公開日 2023/05/17 06:40
「掃除」で安くできるかも
意外とかかるテレビの電気代、「手軽に」「安く」するコツは? 実はアナログな方法が効く
ファイルウェブ編集部
電気代が6月からますます値上げされる動きが出ている。大手電力会社7社が値上げを申請しており、その上昇幅は約14〜42%と言われている。これが家計に与える打撃は極めて大きく、少しでも節電して電気代を抑えたいところだ。
さて、家電において電気使用量の割合を見てみると、照明器具や冷蔵庫、エアコンなどに並び、「テレビ」が電気使用量の多い家電製品として位置づけられている。データを集計した年度や調査方法によって多少のズレは出てくるが、上位にランクインすることは間違いなさそうだ。
いまや大画面であることは当たり前になったテレビ、いかにも電気を食いそうではあるが、その電気使用量を下げる方法をお伝えしたい。
そもそも、テレビがどの程度の電力を消費して、電気代がどの程度かかるのかはモデルによって様々だが、ざっくりとテレビの種類やサイズ、対応画素数などで異なる。まず液晶テレビか有機ELテレビかについては、その再生方式により有機ELテレビの方が消費電力が高い。そして画素数が細かいほど、画面サイズが大きいほど消費電力も上がっていく。
テレビの電気代は、「テレビの消費電力」×「視聴時間」×「電気料金単価」で計算できるので、消費電力が高いほど電気代も高いわけだ。
経済産業省 資源エネルギー庁の省エネ型製品情報サイトでは、各社のテレビの「省エネ性能」が一覧で確認でき、その項目のなかには年間目安電気代も記載がある。ここを見てみると、4K液晶テレビは55型〜75型で5,000円前後〜7,000円前後、4K有機ELテレビは55型〜77型で6,000円前後〜8,000円前後といったところであることがわかる。8Kモデルでは、年間目安電気代が18,000円にも届くようだ。なお、計算における電気料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会による新電力料金目安単価である27円、視聴時間は一般家庭の平均視聴時間として算出された1日5.1時間に設定されている。
では、このテレビにかかる電気代をどうすれば下げられるかだが、消費電力を下げるか、視聴時間を減らすという選択肢になる。「観てないけど、家にいる間はなんとなくつけっぱなしにしている」という方もそれなりに多いのではないかと思うが、まずその見直しを図るのは即効性が期待できる。
しかし身についたサイクルを崩すのは簡単ではなく、テレビがついていると安心するから消したくない、という方もいるだろう。その場合は、消費電力を下げる方向で考えることになる。テレビは明るく光らせるのに電力を使うので、その明るさを抑えればいい。このとき、ただ輝度を下げるのではなく、たとえば映像モードを「ダイナミック」などの明るいモードから「映画」などシックなモードに変更することで、落ち着いた明るさで映像を楽しめる。
またテレビによっては、内蔵センサーにより部屋の明るさを感知して、画面の明るさを自動調節する機能を備えているモデルもある。こうした機能を活用することで、消費電力を抑えることはもちろん、必要以上の明るさを出さない適切な画面で鑑賞できるので、目にも優しい。
そして盲点となるのが、物理的な汚れだ。テレビは静電気を発生することでホコリが画面についてしまい、結果として暗く見えてしまいやすい。これを掃除するだけで、いつもよりも画面が明るく感じられるはずだ。
なお、32型液晶テレビでは画面輝度を最大から中間に落とすことで、年間で電気27.10kWhの省エネ効果があり、約730円の節約ができると試算されている。
音量も当然、大きくすればそれだけパワーを必要とする。迫力ある作品の鑑賞時はつい音量を上げがちだが、近隣への迷惑にもなりかねないので、必要十分な音量で楽しむことを心がけたい。
ちなみに、使わない時は主電源をオフにしたりコンセントを抜くなどして待機電力もカットする、という考え方もあるが、これにはデメリットも大きい。番組表の自動ダウンロードが行われない、録画機能が効かなくなるといったケースが発生するほか、起動時に大きな電力を必要とするため、わずかな待機電力は必要経費と割り切った方が良いかもしれない。
また、Blu-rayレコーダーやゲーム機などHDMI接続したデバイスを利用する際はHDMI入力画面に切り替えることになる。この画面は信号の入力がなければ真っ暗になるので、うっかりとテレビ側の電源を切り忘れてしまうことが多い。これは電力の無駄なので、忘れず切るようにしよう。モデルによっては、自動でテレビ放送に切り替えたり、一定期間信号や操作がないと自動で電源をオフにする機能があるので活用するのも手だ。
これからテレビの購入を考えている方であれば、部屋の大きさにあったサイズ、機能のテレビを選ぶことで、適切な明るさや音量で無理せず省エネを実現できるはずだ。加えてテレビの性能はどんどん向上しており、消費電力についても省エネ化が進んでいる。
2010年と2020年の40型液晶テレビで比べると、消費電力は144kWh/年から83kWh/年と約42%減少しており、これは年間電気代としては約1,650円お得になる計算だ(一般財団法人 家電製品協会「スマートライフおすすめBOOK」より)。新モデルへの置き換えは、一時的には出費があるが、ランニングコストはむしろ家計に優しい可能性がある。
一方、すでに購入済みのテレビには、設定の見直しもいいが、電気代を気にするあまり好きなように映像を楽しめないのでは意味がない。
そこで方法としては、まず掃除を試すのが一番オススメだ。キレイになるのは気分がいいし、損がまったくない。劇的な節約効果は見込めなくとも、こういったことはチリツモが大切なので、まずはテレビがホコリを被っていないかチェックしてみよう。
さて、家電において電気使用量の割合を見てみると、照明器具や冷蔵庫、エアコンなどに並び、「テレビ」が電気使用量の多い家電製品として位置づけられている。データを集計した年度や調査方法によって多少のズレは出てくるが、上位にランクインすることは間違いなさそうだ。
いまや大画面であることは当たり前になったテレビ、いかにも電気を食いそうではあるが、その電気使用量を下げる方法をお伝えしたい。
■テレビは消費電力が高いほどお金がかかる
そもそも、テレビがどの程度の電力を消費して、電気代がどの程度かかるのかはモデルによって様々だが、ざっくりとテレビの種類やサイズ、対応画素数などで異なる。まず液晶テレビか有機ELテレビかについては、その再生方式により有機ELテレビの方が消費電力が高い。そして画素数が細かいほど、画面サイズが大きいほど消費電力も上がっていく。
テレビの電気代は、「テレビの消費電力」×「視聴時間」×「電気料金単価」で計算できるので、消費電力が高いほど電気代も高いわけだ。
経済産業省 資源エネルギー庁の省エネ型製品情報サイトでは、各社のテレビの「省エネ性能」が一覧で確認でき、その項目のなかには年間目安電気代も記載がある。ここを見てみると、4K液晶テレビは55型〜75型で5,000円前後〜7,000円前後、4K有機ELテレビは55型〜77型で6,000円前後〜8,000円前後といったところであることがわかる。8Kモデルでは、年間目安電気代が18,000円にも届くようだ。なお、計算における電気料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会による新電力料金目安単価である27円、視聴時間は一般家庭の平均視聴時間として算出された1日5.1時間に設定されている。
■意外にアナログな方法も効果がある
では、このテレビにかかる電気代をどうすれば下げられるかだが、消費電力を下げるか、視聴時間を減らすという選択肢になる。「観てないけど、家にいる間はなんとなくつけっぱなしにしている」という方もそれなりに多いのではないかと思うが、まずその見直しを図るのは即効性が期待できる。
しかし身についたサイクルを崩すのは簡単ではなく、テレビがついていると安心するから消したくない、という方もいるだろう。その場合は、消費電力を下げる方向で考えることになる。テレビは明るく光らせるのに電力を使うので、その明るさを抑えればいい。このとき、ただ輝度を下げるのではなく、たとえば映像モードを「ダイナミック」などの明るいモードから「映画」などシックなモードに変更することで、落ち着いた明るさで映像を楽しめる。
またテレビによっては、内蔵センサーにより部屋の明るさを感知して、画面の明るさを自動調節する機能を備えているモデルもある。こうした機能を活用することで、消費電力を抑えることはもちろん、必要以上の明るさを出さない適切な画面で鑑賞できるので、目にも優しい。
そして盲点となるのが、物理的な汚れだ。テレビは静電気を発生することでホコリが画面についてしまい、結果として暗く見えてしまいやすい。これを掃除するだけで、いつもよりも画面が明るく感じられるはずだ。
なお、32型液晶テレビでは画面輝度を最大から中間に落とすことで、年間で電気27.10kWhの省エネ効果があり、約730円の節約ができると試算されている。
音量も当然、大きくすればそれだけパワーを必要とする。迫力ある作品の鑑賞時はつい音量を上げがちだが、近隣への迷惑にもなりかねないので、必要十分な音量で楽しむことを心がけたい。
ちなみに、使わない時は主電源をオフにしたりコンセントを抜くなどして待機電力もカットする、という考え方もあるが、これにはデメリットも大きい。番組表の自動ダウンロードが行われない、録画機能が効かなくなるといったケースが発生するほか、起動時に大きな電力を必要とするため、わずかな待機電力は必要経費と割り切った方が良いかもしれない。
また、Blu-rayレコーダーやゲーム機などHDMI接続したデバイスを利用する際はHDMI入力画面に切り替えることになる。この画面は信号の入力がなければ真っ暗になるので、うっかりとテレビ側の電源を切り忘れてしまうことが多い。これは電力の無駄なので、忘れず切るようにしよう。モデルによっては、自動でテレビ放送に切り替えたり、一定期間信号や操作がないと自動で電源をオフにする機能があるので活用するのも手だ。
これからテレビの購入を考えている方であれば、部屋の大きさにあったサイズ、機能のテレビを選ぶことで、適切な明るさや音量で無理せず省エネを実現できるはずだ。加えてテレビの性能はどんどん向上しており、消費電力についても省エネ化が進んでいる。
2010年と2020年の40型液晶テレビで比べると、消費電力は144kWh/年から83kWh/年と約42%減少しており、これは年間電気代としては約1,650円お得になる計算だ(一般財団法人 家電製品協会「スマートライフおすすめBOOK」より)。新モデルへの置き換えは、一時的には出費があるが、ランニングコストはむしろ家計に優しい可能性がある。
一方、すでに購入済みのテレビには、設定の見直しもいいが、電気代を気にするあまり好きなように映像を楽しめないのでは意味がない。
そこで方法としては、まず掃除を試すのが一番オススメだ。キレイになるのは気分がいいし、損がまったくない。劇的な節約効果は見込めなくとも、こういったことはチリツモが大切なので、まずはテレビがホコリを被っていないかチェックしてみよう。