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PR名作に多数関わるエンジニアによる音質モード搭載

“原音”を知る完全ワイヤレス「HA-FX150T」。歴戦のビクタースタジオエンジニア陣が語る「Professionalモード」

公開日 2022/12/01 06:30 聞き手:編集部 小野佳希
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中山 そうですね。低域の聴こえ方が変わると音楽全体の印象が変わってしまうこともあります。ミックス作業でも、ほんのちょっとした調整で曲全体がグンッとよくなることがあります。それがイヤホンで極端に変わってしまうのは正直残念に感じる部分もありますね。せっかくなら我々エンジニアがいいなと思った音を同じように聴いてもらいたいという想いは、みんな持っていると思いますよ。

そういう意味で、このHA-FX150Tは音が素直に出てくれるのがありがたいというか、この製品で音楽を聴いてもらえれば、曲の良さがちゃんと伝わるなと思っています。

対談のようす

歌声の印象が際立つモード「Professional 1」



編集部 それではいよいよ、皆さんが直接チューニングに携わった「Professional」モードについて、こだわりを教えていただければと思います。どのような点を意識した音作りなのか、どのような音楽に合うのかなどをご紹介いただけますでしょうか。

中山 では「Professional 1」を担当した私から。歌ものを聴くことも多いので、ボーカルものの音楽で、声質の気持ちよさみたいなものに耳が行くようなサウンドにしてみたらどうかと思い、そういう味付けにしてみました。

ただ、デフォルトの「FLAT」モードの元々の素性がよかったので、過度なEQ調整はしていません。ちょっとひと味付け足すことで印象を際立たせるというか、解像度を上げた印象です。

ボーカルって、艶っぽい声もザラついた声もいろいろあって、それぞれに魅力があるじゃないですか。ですので、それぞれのミュージシャンの声のよさがちゃんと印象に残るような調整を心がけました。ボーカルものだからボーカルを前に出すのではなく、声の印象がよく聴こえる、言葉がスッと入ってくるものを目指しました。

編集部 ボーカルものと言ってもいろいろジャンルがあると思いますが、どんなジャンルがお好みなんでしょうか?

中山 ふだんはポップスやロックに関わることが多いのですが、今回のチューニングではジャンルどうこうはあまり意識していないですね。

ボーカルの周波数帯域である800Hz〜1000Hzをブーストするみたいな感じではなく、倍音の帯域を調整しました。元を上げてしまうと全体のバランスも変わってしまいますから、そうではなく、空気感というか、倍音の上のほうのところで声の印象を変えるようなイメージです。

こうした製品って、いろんな音楽が再生されるわけじゃないですか。ですので、特定のジャンルに特化するのではなく、どんな音楽でも歌の印象が際立つようなものにしています。

ジャンルを問わず歌声の印象を際立たせると説明

編集部 声質の異なるボーカリストたちの曲を並べたプレイリストを作ってHA-FX150Tで再生するのも面白そうです。

中山 そういうときに「あ、ちょっと声の感じがよく聴こえるな」みたいになってくれたら嬉しいですね。

まるでリマスター!?「Professional 2」



編集部 「Professional 2」を担当されたのは…

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