USBメモリーやディスクもハイレゾ対応
デノン、11.2MHz DSD対応のUSB-DAC搭載SACDプレーヤー「DCD-SX11」。価格は36万円
■「PC PURE DIRECT」でPCノイズを徹底的に遮断
このようにDCD-SX11は、旗艦機DCD-SX1と比べても大幅にデジタルファイル再生を強化してきた。これに伴いデジタル基板もブラッシュアップされた。さらに、DCD-SX1と全く同一のノイズ・アイソレーションシステムである「PC PURE DIRECT」も搭載した。
PC Pure Directは、USB-DAC再生の際にPCからデータと共に混入するノイズ成分を完全に排除するアイソレート機能。USB-B入力端子とデジタル信号処理回路は同一基板上に実装されているが、信号ラインは高速デジタルアイソレーターによって、グラウンドはリレーによって、PCとの電気的な結合を完全に遮断。ノイズを含まない音声信号のみがトランス結合タイプのアイソレーターを通して伝送される回路構成となっています。さらに、PC側電源からのノイズの回り込みを防止するためにUSB-DAC専用の電源回路を搭載する。ちなみに旗艦機DCD-SX1では、このデジタル回路全体をさらに銅メッキシールドケースに封入して高周波ノイズ対策を施している。
「デジタル基板を新規設計するにあたって特に気を配ったのは、デジタル信号を扱う上でいかにしてノイズの発生を抑制するかということでした。具体例としては、消費電力を抑えた新世代FPGAを用いてノイズを低減しています。また、デジタル基板は高周波クロックが飛び交うためにノイズの発生源にもなりますが、三端子コンデンサーをデバイスの直近に配置することで電源のループを最小化するこで、ノイズを抑制しています」(出口氏)。
■「AL32」は384kHz対応の「PLUS」にグレードアップ
DCD-SX11は、デノン独自のデータ補完アルゴリズムによるアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Prossessing」もこれまでのモデルからから強化。384kHz/32bit信号の入力に対応した最新バージョン「Advanced AL32 Processing Plus」を搭載した。
Advanced AL32 Processing Plusは、CDの再生時には16bitの音声信号を32bit精度へハイビット化、さらに44.1kHzのサンプリング周波数を16倍にオーバーサンプリングすることで、より滑らかな波形を再現。ハイレゾ信号にも対応しており192kHzの信号は4倍に、384kHzの信号は2倍にオーバーサンプリングする。データの補間は、独自のアルゴリズムによって補間ポイントの前後に存在する多数の点からあるべき点を推測し、より原音に近い理想的な点を補間する。デジタル録音時に失われたデータを精巧に復元することで、歪みのない繊細な描写、正確な音の定位、豊かな低域、原音に忠実な再生を実現するとしている。
「“AL32”がDCD-SX11では“PLUS”に進化しました。これはPCM 384kHzに対応したという意味ですが、それほどデータ量が多い音源においてデータ補完の必要あるのか? と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう」。
「改めて説明しておきたいのが、今回の“PLUS”も含む『AL32』は、単なるアップサンプリング、ビット拡張ではなく、デジタルフィルターとしての側面をもっているということです。そこにデノンの音作りの原点があります」。
「例えばインパルス信号をいれたときの応答波形で比較してみると、DAC内蔵のFIRフィルターを通したときの波形はリンギングが多く現れてしまいますが、『AL32』を通った波形は非常にリンギングが少ないです。ようは、『AL32』によるデジタルフィルターを通すことで、余計なリンギングによる付帯音を付けることなく、本来あるべき音だけを後段に伝えることができるということなのです。これにより静寂からの音の立ち上がり、高い瞬発力が可能になります。この意味で、Advanced AL32 Processing Plusは384kHzに対しても有効に働くと言えるのです」(出口)。
このようにDCD-SX11は、旗艦機DCD-SX1と比べても大幅にデジタルファイル再生を強化してきた。これに伴いデジタル基板もブラッシュアップされた。さらに、DCD-SX1と全く同一のノイズ・アイソレーションシステムである「PC PURE DIRECT」も搭載した。
PC Pure Directは、USB-DAC再生の際にPCからデータと共に混入するノイズ成分を完全に排除するアイソレート機能。USB-B入力端子とデジタル信号処理回路は同一基板上に実装されているが、信号ラインは高速デジタルアイソレーターによって、グラウンドはリレーによって、PCとの電気的な結合を完全に遮断。ノイズを含まない音声信号のみがトランス結合タイプのアイソレーターを通して伝送される回路構成となっています。さらに、PC側電源からのノイズの回り込みを防止するためにUSB-DAC専用の電源回路を搭載する。ちなみに旗艦機DCD-SX1では、このデジタル回路全体をさらに銅メッキシールドケースに封入して高周波ノイズ対策を施している。
「デジタル基板を新規設計するにあたって特に気を配ったのは、デジタル信号を扱う上でいかにしてノイズの発生を抑制するかということでした。具体例としては、消費電力を抑えた新世代FPGAを用いてノイズを低減しています。また、デジタル基板は高周波クロックが飛び交うためにノイズの発生源にもなりますが、三端子コンデンサーをデバイスの直近に配置することで電源のループを最小化するこで、ノイズを抑制しています」(出口氏)。
■「AL32」は384kHz対応の「PLUS」にグレードアップ
DCD-SX11は、デノン独自のデータ補完アルゴリズムによるアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Prossessing」もこれまでのモデルからから強化。384kHz/32bit信号の入力に対応した最新バージョン「Advanced AL32 Processing Plus」を搭載した。
Advanced AL32 Processing Plusは、CDの再生時には16bitの音声信号を32bit精度へハイビット化、さらに44.1kHzのサンプリング周波数を16倍にオーバーサンプリングすることで、より滑らかな波形を再現。ハイレゾ信号にも対応しており192kHzの信号は4倍に、384kHzの信号は2倍にオーバーサンプリングする。データの補間は、独自のアルゴリズムによって補間ポイントの前後に存在する多数の点からあるべき点を推測し、より原音に近い理想的な点を補間する。デジタル録音時に失われたデータを精巧に復元することで、歪みのない繊細な描写、正確な音の定位、豊かな低域、原音に忠実な再生を実現するとしている。
「“AL32”がDCD-SX11では“PLUS”に進化しました。これはPCM 384kHzに対応したという意味ですが、それほどデータ量が多い音源においてデータ補完の必要あるのか? と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう」。
「改めて説明しておきたいのが、今回の“PLUS”も含む『AL32』は、単なるアップサンプリング、ビット拡張ではなく、デジタルフィルターとしての側面をもっているということです。そこにデノンの音作りの原点があります」。
「例えばインパルス信号をいれたときの応答波形で比較してみると、DAC内蔵のFIRフィルターを通したときの波形はリンギングが多く現れてしまいますが、『AL32』を通った波形は非常にリンギングが少ないです。ようは、『AL32』によるデジタルフィルターを通すことで、余計なリンギングによる付帯音を付けることなく、本来あるべき音だけを後段に伝えることができるということなのです。これにより静寂からの音の立ち上がり、高い瞬発力が可能になります。この意味で、Advanced AL32 Processing Plusは384kHzに対しても有効に働くと言えるのです」(出口)。
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