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共振を徹底的に抑え込んだ

<IFA>2200ユーロ、家庭用ヘッドホンの頂点。ソニー「MDR-Z1R」開発者に聞く

公開日 2016/09/03 00:53 ファイル・ウェブ編集部
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ユニット内の共鳴を排除する「音響レジスター」を採用
 
MDR-Z1Rは、ハウジングの構成にも特別な構成が取られている。同社はこれを「レゾナンスフリーハウジング」と呼んでいる。
 
レゾナンスとはハウジングの内側にある音の共鳴の事で、貝殻を耳に当てるとザーッという音が鳴るのを体験したことがある方も多いだろう。「貝殻を耳に当てるときのような音の共鳴がヘッドホン内部で起こり、音を濁らせていた」と考え、その共鳴を除去することでハイレゾ信号に含まれる微小音をクリアに鳴らすことを目標とした。
 
そのための構造は「音響レジスター」と呼ばれるもので、全体に通気性のあるカップのようなものを取り付ける。このカップの形状は曲面で、共振を防ぐために中心をセンターからずらした設計。カナダ産の針葉樹によるパルプが素材で、そのまま耳に当ててみると、確かに、ほぼ共鳴がないことが確認できる。「パルプを立体のまま成形する構造も非常に難易度が高い」とのことで、こちらも高音質のために徹底した作り込みがなされている。

これがイヤーカップ部。カップの形状やパルプの素材などに徹底的にこだわった

イヤーパッドの構造は、厚みのある低反発ウレタンフォームを人の顔の形に合わせて立体的に作りこんだもので、日本でなめし加工を施した羊革を使用。肌触りがやわらかいだけではなく、天然素材にしかない適度な保湿性も確保している。

イヤーカップは羊皮をなめしたものを採用

ハウジングの上に「ビートレスポンスコントール」という、低域の通気抵抗をコントロールする穴を装備

ベースベンドはβチタン製、ヘッドホンカバーは本皮という素材も「ヘッドホンとしてだけでなく高級品として作りこまれたもので、耐久性にも配慮したもの」という徹底ぶりだ。


本革のヘッドバンドを採用
 
またパッケージには、通常のヘッドホンケーブルの他にバランス接続のヘッドホンケーブルも付属する。
 
「MDR-Z1R」のパッケージに付属する、専用設計のハードケースもIFAの会場内で見ることができた。ヘッドホンのケースというとキャリングポーチや、あるいはスタンド型などのものなども考えられるが、長く保存してもらえるためにケースという形となった。

ケーブルを装着したまま収納できるなど、内部にも工夫を施した

これがMDR-Z1Rの専用箱。「本体とおなじくらい手間がかかった」と冗談を飛ばす潮見氏

MDR-Z1Rをケーブルをつけたまま収納できるなど、ヘッドホンケースとして使い勝手をこだわりぬいた」という仕様だ。

ヒンジも隠しているなど、細かなこだわりは半端ではない

SONYロゴが型押しされている

ソニーが送り出すハイエンドヘッドホンに期待したい。なお、本製品を含むSignatureシリーズの音質レポートも近々お届けする予定だ。

▼開発者が自ら語る動画もお楽しみください

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