PRこれからのDACチップの進むべき道筋に大きな一石を投じる
AKM、さらなる音質改善に挑む。デジ/アナ分離のアイデアを継承、設計ノウハウを磨き上げたフラグシップDAC「AK4499EX」
評価ボードにて音質をチェック。ナチュラルかつ付帯感のないサウンド
東京・日比谷にある旭化成エレクトロニクス内の商品検討用試聴室にて、AK4191+AK4499EX評価ボードの音を聴くことができた。
AK4191+AK4499EXの組み合わせによるサウンドは、音が出る瞬間のエアー感、立ち上がりや立ち下がりのリアルさに驚かされた。AK4499も空間表現力の高さを実感したが、その比ではないナチュラルさと付帯感のない澄み切ったサウンドである。
オーケストラはハーモニーの緻密さや個々のパートの細やかなニュアンスや抑揚感も取りこぼしなくトレースしてくれる印象だ。管弦楽器の質感は自然な潤いがあり、ハーモニーは爽快で過剰なエンハンス感は一切感じられない。S/Nの高さはAK4191+AK4498の試聴でも感じられたセパレート方式ならではのメリットであり、余韻の階調性の高さ、静寂感のある音場のリアリティを正確に描き切る。それとは対照的にローエンドの太く逞しい音伸びの豊かさ、躍動感あるリズミカルな表現も兼ね備えており、音源の持つ情報量を欠損なく引き出してくれるような感触を持った。
ボーカル表現においても音離れ良くスッキリとした描写であり、ボディの質感も丁寧に描き、しなやかで強調感がない。空間表現にも長けており、リヴァーブ表現の微細なグラデーションも誇張なく追随してくれる。リズム隊のふっくらとした密度感と、アタックの自然なキレ、雑味がなく滲まない余韻表現の生々しさなど、これまで聴いてきた汎用DACチップでは体験したことのない世界観であった。
録音に立ち会った192kHz/32bit音源も聴いてみたが、楽器のアタックやリリースの正確さ、ボーカルの自然な定位と歌い出しのふわりとした空気の揺らぎも正確に表現してくれ、色付け感がなく息継ぎで感じられる口元の瑞々しさも細やかに描き出す。ピアノのアタックの素早さや重みを感じるボディの唸り、ハーモニクスの響きのクリアさも申し分なく、スタジオでプレイバックを聴いているかのようなリアルさであった。
AKMブランド、今後の展望。より音源の本質に迫る音を引き出すために
最後に、今回のソリューションは改めてセパレートDAC構成を世に問うとともに、AK4499の進化版であるAK4499EXの優位性、新たなフラグシップDACチップとしての存在意義を示す形となるが、その開発に込めた思いとこれからの展望についてもお三方に伺ってみた。
「セパレートDAC構成のソリューションが正式に供給されるのは今回が初めてとなりますので、改めて市場の反応を見ていきたいですね。セパレートDACのラインナップはもちろんですが、例えばAK4497は非常に人気のあったDACチップでしたので、その復活の是非も検討する必要があるかもしれません。今回のAK4191+AK4499EXの音を聴く中で、再生する音源の録音状態の善し悪しもストレートに表現してくれる印象を持ちました。この音の感触を得て、ある音楽家の方が話していたことを思い出したんです。それは“かつてのシステムだと、どう録音されるかを意識した演奏を行う必要があった。しかしデジタルの進化によって今は録音することでボトルネックになるようなことはなく、自分たちが望む演奏をそのまま残せるようになった”ということでした。まさに今回のソリューションはアーティストが理想とする演奏を引き出せるDACとなっていると感じます」(佐藤氏)
「AK4191とAK4499EXを組み合わせた構成はかなりオーバースペックですが、長い目で見れば、周囲のDACチップもより上を目指していくでしょうし、DACの周辺に置かれることになる電子部品もどんどん高性能になっていきます。ですから現状に満足せず、より高いスペックを持つDAC作りに邁進していきたいですね」(中鉢氏)
「AK4499EXの前に送り出したAK4490RやAK4493Sを作った段階で、これまでよく言われていた、いわゆる“電圧出力型の音”や“電流出力型の音”という固定概念に留まらない、より音源の本質に迫る音を引き出せるようになったと感じました。エネルギー感のある豊かなサウンドが、新しいプロダクトで体感できると確信しています。AK4499EXも含めたこの3製品は外から手を加えた部分に素直に反応を示してくれる純粋さも魅力です。初めての試聴では素直すぎてびっくりしたほどです(笑)。外部の部品構成に対してのレスポンスも良く、手をかけたなりにそのまま結果が出てくるという印象ですね。
セパレート構成とすることで、デジタルノイズに埋もれていた情報を鮮明に表現できるようになったと実感しています。2個使いというDAC構成に対しては市場のリアクションも気になるところでしたが、まずは音を聴いていただきたいですね。次はまだどんなものを手掛けるのか分かりませんが、これからも引き続きDACチップ開発を行っていきます」(中元氏)
AK4191+AK4499EXのサウンドを実際に体感すると、これまでの汎用DACチップのサウンドとは一線を画す、より生に近い高純度な音体験に衝撃を受けることだろう。電圧出力、電流出力という枠組みも超えた新世代のDACサウンドがAKMの新フラグシップ・セパレート方式では味わえる。ある種R-2Rラダー方式にも近しい高密度なサウンドだが、AKMのセパレートDAC構成は圧倒的な低ノイズ・低歪みにより、清廉で滲みのない正確な音場表現も実現しており、空気感の佇まいからして異なる印象だ。
この異次元ともいえるフラグシップ・セパレートDACのサウンド性に対し、これからのDACチップの選択肢、その進むべき道筋にも大きな一石を投じる意義深いプロダクトであると確信する。AKMのDACチップが戻ってきたという喜びを数倍にも高めてくれる、フラグシップの名に恥じない素晴らしいDACチップソリューションといえるだろう。
(提供:旭化成エレクトロニクス)