音楽製作陣たちの特別対談が実現
INORAN(LUNA SEA)とオーディオ談義!最新“ハイレゾポータブル時代”を音楽の作り手たちはどう見ているか?
【3】デンスケ、DAT、AKシリーズまで。“ポータブルリスニング”の昔と今を振り返る
−− ちなみに、音楽の作り手側である皆さん自身は、これまではどんな風に「ポータブルリスニング」をしてきたんですか? お仕事の部分もあると思いますが。
比留間さん: ポータブル…それこそ遡ればデンスケですよね。
INORANさん・峰守さん・その場の取材陣一同: うわあー、デンスケ!
比留間さん: 確かソニーの「TC-D5M」だったかな…大きいカセットデンスケを肩からかけてました。使ってきたメディアという意味では、CD-RやMDなんかも使いましたね。
INORANさん: あとやはりDATですよね。
比留間さん・峰守さん: (一斉に)だね〜。
峰守さん: 僕はAKを導入する直前まではCD-RがメインでたまにiPod、それまでにはもちろんカセット環境の時代に始まり、DAT等色々使いました。一番はやっぱりDATでしたね。今後はやっぱりAKですね。
INORANさん: DAT良かったよねえ。あと、CD-Rに落とした音を聴くのでポータブルCDプレーヤーも使いましたね。
比留間さん: 僕たち制作側としては、DATの再生が当時スタジオで録っている原音のイメージに一番近い音だったんですよ。今はAK240を使っていますが、これも録音時の原音に近い再生ができていると思います。
−− なるほど、原音のイメージに近いという部分で、AKシリーズはDAT以来の存在…という感じでしょうか。ちなみにそのAKシリーズについてなのですが、今のお話ですと、プライベートで音楽を楽しむときと、お仕事で制作音源をチェックするときの両方で使ってらっしゃるんですか?
比留間さん: 僕は自分が制作した楽曲を外でチェックするためにAK240を使うことの方が多いです。音源をこういうハイレゾプレーヤーに圧縮せずそのまま入れて、車の中でカーステに繋げて聴けるというのがすごく楽なんですよ。音源を持ち出すときに変換する必要がなくなったのは、本当にありがたいですね。
峰守さん: ダウンコンバートしなくても制作した音源を持ち出せるなんてと。すごくいい時代になりましたよね。
INORANさん: 僕の場合は、プライベートも仕事でも両方で使っています。実はこれまで、仕事用の楽曲チェックとプライベートで音楽を楽しむのとでは、環境を分けていたんですよ。使うヘッドホンもプレーヤーも別々にしていました。それが、AK380を使い始めたことで合体した。仕事で制作音源をチェックするのも、好きな音楽を聴くのも、両方ともAK380のポータブル環境でできちゃうようになったんです。ついに2つがあわさってくれたなという感じで、すごく便利になりました。
−− おお〜。それは、先ほど仰った「音楽をシビアに聴けるだけではなく、同時に楽しめるアイテム」ならではですね。音楽制作側の環境と、一般リスナー側の環境があわさってきた姿とも言えるのかもしれません。
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