「2500シリーズ」連続インタビュー第1回
【開発者インタビュー】デノン「DNP-2500NE」に込められた音へのこだわり
低位相雑音クロックを搭載。各入力に対して最適なジッター対策も
ーー 兄弟モデルであるSACDプレーヤー「DCD-2500NE」はクロック周辺にも改善を行っています。本機についてはいかがでしょうか。
飯原氏 本機には、DCD-2500NEと同じ低位相雑音クロックを搭載しています。これはDSD-1650SEにおいて開発されたもので、DCD-2500NEと同じものになります。位相雑音とは、簡単に言うとジッターを周波数領域で表したものなのですが、これが音質に悪影響を与えてしまいます。DNP-2500NEでは、DCD-2500NEと同様に、44.1kHz系と48kHz系で2系統のクロックを備えています。
ーー DACマスタークロックデザインも上位モデルから継承しています。
飯原氏 DACマスタークロックデザインとは、DACの直近にクロックを配置して、さらに各デジタル回路を全て同じマスタークロックで動作させることで高音質化を行う手法です。本機ではUSB-B入力がDACマスタークロックデザインで動きます。
ただし、ヘッドホン出力を行う場合には、どの入力であっても、DDFA専用の低位相雑音発振器のクロックで動作します。DDFAには、FPGAでAdvanced AL32 Processing Plusの処理が行われたオーディオデータのみが伝送され、DDFA内部のバッファーに蓄えられたデータはこのクロックで叩き直されてアンプの出力信号となります。
ちなみに、ネットワークモジュールは内部でクロックを生成し、同軸と光はそもそもの仕様で信号自体からクロックを作る仕様となっています。ですから、これらの入力については低位相雑音のクロックを基準に動作するジッターリデューサーによってジッターを除去しています。
ーー USBとネットワーク、同軸/光、それぞれの仕様や性質に最適な音質対策が行われているということですね。一方で、どの入力も“DNP-2500NEの音”としての統一感を持っていると感じます。
飯原氏 それはデノンが培ってきたデジタル処理技術の賜です。DNP-2500NEは、Advanced AL32 Processing Plusの処理や音声データの叩き直し、クロックの処理などをほとんど全てのデジタル処理をFPGAで行っています。ですから、全てのデジタル入力に対して最適な処理を行い、ジッターを含まないデータに生成してDACに送ることができるのです。
ハイレゾ再生におけるAdvanced AL32 Processing Plusの効果
ーー Advanced AL32 Processing Plusはデノン独自のアナログ波形再現技術ですが、これはハイレゾ再生においても有効なのなのでしょうか。
飯原氏 Advanced AL32 Processing Plusは、384kHzを含む各サンプリング周波数の信号に対してオーバーサンプル処理を行い、いずれも705.6/768kHzの信号をDACへ出力します。信号のスペックに合わせて情報補間を行うことで、ハイレゾ、CDクオリティを問わずデノンが目指す音として再生することができます。
ーー Advanced AL32 Processing Plusはオーバーサンプリング処理と共に、ビット拡張処理も行っています。
飯原氏 はい。ビット拡張は比較的簡単に行えます。より重要となるのは周波数領域の拡張です。様々なアルゴリズムがありますが、デノンは特許技術のαプロセッシングで周波数領域の拡張を行います。
Advanced AL32 Processing Plusの処理を行うFPGAでは、デジタルフィルター処理も行います。本機では、DAC内蔵のデジタルフィルターは使用せず、外部デジタルフィルターモードで動作させています。こうすることで、192kHz/32bitが上限のDACで、705.6/768kHzにアップサンプリングされたPCMの再生ができ、加えて独自かつ高度な音作りも可能になります
ーー ちなみにAdvanced AL32 Processing Plusを「オフ」にする設定は用意していないのですか。
飯原氏 デノンのポリシーとして、αプロセッシングを備える全製品で“オフ”モードはあえて用意していません。αプロセッシングで処理した音こそ、デノンが理想とする音だからです。
ーー 兄弟モデルであるSACDプレーヤー「DCD-2500NE」はクロック周辺にも改善を行っています。本機についてはいかがでしょうか。
飯原氏 本機には、DCD-2500NEと同じ低位相雑音クロックを搭載しています。これはDSD-1650SEにおいて開発されたもので、DCD-2500NEと同じものになります。位相雑音とは、簡単に言うとジッターを周波数領域で表したものなのですが、これが音質に悪影響を与えてしまいます。DNP-2500NEでは、DCD-2500NEと同様に、44.1kHz系と48kHz系で2系統のクロックを備えています。
ーー DACマスタークロックデザインも上位モデルから継承しています。
飯原氏 DACマスタークロックデザインとは、DACの直近にクロックを配置して、さらに各デジタル回路を全て同じマスタークロックで動作させることで高音質化を行う手法です。本機ではUSB-B入力がDACマスタークロックデザインで動きます。
ただし、ヘッドホン出力を行う場合には、どの入力であっても、DDFA専用の低位相雑音発振器のクロックで動作します。DDFAには、FPGAでAdvanced AL32 Processing Plusの処理が行われたオーディオデータのみが伝送され、DDFA内部のバッファーに蓄えられたデータはこのクロックで叩き直されてアンプの出力信号となります。
ちなみに、ネットワークモジュールは内部でクロックを生成し、同軸と光はそもそもの仕様で信号自体からクロックを作る仕様となっています。ですから、これらの入力については低位相雑音のクロックを基準に動作するジッターリデューサーによってジッターを除去しています。
ーー USBとネットワーク、同軸/光、それぞれの仕様や性質に最適な音質対策が行われているということですね。一方で、どの入力も“DNP-2500NEの音”としての統一感を持っていると感じます。
飯原氏 それはデノンが培ってきたデジタル処理技術の賜です。DNP-2500NEは、Advanced AL32 Processing Plusの処理や音声データの叩き直し、クロックの処理などをほとんど全てのデジタル処理をFPGAで行っています。ですから、全てのデジタル入力に対して最適な処理を行い、ジッターを含まないデータに生成してDACに送ることができるのです。
ハイレゾ再生におけるAdvanced AL32 Processing Plusの効果
ーー Advanced AL32 Processing Plusはデノン独自のアナログ波形再現技術ですが、これはハイレゾ再生においても有効なのなのでしょうか。
飯原氏 Advanced AL32 Processing Plusは、384kHzを含む各サンプリング周波数の信号に対してオーバーサンプル処理を行い、いずれも705.6/768kHzの信号をDACへ出力します。信号のスペックに合わせて情報補間を行うことで、ハイレゾ、CDクオリティを問わずデノンが目指す音として再生することができます。
ーー Advanced AL32 Processing Plusはオーバーサンプリング処理と共に、ビット拡張処理も行っています。
飯原氏 はい。ビット拡張は比較的簡単に行えます。より重要となるのは周波数領域の拡張です。様々なアルゴリズムがありますが、デノンは特許技術のαプロセッシングで周波数領域の拡張を行います。
Advanced AL32 Processing Plusの処理を行うFPGAでは、デジタルフィルター処理も行います。本機では、DAC内蔵のデジタルフィルターは使用せず、外部デジタルフィルターモードで動作させています。こうすることで、192kHz/32bitが上限のDACで、705.6/768kHzにアップサンプリングされたPCMの再生ができ、加えて独自かつ高度な音作りも可能になります
ーー ちなみにAdvanced AL32 Processing Plusを「オフ」にする設定は用意していないのですか。
飯原氏 デノンのポリシーとして、αプロセッシングを備える全製品で“オフ”モードはあえて用意していません。αプロセッシングで処理した音こそ、デノンが理想とする音だからです。