HOME > インタビュー > “VRエバンジェリスト” 広田稔氏に聞くVRの現在、そしてこれから

VRは2016年が面白い!

“VRエバンジェリスト” 広田稔氏に聞くVRの現在、そしてこれから

公開日 2015/12/22 10:43 構成/編集部:風間雄介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

ここで、広田氏のナビのもと、Gear VRを体験してみた。まず体験したのはネットフリックスが配布しているアプリだ。

このアプリでは部屋全体がVRで表現され、前方にはスクリーンがある。360度、どこを見ても、頭の動きに合わせて遅延なく画面が連動して移り変わる。陳腐な表現だが、本当に自分がその場にいるかのような感覚にとらわれる。

実際の自分が座っているのは音元出版の応接室なのだが、下を見ると赤いビロードのソファーがあり、しかも手を伸ばしたら触れられそうなリアリティを感じる。


ーー これはマジですごいですね! 自分の部屋がゴミだらけでも、これを被ったら豪勢なシアタールームで見ている感覚になっちゃいますね(笑)

そのほかシューティングゲームなど様々なアプリを体験してみたが、どれも当初の予想をはるかに超える臨場感が得られ、思わず「うわー」とか「これはすげえ」とか大きな声が漏れる。なお、Gear VR 製品版の体験レポートは、近日中に別記事でくわしくお届けする予定だ。

個人的には、メガネを外してもしっかり見られたのがうれしかった。筆者の視力は0.1よりはるかに低いが、それでも裸眼でくっきりとした映像が体験できる。

またゴーグルを装着したまま、スマホのカメラの画面を表示する機能もあり、これが地味ながら大変便利だ。試しに装着したまま、机に置いてあったペットボトルのお茶を飲んでみたが、それほど違和感なく飲むことができた。


Gear VRを着けると自然にスイッチが入る

広田氏: けっこう面白いでしょう? Oculus Riftを使うために高性能なPCが必要というとハードルが上がっちゃいますが、スマホでここまでできるというのは画期的なことだと思います。Gear VRだけでなくVRヘッドマウントディスプレー全般の話になりますが、スマホが普及したことで内蔵センサーやディスプレーパネルなどが安価になったので、こうした体験が安価に実現できるようになったわけです。

このGear VRは、スマホ内部はもちろんですが、Gear VR本体にもジャイロセンサーや加速度センサーが装備されていて、S6/S6 edgeと連動して動作するので、遅延が少ないんです。

ーー 本当にリフレッシュレートが高いですね。60fpsくらい出てそうです。

広田氏: 動きがカクついていると没入感がどうしても落ちてしまうので、リフレッシュレートの高さは重要なポイントです。先ほども触れたように、ジャイロや加速度のセンサーを活用することで、段ボール製ゴーグルを超える「ぬるぬる」な動きの体験を実現してくれるわけです。それもあってか、Gear VRは「Galaxy S6」「Galaxy S6 edge」専用なんです。

ーー ある程度仕方ないことでしょうが、残念ですね。もっとほかのデバイスにも対応して欲しい!

広田氏:そうですよね。期待したいですね。

次ページVR動画を撮影するためのカメラあれこれ

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: