「ハイレゾで出す意味があるならやろうと決めた」
【連続インタビュー(上)】「アイドルマスター」のハイレゾはどうやって作られたのか? コロムビアに聞く制作の舞台裏
▼ハイレゾで聴く“アイマス”の新しい魅力
−−今後のリリースとして、第何週というルールに限らず、新曲がハイレゾと同時に、ということもあるのでしょうか?
柏谷:まだそれほど考えられてはいないのですが、あまりお待たせしてしまうのもどうかというのもあるので、何かのタイミングで新しいものも出すことはあるかもしれませんね。
瀬戸:第五週が良いタイミングですよね。
柏谷:あー…、その週はちょっと休めると思ったのに(笑)。
−−ちなみに、CDではドラマCDが収録されることがあると思いますが、そのハイレゾ化ということはあるのでしょうか?
柏谷:それはあまり考えていません。ハイレゾでの空間表現といったものとは違う部分だと思っていて、ハイレゾにする意味がないような気がしています。ドラマの場合は、音圧とかあまり関係なく作るものだったりするので、アプローチとして見え方がそれによって変わるかと言うと…。解像度の面では変わるかもしれませんが、それだけでは分かりづらいと思います。だったら、それよりも5.1chにした方が面白いかもしれませんね。
−−音楽と同じで、数値上のハイレゾにはしないということですね。では最後に、ハイレゾ音源についてプロデューサーの皆さんにひと言お願いします。
柏谷:「この曲が好きだ!」という曲があれば、それを色んな角度で楽しんで欲しいと思います。CDではCDの音ならではの魅力がありますが、曲の魅力はそれだけではありません。ハイレゾでマスタリングを変えたということは、違う魅力を見つけられる曲になっているんです。あとハイレゾでは良いヘッドホンなら良いヘッドホンの音がナチュラルに感じられて、アンプを変えたらその違いが分かりやすく出る。自分の機材で音がどう変わるかも楽しめると思います。ひとつの曲を色んな角度から、色んな方向で、色んなアプローチで楽しめる。プロデューサーの皆さんが、それぞれの楽しみ方を見つけてもらえたらと思います。
−−本日はありがとうございました。
アイドルマスターの楽曲をCDで聴いている方にしてみれば、ハイレゾになったからといってまた同じ曲を購入することに戸惑いを感じることもあるかもしれない。ただ、ここまでの内容でお分かりかと思うが、同じ曲というには大きな違いがある。また、アプローチが違うということは、ハイレゾ対応機器でなくとも感じられるはずだ。
プロデューサーの方もそうでない方も、まずは1曲、手持ちの機器で聴いてみて欲しい。もしCD音源と聴き比べができるのなら、ぜひそれも試していただきたい。なぜハイレゾにしたのか、という意味が存分に感じられるはずだ。アイドルマスターのハイレゾ音源は、ハイレゾの入り口として自信を持ってオススメできると確信したインタビューとなった。
なお、本記事は2回に渡る連続インタビューとして展開したい。後編は、アイマス楽曲のマスタリングを手掛けるエンジニアに色々と話をうかがう予定だ。
【『アイドルマスター』『アイドルマスター シンデレラガールズ』配信サイト】
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*『アイドルマスター ミリオンライブ!』のハイレゾ音源はe-onkyo music、mora、レコチョク、music.jp、grooversで配信
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