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音楽製作陣たちの特別対談が実現

INORAN(LUNA SEA)とオーディオ談義!最新“ハイレゾポータブル時代”を音楽の作り手たちはどう見ているか?

公開日 2015/10/28 10:32 記事構成・執筆/編集部:杉浦みな子
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【2】自分が弾く“ギターの違い”がちゃんと聴こえる!INORANさんが最新ヘッドホン/イヤホンを体験


愛機AK380にLayla(ユニバーサル)を組み合わせて自身の楽曲を試聴するINORANさん
INORANさん: 「Layla(ユニバーサルモデル)」や「ORIOLUS」などで、AK380に入れている自分のアルバム『BEAUTIFUL NOW』を聴いてみました。自分が普段使っているKH-KZ3000でも感じたんですが、まずギターの細かいニュアンスまで聴こえてくることに驚きますよね。僕は自分が弾くギターについて、音の弾き始めから残響までを「ファーストノート」「セカンドノート」「ラストノート」という3つの流れに分けて捉えているんですが、これらのヘッドホン/イヤホンは、1つの音の中にあるそれぞれの違いをしっかり再現してくれるんです。あと、ボーカルのブレスの違いもちゃんと聴こえますね。サビに行く前の“悲しい感じのブレス”とか、そういうところまで聴き取れることに感動します。

比留間さん: ポータブルリスニングがここまで高品質に進化していることは制作側としても単純に嬉しいですね。

峰守さん: まだまだ発展途上だと思いますが、こうやって再生環境が進化していくことで、作り手側も変な無理をせず、もっと素直に音楽を作れるようになっていくのではないかと思うんですよ。

最新のイヤホン製品を夢中になって試聴する比留間さんと峰守さん

−− リスニング環境の進化が、制作側の進化にも繋がる部分があるということですね。

峰守さん: 単純に、iPhoneで聴くのと音楽専用プレーヤーで聴くのでは、楽器の聴こえ方も全く違いますしね。例えばうちの息子なんかは、「iPhoneで聴くと、エレキギターの音とかが耳障りで聴きづらいから音量を上げられない」と言っています。「iPhoneで聴きやすい楽曲を作れないの?」と言われちゃうんです、息子に(笑)。なので、こういった高品質な製品が登場して、一般のリスナーさんにとって音楽再生環境の選択肢が増えるのはすごく良いことだと思います。実際、息子にAKシリーズを聴かせたら「これはすごい」と言ってました。

−− 息子さん、相当に感動されたでしょうね。それまでの環境とは大きく音楽の聴こえ方が変わりますよね。

INORANさん: 本当に、こういう最新の製品を体験すると、僕らの子どもの頃なんかとはリスナーに対する「音楽の寄り添い方」が変わったなと感じますね。でも、楽しみ方の根本は変わらないと思うんです。例えば僕の場合、「この音はどうやって出してるんだろう? このコードは何だろう?」って楽曲を分析をするのも、いちリスナーとして音楽を聴く楽しみの1つでした。そういう根本的な部分は、いま音楽を聴き始めた人にとっても変わらない。むしろこういった高品質な再生環境によって、そういう聴き方をより楽しめるようになっていると思うんです。

これらの製品て、すごくシビアに音楽を聴けるんだけど、シビアなだけじゃなくて同時に音楽をちゃんと楽しめるものになっているからすごい。シビアさと楽しさが一緒に押し寄せてきて「音楽を楽しむためのアトラクションが増えた」という感じです。「これ聴いてみてよ」ってみんなに薦めたくなる。音楽って、それを聴いている自分と一緒に泣いたり笑ったりしてくれるものだと思うんですよ。だから作り手としては、何よりも音楽を“楽しく”聴いてほしいと思っているし、それをより良く実現できる製品として歓迎したいですね。僕自身も1人のリスナーとして楽しんでいます。

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