PR名作に多数関わるエンジニアによる音質モード搭載
“原音”を知る完全ワイヤレス「HA-FX150T」。歴戦のビクタースタジオエンジニア陣が語る「Professionalモード」
山田 Tears for Fears「Woman in Chains」です。エンジニアでのリファレンスでも聴きまくっているので、もう本人たちより聴いているかも? 冗談ですが(笑)。それを基準曲にしながら、「もし自分が手を入れさせてもらうのだったらこうするかな」というのを盛り込んでみました。それで同時代の他の曲を聴いてみても、大丈夫だなと。
それに、当時の録音機材のスペックなども情報がありますから、「じゃあ(周波数帯域の)このあたりが落ちてるだろうな」というのも想像できます。そういったものも組み合わせながら調整したのが「Professional 3」です。
編集部 ということは、皆さんそれぞれの音は知らずに同時並行でチューニングを進めていたんですか? 途中で相談などもしなかった?
山田 正直怖かったですけどね。同じような音になっちゃうかもしれないけど、でも、こちらから「こうしてくれ」ってお願いするのも変な話じゃないですか。ふたりにはやりたいようにやってもらうほうが絶対いいですし。まぁ付き合いも長いので、僕はちょっと味付け濃いめにすれば、ふたりとは違うものになるだろうなと予想していました。
中山 あとで聴いて「おぉ、そう来たか」って感じでしたね。結果としてちゃんと3人の音が違っていたので凄いなと(笑)。
プライベートではウッドコーンも愛用
編集部 お仕事ではモニターヘッドホンやモニタースピーカーをお使いかと思いますが、プライベートで音楽を聴くときにはどんな製品を使っていますか?
谷田 僕はウッドコーンコンポを使ってますね。もうかなり昔のモデルで、「EX-A1」という、初期の製品です。とても信頼できるコンポですね。
山田 僕もウッドコーンを使ってますね。僕のも結構昔のモデルになりますが、「EX-AR3」を2台持ちしてます。部屋のテレビ側とPC側にそれぞれセットして、シーンによって使い分けています。外出するときは前回の「Tuned by VICTOR STUDIO」モデルである「HA-FX100T」で音楽を聴きますね。
中山 僕はイヤホンだとビクターの “WOOD”「HA-FW02」「HA-FW03」を使っています。使い込みすぎて何台も買い直してますよ。「HA-FW02」はBluetoothレシーバーにつないでワイヤレスでふだん聴き用で、「HA-FW03」はミックス作業で使っています。
編集部 ウッドコーンコンポはビクタースタジオにも置かれていますね。
山田 前までは、民生機での再生チェックはソニーさんの「PRESH」というラジカセが定番だったのですが、我々のような用途にも使える民生機が少なくなってしまっていたんです。そこの選択肢に残ったのがウッドコーンでした。
谷田 他のスタジオにもウッドコーンが置かれてるの結構見ますよ。
山田 業界の定番みたいになっていますね。
好きな曲がもっと『めっちゃいいじゃん』となるイヤホン、HA-FX150T
編集部 HA-FX150Tのキャッチコピーは「約束された、いい音。音楽をもっと楽しめる」とあります。リスナーが音楽をもっと楽しむために、メッセージをお願いします。
中山 いい音で聴くと感じ方も変わりますからね。HA-FX150Tで聴くと、好きな曲がもっと「めっちゃいいじゃん」となると思いますよ。ふだんあまりイヤホンにこだわっていない人がこういう環境で聴いてみたら、世界が変わるんじゃないかな。たまにはいい寿司屋に行ってみるじゃないですけど、音楽もそういう体験が大事なんじゃないかなと思いますね。
山田 スタジオエンジニアは原音という “答え” を知っている人間であるわけで、そういう人が最終的なアウトプットまで監修している製品だというのはポイントですよね。
それがProfessionalモードでより具現化されたというか。以前は3人で意見をすり合わせてからというやり方でしたが、今回は、より作り込んだ状態の数値をイヤホン開発陣にわたすことができました。
その数値は、音楽というソフトのすべてを網羅した人間がつくったものです。「ここを変えたらこうなる」というのを本能的にわかっている人間がつくった数値なので、より音楽的に聴ける製品になっていると思います。
編集部 ハード(AV機器)だけでなくソフト(音楽)も持っているビクターのグループとしての強みですね。本日はありがとうございました!
(提供:JVCケンウッド)