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【特別企画】9ドライバー構成で5g未満の超軽量イヤホン

シンガポールの新生イヤホンブランド「Stealth Sonics」。驚きの軽さ、技術、安全性を本国トップが語る

公開日 2019/05/29 08:41 山本 敦
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超高域/高域/中域/低域に各1基ずつ、合計4基のBA型ドライバーを搭載する4ウェイ構成のU4は、明るくクリアな音色が特長だ。ラジェスパル氏は、Uシリーズの中でも特にプロのミュージシャンから高い評価を受けているモデルと説いている。

4ドライバーモデル「U4」¥57,800(税抜)

インタビューに同席していただいたギャレス・フェルナンデス氏もシンガポールを拠点に活躍するトップミュージシャンだが(フェルナンデス氏のYouTubeチャンネル)、U4のサウンドを「ボーカリストとして追求する理想のサウンドを録音ソースから忠実に、そして聴き応えたっぷりに再現してくれるイヤモニ」であると太鼓判を押している。

U4はレスポンスがとても速く、鮮やかな中高域を特徴としている。低音も打ち込みが鋭く、シャープな切れ味にも富んでいる。やや音が硬い印象も受けたが、鳴らし込むほどに熟れてくると思う。ボーカルの滑舌がとても明瞭で輪郭が際立っている。エッジを立たせすぎずに、凹凸感も自然に再現してくれるので聴き疲れしない。

クラシックのオーケストラは音場がクリアで、楽器の音が整って聴こえる。張り出しは強すぎず、演奏の情景全体にフォーカスが合う。小音量でも分解能はしっかりと確保されていた。艶っぽい弦楽器、金管楽器のハイトーンに本機の醍醐味がある。

ミュージシャンであるフェルナンデス氏もU4のサウンドを高く評価する

BAとダイナミック、それぞれ1つずつのドライバーを搭載したハイブリッド方式のU2はシリーズのエントリーモデルだ。元々ステージモニターからオーディオのビジネスを立ち上げたステルスソニックスが、一般の音楽リスナーが求める音を強く意識して開発したモデルであるという。

2ドライバーモデル「U2」¥29,800(税抜)

ラジェスパル氏によると、重視したポイントはダイナミック型ドライバーで中低域のレスポンスを高めて、高域再生専用にBA型ドライバーを配置してワイドレンジな表現力を持たせたところにあるという。

中低域の肉付きが良く、アグレッシブなロックやポップス、EDMの楽曲に心地よくマッチした。低音が立体的で弾力感にも富んでいる。ピアノやアコースティックギターの音色に温かみがあって、伸びやかなハイトーンとスムーズにつながる。音の輪郭は明瞭に、ボディはたっぷりと力強く描く。音場の見晴らしも良い。ボーカルがやや煌びやかで派手めな印象も受けたが、聴き疲れすることなく楽しく聴けた。

外観は個性的だが、サウンドは奇をてらわずに原音再生を追求したステルスソニックスらしさがキラリと光るエントリーモデルだ。

ステルスソニックスがこだわるのは「安心・安全」な音楽リスニング

3つのイヤホンともにケーブルの着脱交換による音の変化が楽しめる。スタンダードなピッチ幅0.75mmの2ピン端子として、さらにイヤホン側のプラグとタイトに密着するようケーブル側コネクターの片側に溝を設けている。他社製のリケーブルとの互換性も確保した。

この機構は、リケーブルの際にプラグを抜き差しするたびに端子にかかるダメージを軽減することにもつながっているという。汗や湿気がピンに及ぼすダメージも防げるそうだ。湿潤な熱帯性気候のシンガポールに生まれたブランドならではの気配りと言えそうだ。

ステルスソニックスでは今後に向けて、耳の小さなアジア人の体格に合わせてハウジングをよりコンパクトに設計したUシリーズのアップグレードモデルの開発にも着手しているという。「ドライバーの技術革新がめざましい勢いで進んでいるので、当社の設計技術を駆使すれば決して無謀な挑戦ではない」と語るラジェスパル氏のコメントは自信にあふれていた。

同社ではカスタムIEMも手がけているほか、現在はUシリーズのアップグレードモデルを開発中とのこと

ラジェスパル氏は「聴覚へのダメージは一度負ってしまうと治すことが難しいため、耳を保護しながら音楽を聴くことの大切さを、ぜひ多くの音楽ファンに意識してほしいと考えます。ステルスソニックスのイヤーモニターには豊富な聴覚支援技術のバックグラウンドがあるので、ポータブルオーディオリスニングを長く最適な環境で楽しむために最良の選択です」と述べていた。

個性派の新生ブランドが、これからどのような成長を遂げるのか楽しみだ。

協力:ナイコム

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