VRは2016年が面白い!
“VRエバンジェリスト” 広田稔氏に聞くVRの現在、そしてこれから
ーー ここまでお話し頂いて、VRゴーグルについてはある程度理解できたんですが、CGをリアルタイムレンダリングして表示する方法のほかに、実際にカメラで撮影した、いわゆる全天球動画を表示する方法もありますよね。
広田氏:その通りです。そのためのカメラもたくさん種類がありますよ。まず、かなりお高めのところからいくと、人気のアクションカメラ「GoPro」を複数台連結させるシステムがあります。これは本当にプロ用ですが、Googleがやっている「Jump」というプロジェクトでは、16台のGoProを1台のカメラのように同期して使用できる「Odyssey」というものも用意されています。
ーー めちゃめちゃ高そうですね。
広田氏:1万5000ドル(掲載時のレートで日本円に直すと180万円)とすごく高いです。ということもあって、一般の方は購入できません。購入するときも「何に使うのか」とかいちいち書かされますから。
ほかには、ノキアの「OZO」も熱いですね。これもプロ用で、カメラだけで6万ドル、約730万円くらいしますけど、2Kカメラを8つ搭載してます。来年早々には発売される予定です。
ーー すごくかっこいいですけど、一般人はまず手が出ませんね…。身近なものだとどういうものがありますか?
広田氏:ご存じの方も多いと思いますけど、リコーの「THETA S」とかコダックの「SP360 4K」とか、IC Real Techの「Allie」などは、数万円程度から買えます。まずはこのあたりからチャレンジして、360度動画を撮影してみてはどうでしょうか。
最近はYouTubeが360度動画のアップロードをサポートしましたから、撮った動画をアップロードして、Googleカードボードで見れば、コストをかけずにVR動画の撮影と表示ができます。あとはFacebookも、VRにものすごく積極的です。ご存知の方もいるかもしれませんが、何せ2014年にOculusを買収したぐらいですから。そのOculusとサムスンが共同開発しているのが、先ほどお見せしたGear VRです。
あと、Googleカードボードがなくても、スマホのアプリで360度動画を再生し、グリグリ視点を動かすこともできます。これをVRと言うべきかはちょっと微妙ですが、そんな区分けは深く考えず、楽しければOKじゃないかと思います。