デノン、プリメイン「PMA-S10III」の音質を高めたリミテッドモデルを発売
徹底的な高音質化対策が施されたリミテッドモデル |
本機は、高品位ピュアオーディオ機器として多くのオーディオファンから高い評価を得ているS10IIIシリーズの音質をさらにブラッシュアップしたリミテッド・モデル。
本機には、DENONの最高級モノラルアンプPOA-S1にも用いられている大電流型増幅素子UHC-MOSを採用。これによりUHCシングルプッシュプル回路をさらにパワーアップし、200W+200W(負荷4Ω)のハイパワーを実現した。
パワートランスには大型磁気回路を持つトロイダル・トランスを採用し、振動の影響もアルミ砂型鋳物ケースを使用したS.B.(Stable Based)方式の固定法により改善。新開発の大型高音質ブロックコンデンサーもアルミ砂型鋳物製のスタビライザーにより固定し、振動による影響を極限まで排除した。また、低インピーダンス電極箔を使用した大容量高音質電解コンデンサーと周波数特性の異なる高音質コンデンサーの組み合わせにより、よりパワフルでレスポンスのよい特性を得るばかりでなく、再生周波数の全体域でつねに安定した電流供給を実現していることにも要注目だ。さらに、パワートランス出力からパワーアンプ出力段までの配線は、極太のOFC配線材を使用し、エネルギーロスを最小限に抑えた。
回路間の相互干渉やノイズの流入による音質劣化を抑え、優れたステレオイメージを得るため、パワーアンプブロックをL/Rで独立させたツイン・モノラル構成を採用。さらに、信号レベルの異なる回路を分離し、遮蔽を徹底した6ブロック構造を採用した。また、振動によるノイズの発生を抑えるため、シャーシには黒色塗装を施した厚さ1.6mmの鋼板を使用。高い剛性を確保するとともに、シャーシ内の温度の均一化を実現している。さまざまなパーツを取り付けるネジ1本1本に至るまで厳選して採用するなど、内外の様々な振動の影響を徹底的に排除した仕様となっている。
本機はまた、ボリューム回路、トーン回路、パワーアンプ回路の各々を見直し、実使用時の周波数特性の上限を100kHzに改善。さらに、ボリューム回路を改善することにより、実使用時にアンプ内で発生するノイズを抑え、高度な分解能を獲得。SACDやDVDオーディオなど次世代メディアにも充分な対応能力を備える。
そのほか、音の純度を守るPRECISION SIGNAL GROUND回路や、バイワイヤリング対応・大型金メッキ・スピーカーターミナル
、高性能フォノイコライザーなどの搭載、さらには高音質(40型)4連ボリュームをはじめ、大型削り出し金メッキピンジャック、OFC内部配線材、不活性ガス封入型リレー、高音質コンデンサー、着脱タイプの極太電源コード、シルミックII電解コンデンサーなど、PMA-S10IIIで採用された高音質パーツの全面的な見直しを行い、新たに開発した高音質パーツを厳選して使用した。
ここに紹介しなかった部位にも様々な工夫が施され、リミテッド・モデルの名に恥じない完成度を誇る。要注目モデルの誕生を喜びたい。(Phile-web編集部)
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