「とんがった、期待を超えるものを」
東芝REGZAはこれからどうなる? '16年以降の戦略を本村氏・片岡氏に聞く
本村氏:コンテンツを楽しみたい、というお客様のご要望は、VODでもテレビでも変わりません。ですが、スマホではやはり体験が小さくなってしまいます。当社としては、こういったクラウドサービスの力も使いながら、リビングテレビとしての価値を最大化していきたいと考えています。
片岡氏:あるVOD事業者さんとお話ししていたら、やはりテレビでサービスを楽しんでいる方のほうが、定着率が高いのだそうです。
ーー さきほど、今後の事業の軸としてクラウドも挙がりましたが、クラウドを事業として捉えたとき、マネタイズについてはどうお考えですか?
片岡氏:膨大な視聴ログデータを整理し、コンテンツメーカーさんやCMクライアントさんなどにお使い頂くことを考えています。その際、個人情報を特定できないようにするのは当然のことですね。
業界でビッグデータが求められているのは間違いないと思いますが、ただ単にデータをお渡しするだけでは、おそらく膨大すぎてご活用頂くのは難しいと思います。我々も加わってしっかり分析し、いろいろな角度でデータを見ていかないといけません。
そういうふうにして、データをもとにして面白いコンテンツを作る環境を整え、そのコンテンツの情報がしっかりお客様に届く仕組みも提供します。こういったサイクルをしっかり回すことで、先ほど申し上げた、いわゆる「若者のテレビ離れ」を食い止められないかと考えています。
■「とんがって、本物志向で、期待を超える」ものを開発中
本村氏:REGZAは来年10周年を迎えます。ですので、ちょうどいま、今後の10年を考えてREGZAの「グランドデザイン」を練っているところです。近いうちにみなさまにもお伝えできるはずです。
とはいえ、REGZAの進むべき方向がガラッと変わるようなことはありません。REGZAを最初に立ち上げたとき、「卓越感」「高質感」「本物感」をキーワードとして掲げました。それはいまも変わっていません。業界にキャッチアップするというよりリードする提案を、画質においても、クラウドにおいても行っていきたいと思います。
REGZAという製品を通して、感動を提供する、感動を最大化するというのが我々のやるべきことです。それが、「REGZAが良い」とお客様に言って頂く力になっていると改めて実感していますし、今後もそうだろうと考えています。
ーー なるほど。
本村氏:先ほど片岡が申し上げたように、映像の見方が変わっているのも事実ですが、我々としては映像を見るという本来的な欲求に応えたい、「美しい映像が見たい」という本能に訴えかけていきたい、それができるような製品を作っていきたいと思います。
ーー 2016年の新提案にも注目が集まると思います。
片岡氏:10周年だからこそ提案できる、骨太でポジティブな「攻め」の提案をお見せできると思いますよ。
本村氏:いまお客様に感じていただいているREGZAブランドの位置、価値を最大化していく方向性であることは間違いありません。そのうえで、とんがっていて、本物志向で、みなさまの期待を超えていくようなものをお見せします。
ーー 期待しています。本日はありがとうございました。