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2つの注目ブランドのコラボ第一弾

「良い音」を正確に伝えるダイナミック型イヤホン。Lotoo×ENIGMAcoustics「D200」の誕生背景

公開日 2017/06/30 09:00 オーディオ編集部:浅田陽介
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いま、イヤホンのトレンドは他ドライバー機やカスタムIEMなど、スペックを重視する傾向が強い。その中にあってD200は、あえてダイナミックドライバーを採用したイヤホンとしてまとめられていることも特徴だ。そこには、実にLotooとENIGMAcousticsらしいこだわりがあるようだ。

シャオ 「そもそも音楽性は、ダイナミックドライバーでも十分に出すことができます。”イヤホンの原点に戻って本当に良い設計ができれば、ダイナミックドライバーでも良い音が出せるはず”と考えました。

もちろんドライバーの数が増えれば増えるだけ周波数レンジは広がりますが、クロスオーバーの処理など気をつけなきゃいけないことがたくさん出てくるんです。本当にイヤホンが好きなユーザーは、ダイナミックなのかバランスド・アーマチュア(BA)なのかは聴けばすぐ分かるんです。理由は簡単で、音質が違うから。私の考え方では、例えば2つのBAドライバーを搭載したとしたら、これは違うドライバーを持つということなので、出てくる音質には違和感が生まれてきます」

「それと肝心なのは、ヘッドホンの世界でもトップエンドのモデルは全てひとつのダイナミックドライバーで設計されているということ。そもそも私がENIGMAcousticsのDharma D1000に対して思うことは、どんなイヤホンやアンプで鳴らしても良い音がするということです。もちろんこの「良い」にはさまざまなレベルがあります。極端に言えば、例えば携帯電話から直結して鳴らしても、おかしな音が鳴るということがないんです」

Dharma D200はダイナミックドライバーの採用や直出しのケーブルなど、昨今のトレンドとは少々異なる構造を採用。しかし、ここにも明確な理由がある

そしてもうひとつ、D200がトレンドと外れている部分がある。それはあえてリケーブル対応にしていないということだ。

シャオ 「リケーブル対応にしなかったのは、Lotooのチューニングはケーブルも含めて行っているからです。このケーブルは、銅と銀のハイブリッド導体なのですが、その配合比率などは私達のノウハウにもなるので企業秘密ということで(笑)。太さもいまのトレンドをみると太めではあるのですが、この太さじゃないと、この音にはなりません。いま世の中でよく見る銀線を採用した細いケーブルは私達からみるとちょっとシャープになりすぎてしまうんです」

「もちろん、リケーブル対応としてさまざまな音を出してユーザーが楽しむというのもひとつの魅力だと思います。しかし、私達はあくまでこのLotooとENIGMAcousticsのコラボレーションで生まれるサウンドを楽しんで欲しいというのが第一にあります。ですので、D200はこのような仕様となったんです」。

「また、このケーブルは取り回しがよくて、ケース等に納めやすいケーブルであることも特徴です。絡まったりすることはありません。これは私自身もいままでイヤホンのケーブルが絡まってしまうことに悩まされてきましたから(笑)」

「ちなみにチューニングという意味では、ハウジングの形も非常に重要です。基本的には中身は外から見た形と似ているんですけど、はっきり言えるのはこの形だからこそ良い音が出たということです。どうやって、どう使ってというところは、ここも企業秘密で……。イヤーチップについては好みの部分が大きいので、ユーザーの皆様で自由に選んでいただくスタンスとなっています」

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