4月22日に大規模リニューアル
【インタビュー】新生VOD「dTV」は “観たいに出会える” で勝負する
観たい番組が決まっているユーザーは少ない
「たまたま」の出会いを作る「ザッピングUI」
そして注目なのが、サービス開始以来初となるUIの刷新。最大のポイントは、テレビのようにザッピングしながら番組を視聴できるよう作り込まれたUIだ。
村本氏:dビデオの立ち上げから約3年半を経て、リニューアルのタイミングを伺っていたんです。1年ほど前から準備を進めていました。Netflix上陸に対抗したリニューアルなのかと訊かれることもありますが、そんなことはありません。
新UI導入を検討するにあたって、まず自分自身のdビデオの使い方を改めて思い返してみました。すると、疲れて家に帰ってきて「さあ、dビデオを見よう」とはならないのです。というのは、検索して番組を探すというのはとても面倒な作業なんですよね。観るのにエネルギーが必要では、日常生活に寄り添っていることにはならないと考えました。
同社の調査によると、アクセスした時点で見たい番組が具体的に決まっていないユーザーが6割以上もいるのだという。そして「昨日見ていたテレビや配信による番組は、はじめから番組名を意識して視聴したのか」という調査を行ったところ、「たまたまテレビを付けたら面白い番組がやっていたので見ていた」と答えた人が非常に多かった。
村本氏:昨日見ていた番組の名前を教えてくださいと訪ねたところ、『知らない』『覚えていない』と答えた方がかなりいたのです。『なんとなく面白かったから見ていた』というのが実は多くのユーザーの実態なのです。新UIは、ユーザーの視聴スタイルを徹底的に調べた結果生まれたもの。他社サービスは参考にしません。オリジナリティが出ないからです。
またUIを作り込んで行く上で、iPhoneとAndroidの各端末のどういったところが使いやすく、どういったところが使いにくいのか、ユーザーに実際に調査したのだという。
村本氏:意見のなかでも特に興味深かったのが、『iPhoneは構造がフラットだが、AndroidはPC的な階層構造でわかりにくい』というものでした。従来のdビデオは番組ジャンルというディレクトリ構造をそのまま見せていたので、新しいUIでは直感的にすぐコンテンツにアクセスできる、フラットな構造にしようと考えました。
リニューアル後のdTVのUIでは、「ジャンル」ではなく「チャンネル」という概念を取り入れました。こうすることで、あたかもテレビをザッピングする感覚で番組を視聴して、面白そうだと思ったらその番組を見始めるということができるようにしたのです。
「チャンネル」はテレビ番組のような編成をとっており、1時間ごとに新しいものが加わっていく仕組みだ。また、アプリ起動時にはオススメ映画/ドラマの予告編が自動再生される。これは時間ごとに切り替わり、タイムライン的な感覚で気になる番組に出会うことができる。
村本氏:家に帰って「dTVターミナル」のスイッチをオンにしていただけば、何かしら面白い番組が配信されている。テレビのようにザッピングしながら、今の気分で見たい番組を探す、という、配信でありながらテレビを見るような視聴スタイルが実現できるのです。