年末年始特別レポート

世界のブランドが一同に集結 − 「広州AVフェア2009」レポート

公開日 2010/01/04 10:43 季刊・オーディオアクセサリー編集部 伊佐山
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
2009年も11月27日から29日の3日間、中国・広州では「広州AVフェア2009」が開催され、取材に訪れる機会に恵まれた。ここ4年連続で同地を訪れているが、今年は微妙な変化が見られた。欧米系がメーカー自体の製品は出展していても、本国からの関係者の姿が少なかった点が挙げられる。一方で俄然元気なのが、中国メーカーと同ショウに訪れる来場者の熱気。100元(日本円で1,000円から1,500円相当)の入場料を取るにもかからわらず、各ブースとも超満員の盛況ぶりであった。


会場はホワイトスワンホテル。広州市郊外、洋館が並ぶ沙面地区のシンボルとも言える建物で、夜になるとクリスマスのイルミネーションが広がる

会場入口の様子。朝9時半の開始時間前からすでに行列がはじまっていた
中国のオーディオファンも日本と同様にPC音源やiPodを介しての高音質再生、高品位なヘッドホン等に大きな関心を寄せていた。しかし一方ではアナログプレーヤーやフォノイコライザー等を開発する国内(中国)メーカーも増えてきており、今年はついにオープンリールデッキの新製品を展示するメーカーまでも出てきた。

このように、再生機器に関しては新旧雑多な状況がさらに促進しており、中国のオーディオファンも、これらの中から好きなソース源を選んで、音楽を楽しんでいる状況が見られた。アンプ等の駆動系に関しては依然として真空管の人気が高い。同国では以前から質のいいパーツを豊富に手に入れることができる状況はあったが、これに加工技術も高まっているのだろう。美しいアルミ筐体を備えたデザインにもこだわった製品も数多く登場してきている。またコンパクト化の流れも進んでおり、スピーカーとセットでのハイコンポ的な売り出し方を始めるラインアップも充実してきた。いかに広大な中国の土地柄とはいえ、広州のような大都市部に住む人々の多くはマンション住まい。オーディオを置くスペースが限られているのは日本の事情と似ているようだ。

スピーカーに関しては古典派が主流か。欧米の老舗ブランドの復刻ユニットを使ったコンパクトなモニタースピーカーや巨大ホーンを採用したシステムに多くの注目が集まっていた。

一方、欧米に海外ブランドに関しては、日本では見ることのできないブランドや製品が非常に多く見られ、その傾向は年々高まっていっているようだ。これらのブランドが中国市場をターゲットとしているのは間違いなく、今後の需要にも期待が高まってくるだろう。

以下は写真にてショウで見かけた興味深い製品を紹介していこう。ぜひともお楽しみいただきたい。

中国ブランドとは一線を画するワールドワイドな人気を誇るオーディオスペースのブース。写真は同社の主宰者である劉 振華氏

オーディオスペースは真空管式CDプレーヤーとDAコンバーターが新登場


オーディオスペースのモノラルパワーアンプ「リファレンス5」も新登場。KT88あるいは300Bを使ったパラレルプッシュ仕様で150Wのハイパワーを実現

Sheng DaブランドのクラスAモノラルパワーアンプとプリアンプ


上海のオーディオブランドJOLIDAの真空管式ヘッドホンアンプ。豊富な入力系を備え、USB入力端子も装備

日本でも輸入を開始している四川省の老舗ブランド、XINDAK(シンダク)からは、何と新製品の2トラック式のオープンリールデッキが登場。2機種が展示されていた


オープンリールデッキのヘッドの部分。新開発したのだろうか?詳細は定かではない

XINDAK(シンダク)ではスピーカーとセットになった小型システムも発売された


北京に拠点を置くG&W社の管球式プリアンプ。洗練されたデザインが魅力である

G&W社の小型ヘッドホンアンプ


レトロ調のCDトランスポートが見られる

世界最太?の電源ケーブルが登場


ピュアオーディオという名のブランドのスピーカー群。フォステクスのユニットを使っている

米国Mod Wright社のプリアンプとパワーアンプ。日本ではお目にかかれない製品である

次ページ

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック