくつかの新機能を搭載しているが、やはり注目なのは、iPhoneと組み合わせて色調整を自動で行ってくれるという「自動カラーバランス調整機能」。さっそく試してみた。

この機能を使う上でまず必要になるのは、tvOS 14.5を搭載した「Apple TV 4K」や「Apple TV HD」。5月に発売される、第2世代の「Apple TV 4K」でも、もちろん自動カラーバランス調整機能は利用できる。

またiPhoneについては、iOS 14.5以降を搭載した、Face ID搭載のiPhoneが必要となる。iPhone SE 2やiPhone 8以前のモデルなど、Face ID非搭載機では利用できないので注意しよう。

さて、デバイスやOSの設定が完了したら、Apple TVの設定画面から「ビデオとオーディオ」へ進み、「カラーバランス」を選択する。

すると、準備ができた旨がテレビ画面に表示され、iPhoneを画面に近づけると通知が届くと表示される。

この際、Apple TVの画面に「最良の結果を得るには、鮮明(ビビッド)やスポーツなどの明るいまたは彩度の高い画像モードは避けてください」と表示される。自宅のテレビは「映画プロ」モードだったので、問題ないと判断した。

指示されるまま、テレビにiPhoneを近づけると、iPhoneの形をしたガイド枠が現れるので、その内側にiPhoneを入れ、画面にぴったり近づける。

この枠内にiPhoneを入れる

このようにiPhoneの画面をテレビ側に向ける

するとガイド枠内が青色や赤色、白、とめまぐるしく色が変わっていく。この光をiPhone側の光センサーで捉えて、出力バランスを整えていくのだろう。アップルの説明では、「ガイドに従ってiPhoneをテレビ画面にセットすると、iPhoneの光センサーを使用して、映画業界標準のカラーバランスとユーザーのテレビとの差を比較し、色の精度の自動調整を行う」としている。

さて、このように自動カラーバランス調整を行っていたところ、どうしても途中でつまずいてしまう。具体的には、色が途中で変わっていく過程で、エラーが発生し、測定が最後まで行われない。

画面のエラー表示内容を見ながら、iPhoneを少し画面から離してみたり、ガイド枠内でiPhoneを移動させてみたり、iPhone側のセンサー部分を拭いてみたり、テレビ画面を綺麗にしてみたりなど、エラーの原因と考えられるものを探して対処。計10回くらい試してみたが、どうしても途中で止まってしまう。

そこで、ものは試しと、映像モードを「標準」に設定し、再度トライした。すると何事もなかったかのように最後まで測定が行われ、自動調整が完了した。

自宅のテレビは「映画プロ」モードをベースに、かなり色々と調整して自分好みの映像に変えていた。そのため、Apple TV側でうまく判断できなかったのだろう。派手すぎる映像モードだけでなく、地味すぎる映像に調整している場合も、うまく自動調整されないことがあるので注意が必要だ。

さて、調整後の映像はというと、これまでの(あえて)派手さを抑え、暖色系のトーンにしていた自分の設定値に比べると、かなり鮮やかでコントラストも派手目な印象だ。

これまでの映画プロモードの映像。実際の見た目とは異なるが、暖色系の映像にしていた

調整後の映像。色温度が高くなり、パキッとした映像に生まれ変わった

わかりやすい、パキッとした映像。いわゆる最大公約数的な、より多くの方が綺麗と思うであろう映像だ。個人的にはどうにも落ち着かず、正直に言って自分の好みの映像ではないが、アップルがこの色が正しい、と言っているわけなので、しばらくこのモードで試してみようと考えている。

同じく調整前の映画プロモードの映像。実際の見た目とは異なるが、方向性はこんな感じ

調整後の映像。背景の青色がぐっと強調された

テレビの映像モードを変えればすぐに元の映像に戻るし、Apple TV側で機能をオフにすることもできる。対応の機器をお持ちの方は、一度試してみても損はない。

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
2 連載:世界のオーディオブランドを知る(3)日本発ブランドの象徴「デノン」の歴史を紐解く
3 ボーズ、ながら聴きTWS「Bose Ultra Open Earbuds」にさらに新色。計7色のカラバリを用意
4 FX-AUDIO-、ヘッドホンアンプ/プリアンプとしても使えるコンパクトDAC「DAC-T3J」。税込7480円
5 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.1】10000円未満のオススメは?
6 日本発、高コスパイヤホン新本命。final「ZE3000SV」は機能充実、そして何より音が良い!
7 BenQ、ノングレアIPSパネル搭載のプログラミング向け31.5型4Kモニター「RD320U」
8 e☆イヤホン、2025年「福耳袋」を12/20から順次販売開始。スタッフセレクト袋や100万円の「超福耳袋」も
9 装着性が向上してさらに進化! “ハイルドライバー” AMT搭載のオープン型ヘッドホン「HEDDphone TWO」を聴く
10 【インタビュー】エソテリックとティアック、進化し続ける2ブランド。世界にアピールする技術力でオーディオを推進
12/18 9:21 更新

WEB