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【特別企画】RockDiskNextの音質徹底検証!

かないまる×アイ・オーが明かす、高音質NAS「RockDiskNext」DSD対応の裏側

公開日 2013/12/25 11:03 記事構成:ファイル・ウェブ編集部
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“AVアンプ”と“NAS”
両者が触れてきたネットワークオーディオの世界


−− お互いがお互いの商品のユーザーだったんですね。RockDiskNextのお話の前に、お二人がこれまでNASを使ったネットワークオーディオにどんな風に触れてきたか、バックボーンを少しお聞かせ頂けますか? 金井さんはAVアンプの開発と絡んだ話になると思いますが。

金井: そうですね。同じような方が多いと思いますが、まずネットワークオーディオ以前に、CDをリッピングした音源を持ち歩くといったスタイルを楽しんでいました。自分の“マイベストCD-R”を作って車で聴くためにWAV形式でリッピングしていて、ポータブルオーディオ機器で聴くときは、転送のたびにMP3に変換していました。

一方、自宅の寝室では就寝時にCDを聴いていましたが、あるときCDが見つからなくて、書斎にあるPC内の音源をネットワーク共有して寝室のPCで再生してみたんです。そうしたら意外な音が聴こえてきて、このときに「ファイル再生はCDプレーヤーでの再生と違う良さがある」ということに気付いたんです。2005〜2006年頃のことです。

開口: 私も同じ頃からです。どちらかというと利便性が主な理由でした。iPodを使っていたこともあり、ハードディスク容量の制約からAppleロスレス形式でリッピングしていたんですが、複数の部屋でCDを入れ替えずジュークボックス的に音楽を流したくてNASを導入しました。楽曲ファイルを一元管理できるのも魅力ですね。ところで金井さん、CDと違う良い音というのは、具体的にどんな音質上の利点を見出されていたんですか?

金井: CDプレーヤーでの再生は、“カリカリ・キリキリ”というように弦の音が硬く表現される傾向があります。これはCDの材質やサーボの仕組みに起因するもので、高級機では抑えることができます。しかし普及価格帯の再生機では消し去ることがなかなか難しい。ところが、ファイル再生ではこの“CDの癖”が全くといって良いほど無かったんです。これは元CDプレーヤー設計者の私には衝撃的なことで、布団の上に正座して聴いてしまいました。これが、音楽をファイル再生する利点への最初の“気付き”でした。

開口: 金井さんがAVアンプに搭載されたネットワーク再生機能を重視されるのは、そういった気付きがあってのことだったんですね。

金井: はい。AVアンプへのネットワーク再生の搭載はもちろん利便性から始まっています。しかし、私はそこに“高音質再生の夢”を託してきました。最初にネットワーク対応モデルのチューニングをしたのは2010年に発売した「TA-DA5600ES」です。この頃は、コレガ社製のNASで音楽ファイルを一元管理していたんですが、TA-DA5600ESで行うネットワーク再生の音質はとても良く、ここで「ネットワーク経由での音楽再生は商品としてもいける」と確信したわけです。以降「TA-DA5700ES」「TA-DA5800ES」と、次々にAVアンプのネットワーク再生機能を強化してきました。

「TA-DA5600ES」でネットワーク再生の優位性を確信したことに始まり、金井氏はAVアンプのネットワーク機能を強化してきた

開口: AVアンプにネットワークオーディオ機能が搭載されたときは、アンプがプレーヤーにとって代わったという点で本当に驚きました。TA-DA5800ESでは、先日のアップデートでALACにも対応して頂いたので、昔からのライブラリーもばっちり再生できます。プレーヤーを買わなくても高音質で音楽が楽しめるなんて、本当にいい世の中になりましたね。

金井: でしょ?(笑)。

開口: はい(笑)。そうなると次はNASです。オーディオにとって大切な音源を格納する場所となることで、オーディオ市場でのチャンスが到来する予感はありました。それが今回のRockDiskNextでの挑戦にもつながっています。

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