VRは2016年が面白い!
“VRエバンジェリスト” 広田稔氏に聞くVRの現在、そしてこれから
ーー AVファンとしては、画質や音質も気になる部分です。特に画質については、至近距離で見ていることもあってか、Gear VRではドットが見えてしまうのが少し気になりました。ひょっとして4Kスマホとか、通常では精細感の違いがわかりづらいくらい画素密度の高いディスプレイも、VRゴーグルでは活きてくるかもしれませんね。
広田氏:確かに。あと、VRでは画質だけじゃなく音も重要ですよ。没入感を高めるには、しっかりとした遮音性と高い表現力を備えたイヤホンが重要になると思います。
ーー 広田さんはEtymotic Researchを使っていますね。音については、頭の動きと連動したバーチャルサラウンド技術も、今後重要になってくるでしょうね。
広田氏:まさにその通りです。映像だけではなく音も、没入感を高めるためには、ものすごく重要ですから。そういう流れで言うと、映像や音声だけじゃなくて、インプットデバイスもさらに進化するはずですよ。
たとえば、Oculusは「Oculus Touch」というデバイスを作っています。左右独立のインプットデバイスで、VR空間の中でより自然な操作ができます。画面がVRなのに、コントローラーはこれまでのゲームと同じでは、どうしても違和感が出ますから、入力デバイスもこれからどんどん進化すると思います。
ーー よくSFなんかだと、グローブ型のデバイスが出てきますよね。指の動きをそのまま感知して触覚フィードバックがあったり…。
広田氏:そういうのが出てくれば、ますます没入感が高まるでしょうね。
ーー 話は変わりますが、VRはゴーグルを装着して、体験しないとその凄さがわかりません。多くの人がいっぺんに体験できず、体験の共有も難しいですね。メディアとしての立場でいうと、VR体験を文章で表現するのが難しくて、ジレンマを感じたり…。
広田氏:そのとおりです。ですから、情報を発信するだけでなく、私もいろいろなイベントを企画してます。本当に楽しいですから、一人でも多くの方に体験してもらいたいです。
VRはまだまだ進化します。特に2016年は、いま発表されているものだけでも、面白いモノや画期的な技術がどんどん出てきます。ぜひ注目してほしいですね!