4月22日に大規模リニューアル
【インタビュー】新生VOD「dTV」は “観たいに出会える” で勝負する
レコメンド機能強化で「観たい番組と出会える」ように
ザッピングUIと共に、dTVへのリニューアルにあたって注力されたのが番組レコメンド機能だ。IBMと共同開発したというこの機能は、1つの作品に1,000以上のタグを付け、ユーザーの視聴履歴に応じて関連する作品をレコメンドしてくれる。
村本氏:レコメンド機能の実装のために、すべての作品に1,000以上ものタグを付けるというような作業を行ったことも、dTVが構想からリニューアルまで1年半の時間を要した理由の1つです。このタグ付けも、我々が選定した専門のフィルムアナリストが行っています。フィルムアナリストごとにタグ付け方法が変わらないように、マニュアルも作成しています。
なお、このレコメンド機能は、ユーザーがタグ付けできる機能も構想しているとのこと。dTVは4月22日の開始以降も様々な機能がアップデートで提供されていくとのことなので、レコメンド機能の進化/拡張にも期待したい。
観たいなと思えるオリジナルコンテンツを製作
dTVが映像配信である以上、その成功の可否を左右するのは提供されるコンテンツのラインナップであり、内容だ。
特に気になるのはdTVオリジナルコンテンツ。先日の発表会では、映画版「進撃の巨人」のスピンオフドラマがdTVオリジナルで製作されることが発表された。そのほか「ニュー・シネマ・パラダイス」などで知られるジュゼッペ・トルナトーレ監督や、紀里谷和明監督によるオリジナル作品など、豪華ラインナップが予定されている。
村本氏:年に1〜2本の大作と、それに加えてドラマなどを5〜6本のペースで製作していく考えです。2015年に提供する作品についても、すでに発表済みの作品に加えて、ドラマや映画も別途検討しています。番組製作についても、各ジャンルのファンにご期待いただける方々に依頼しています。ちなみにオリジナル作品はエイベックスが著作権を全て持ち、dTVでの提供を主目的として作成していきます。
dビデオは映画から海外ドラマ、アニメ作品、BeeTV作品まで幅広くカバーしていたが、dTVではどのようなラインナップが用意されるのだろうか。
村本氏:dビデオについては想定ユーザーを絞りすぎない番組編成を行っていましたが、それでもジャンルで言えばアニメが人気。海外ドラマや映画も多く視聴されていました。リニューアル後のdTVでは、全てのチャンネルに専門の編成スタッフを置きます。例えば映画ならば新作をいち早く届けつつ、旧作もクオリティの高いものを揃えるなど編成に気を配っています。
もうひとつ注目したいのは、「チャンネル」のなかに「FOX TV」が含まれている点だ。単純に番組を提供するのではなく、dTVの1チャンネルとしてFOX TVが最新コンテンツを提供していくというのは、非常にユニークだ。映像配信へのコンテンツ契約としても珍しい形と言える。
村本氏:dTVへのリニューアルにあたり、FOXとはパートナーシップを締結することができました。よって、dTVのチャンネルの1つにFOX TVを位置づけ、最新の番組をそのまま提供できます。海外ドラマなどは見逃し配信もそのままシリーズ単位で提供する予定です。