<山本敦のAV進化論 第62回>
「新しい音楽文化をつくりたい」。「LINE MUSIC」担当者インタビュー
なお、8月10日以降は無料トライアル期間が終了して、いよいよ有料課金サービスに移行するわけだが、「学割」ユーザーの登録フローはどうなるのだろうか。正式な仕組みについてはまだオープンになっていないが、課金がスタートする前に、サービス内で学割の登録ができるようになり、“生年月”と学校名を入れて学生登録を行う仕組みになるようだ。高橋氏は説明を補足する。
■音楽を「シェア」できる機能がLINEならでは
「柔軟な価格体系」はLINE MUSICの大きな特徴の一つだが、「学割」を利用したり、ベーシックプランを選んでもプレミアムプランのサービスすべてにアクセスできる点に同社はこだわっている。例えばベーシックプランでは上限20時間という制限は設けられているが、その20時間内であればプレミアムプランとまったく同じサービスを利用できる。どのプランであっても、あくまで100%のフルサービスによる体験は損なわないというスタンスにより、ユーザーの拡大、および継続利用を促進していくという戦略だ。
LINE MUSICを他の定額制音楽配信サービスと大きく差別化しているのが、LINEとの連携により音楽を「シェア」できる機能だ。LINE MUSICで音楽を再生すると、非常にシンプルなステップでメニューから「シェア」を呼び出して、LINEやTwitterなどにすぐ友だちに楽曲がシェアできる。
それぞれのアプリはLINEアカウントで紐付いているので、トークやタイムラインへのフィードなどの横展開が、同じLINEでのシェア機能を備えるApple Musicよりも一段とスムーズにできて使いやすい。友だちにシェアすると、相手がLINE MUSICに登録していればフルサイズの楽曲が聴けるし、登録していない場合でも30秒のトラックが試聴できる。
「学生が部室に集まって、ラジカセから流れてくる音楽をみんなでワイワイ楽しみながら知らない曲に出会うような体験を、LINEというプラットフォーム上でも再現したいと考えました。インターネットというバーチャルな広場ですが、音楽を中心に熱く盛り上がれる空間をLINEとLINE MUSICの連携によってつくることができれば、若い方を中心に音楽の価値を再発見するきっかけにもなると思います」(高橋氏)。
LINE MUSICのメニューから「テーマ&ジャンル」を選択すると、一覧には「LINEで曲を送ろう!」というコンテンツが並んでいる。この中には「祝★誕生日」「おやすみをLINE」「Thank youをLINE」など、音楽をスタンプ的に送り合える楽曲が紹介されている。
■楽曲数「年内に500万曲」 − 以降も積極的に増やしていく
サービスの基本コンセプトがしっかりしていて、機能が充実していたとしても、定額制音楽配信サービスの魅力はやはり「楽曲数」によっても計られてくる。LINE MUSICの場合は約150万曲のアーカイブからスタートしている。
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