5.6MHz DSDの再生に対応
デノン、ネットワークレシーバー「DRA-100」− DDFA搭載で駆動力強化
デノンはデジタルアンプ「DDFA」を搭載したネットワークレシーバー「DRA-100」を10月中旬より発売する。価格は110,000円(税抜)。
デノンは今年1月、DDFAを搭載したUSB-DAC内蔵プリメインアンプ「PMA-50」を発売(関連ニュース)して大きな評価を得たが、同じくDDFAを搭載しながら出力をはじめアンプ能力をさらに強化。またPMA-50がUSB入力を搭載したのに対して、本機はPCM 192kHz/24bitやDSD 5.6MHzのネットワーク再生に対応した。また筐体は電源部の強化などに伴い、PMA-50より一回り大きくなった。
Wi-Fi、Bluetoothも内蔵。ネットワーク再生に加え、USB-A端子からのハイレゾ再生にも対応する。デジタル入力は光2系統、同軸1系統、アナログ入力はRCA2系統を備える。ヘッドホン出力端子も備えている。定格出力は70W+70W(4Ω)、35W+35W(8Ω)。
製品発表会の冒頭では、ディーアンドエムホールディングス取締役の中川圭史氏が挨拶。デノンは2014年からハイレゾやヘッドホンなどの新たなカテゴリーを開拓するラインナップとしてDesign Seriesを展開してきたが、ここにネットワーク再生に対応したDRA-100を加わえることで、新しい音楽体験スタイルと進化するクオリティの提供にさらに力を入れていく、とコメントした。以下に本製品の詳細を紹介していく。
■ゲートドライバー追加や電源強化でDDFAの潜在能力をさらに引き出す
製品発表会では、ディーアンドエムホールディングスの宮原氏が本製品の詳細を紹介。宮原氏は「PMA-50はデジタルアンプの可能性を切り開いたモデルとしてお客様の心を捉えることができましたが、一方で、DDFAを搭載したもっと高級な製品が欲しいというお声もいただきました。DRA-100はそうした要望に応えるべく開発されたモデルですが、PMA-50より“2ステップ”は音が良くなったと自負しています」とコメントした。
アンプ部にはPMA-50に引き続き、デジタルアンプデバイス「DDFA」を採用。DDFAは、高速かつ精度の高いデジタル・フィードバックループを用いることで音質を向上させたことが特徴。またDDFAはデジタル信号を直接入力できるため、デジタルソースについては入力から最終段のPWM変調まで一貫してデジタルで処理ができ、A/D変換とD/A変換を繰り返すことによる音質劣化が生じないという長所を持つ。
宮原氏は「DDFAはカラーレーションも少なく、特性も非常に良いデバイスです。全高調波歪み率も0.004%まで抑えています。DRA-100には、ハイクラスモデルに匹敵するフルデジタルのアンプソリューションが搭載されているのです」と本機の性能に自信を見せていた。
DRA-100では、このDDFAのポテンシャルをさらに引き出してアンプ性能を向上させるために3つの施策を実行したとのこと。
その1つめが、出力段のパワーMOS-FETの前段にゲートドライバーを追加したことで、これにより瞬時電流供給能力が向上。スピーカー駆動力をアップさせた。
2つめが出力段FETの改善だ。これにより出力は、PMA-50の50W+50W(4Ω)に対して40%アップした、70W+70W(4Ω)を実現した。
3つめがパワーサプライの新開発。DRA-100では筐体を一回り大きくしたことで回路構成の自由度も大きくなり、より強力な電源部を開発・搭載することが可能となった。結果、電源供給能力は、PMA-50の5,400μFに対して、DRA-100では9,400μFとなった。
またデノンの理想とする「繊細さと力強さを両立したサウンド」を実現するために、出力段と電源回路にはディスクリート回路を用いて徹底したサウンドチューニングを行ったとのこと。結果、従来のデジタルアンプと比較して高S/N、低歪みなど優れた静特性とともに高い忠実度と音楽性豊かな表現力を実現したという。なおスピーカーインピーダンスは4〜16Ωに対応する。
■同社ハイエンドHi-Fi譲りのマスタークロックデザインを採用
デジタル回路を正確に同期させることでその性能を最大限発揮させる独自技術「マスター・クロック・デザイン」を採用。上位Hi-Fiディスクプレーヤーでは「DACマスター・クロック・デザイン」としてマスタークロックの直近にDACを配置してジッターの抑制を行っているが、DRA-100はDDFAに直接デジタル信号を入力する構成となっているため、クロックモジュールをDDFAのデジタルモジュレーターの直近に配置。デジタルモジュレーターをマスターとしてクロック供給を行うことで、周辺のデジタル回路を正確に同期させ、ジッターの発生を抑えた正確な再生が行えるという。
ビット拡張&データ補完によるデノン独自のアナログ波形再現技術「ALPHA Processing」も当然採用。DRA-100は、32bitまでのハイビット化処理に対応した「Advanced AL32 Processing」を搭載する。16bitの音楽信号を32bitに拡張するハイビット化処理に加え、アップサンプリングにより時間軸方向の情報量も拡大して、最終的に35bitで処理。単純な補間処理を行うのではなく、音楽信号から本来あるべきデータを推測して本来のアナログ信号の滑らかな波形を再現することで、微小な音の再生能力を高めている。
DRA-100はヘッドホン出力も搭載する。スピーカー出力用のパワーアンプとは別に、ヘッドホン出力専用アンプを用意。電圧増幅段にはハイスピード、ローノイズな新規オペアンプを用い、フルディスクリート回路の出力バッファーも見直しを行ったことで、ハイスピードかつパワフルなサウンドを実現したという。3段階のゲイン切替機能を備え、インピーダンスの高いヘッドホンの駆動にも対応できる。
筐体はDesign Seriesとしてのデザインを踏襲。PMA-50と同様に、アルミとアクリルという異種素材の組み合わせを特徴としている。一方で本体上下のパネルには、PMA-50の3mmよりもさらに厚い5mmのアルミニウムを使用して剛性を向上。表面仕上げはサンドブラスト加工としている。筐体のサイズは、PMA-50が横幅20センチだったのに対して、DRA-100は横幅が28センチと一回り大きくなった。
■5.6MHz DSDや192kHz/24bit PCMのネットワーク再生が可能
DLNA1.5準拠のネットワークオーディオプレーヤー機能を搭載。主な再生対応フォーマットは、5.6MHz/2.8MHzのDSD(dsf/dff)、192kHz/24bitまでのWAV・FLAC・AIFF、96kHz/24bitまでのALAC、320kbpsまでのAAC、MP3、192lbpsまでのWMA。DSD、WAV、AIFF、FLAC、ALACはギャップレス再生も可能だ。
また上記と同様のフォーマットをUSBメモリーなどに保存して、USB-A端子から再生することが可能。USB-A端子はiPhone/iPodとのデジタル接続および充電にも対応している。AirPlay、インターネットラジオの再生も可能だ。
デノンのHi-Fiコンポーネント専用の操作アプリ「Denon Hi-Fi Remote」からの操作にも対応。スマートフォンやタブレットから、基本操作はもちろん、NAS内の音楽ファイルのブラウズや選曲が可能だ。しかも本アプリは選んだ楽曲を任意の順番で思いのままに再生できるキュー再生機能にも対応する。
DRA-100はWi-Fiを内蔵しており、ワイヤレスでネットワーク再生やAirPlay再生、Denon Hi-Fi Remoteからの操作などが可能。Wi-FiはIEEE 802.11b/gに加えて11nにも対応。Wi-FiシェアリングやWPSによる簡単接続も可能となっている。
Bluetoothによるワイヤレス再生にも対応。Bluetooth 2.1+EDRに準拠し、SBCに加えてより高音質な伝送ができるAACコーデックにも対応している。またNFCによるワンタッチペアリングも可能だ。
アナログ音声出力を1系統備え、音量の固定/可変が切替可能となっている。サブウーファー出力も備える。
消費電力は60W(待機時0.3W)。外形寸法は280W×104H×337Dmm(アンテナを寝かせた場合)、質量は4.8kg。
■試聴デモではB&W「801D」を悠々とならすドライブ力を垣間見せた
発表会ではデノンの試聴室にてDRA-100を実際に試聴することができた。用意されたスピーカーはB&W「801D」と、普通の感覚であれば10万円超のDRA-100と組み合わせるのにはミスマッチといえるモデル。しかし、そのサウンドを聴くと駆動力の不足を感じさせることがなく、むしろ低域のキレやスピード感には関心させられた。試聴はごく短時間だったが、同じDDFAを用いながらPMA-50を大きく超えるという駆動力の片鱗を感じるには十分だった。
発表会では、DRA-100のコンセプトについても紹介。宮原氏によれば、今年1月に発売されたPMA-50が未だに市場で大きな評価を得ているとのこと。そのPMA-50がいわゆるニアフィールドリスニングやデスクトップオーディオ向けの製品であったに対して、これに続くDRA-100はリビングなどでの用途も想定。優れた駆動力と共に、ネットワーク再生からBluetoothにまで対応させることで使い勝手も追求したという。
デノンは今年1月、DDFAを搭載したUSB-DAC内蔵プリメインアンプ「PMA-50」を発売(関連ニュース)して大きな評価を得たが、同じくDDFAを搭載しながら出力をはじめアンプ能力をさらに強化。またPMA-50がUSB入力を搭載したのに対して、本機はPCM 192kHz/24bitやDSD 5.6MHzのネットワーク再生に対応した。また筐体は電源部の強化などに伴い、PMA-50より一回り大きくなった。
Wi-Fi、Bluetoothも内蔵。ネットワーク再生に加え、USB-A端子からのハイレゾ再生にも対応する。デジタル入力は光2系統、同軸1系統、アナログ入力はRCA2系統を備える。ヘッドホン出力端子も備えている。定格出力は70W+70W(4Ω)、35W+35W(8Ω)。
製品発表会の冒頭では、ディーアンドエムホールディングス取締役の中川圭史氏が挨拶。デノンは2014年からハイレゾやヘッドホンなどの新たなカテゴリーを開拓するラインナップとしてDesign Seriesを展開してきたが、ここにネットワーク再生に対応したDRA-100を加わえることで、新しい音楽体験スタイルと進化するクオリティの提供にさらに力を入れていく、とコメントした。以下に本製品の詳細を紹介していく。
■ゲートドライバー追加や電源強化でDDFAの潜在能力をさらに引き出す
製品発表会では、ディーアンドエムホールディングスの宮原氏が本製品の詳細を紹介。宮原氏は「PMA-50はデジタルアンプの可能性を切り開いたモデルとしてお客様の心を捉えることができましたが、一方で、DDFAを搭載したもっと高級な製品が欲しいというお声もいただきました。DRA-100はそうした要望に応えるべく開発されたモデルですが、PMA-50より“2ステップ”は音が良くなったと自負しています」とコメントした。
アンプ部にはPMA-50に引き続き、デジタルアンプデバイス「DDFA」を採用。DDFAは、高速かつ精度の高いデジタル・フィードバックループを用いることで音質を向上させたことが特徴。またDDFAはデジタル信号を直接入力できるため、デジタルソースについては入力から最終段のPWM変調まで一貫してデジタルで処理ができ、A/D変換とD/A変換を繰り返すことによる音質劣化が生じないという長所を持つ。
宮原氏は「DDFAはカラーレーションも少なく、特性も非常に良いデバイスです。全高調波歪み率も0.004%まで抑えています。DRA-100には、ハイクラスモデルに匹敵するフルデジタルのアンプソリューションが搭載されているのです」と本機の性能に自信を見せていた。
DRA-100では、このDDFAのポテンシャルをさらに引き出してアンプ性能を向上させるために3つの施策を実行したとのこと。
その1つめが、出力段のパワーMOS-FETの前段にゲートドライバーを追加したことで、これにより瞬時電流供給能力が向上。スピーカー駆動力をアップさせた。
2つめが出力段FETの改善だ。これにより出力は、PMA-50の50W+50W(4Ω)に対して40%アップした、70W+70W(4Ω)を実現した。
3つめがパワーサプライの新開発。DRA-100では筐体を一回り大きくしたことで回路構成の自由度も大きくなり、より強力な電源部を開発・搭載することが可能となった。結果、電源供給能力は、PMA-50の5,400μFに対して、DRA-100では9,400μFとなった。
またデノンの理想とする「繊細さと力強さを両立したサウンド」を実現するために、出力段と電源回路にはディスクリート回路を用いて徹底したサウンドチューニングを行ったとのこと。結果、従来のデジタルアンプと比較して高S/N、低歪みなど優れた静特性とともに高い忠実度と音楽性豊かな表現力を実現したという。なおスピーカーインピーダンスは4〜16Ωに対応する。
■同社ハイエンドHi-Fi譲りのマスタークロックデザインを採用
デジタル回路を正確に同期させることでその性能を最大限発揮させる独自技術「マスター・クロック・デザイン」を採用。上位Hi-Fiディスクプレーヤーでは「DACマスター・クロック・デザイン」としてマスタークロックの直近にDACを配置してジッターの抑制を行っているが、DRA-100はDDFAに直接デジタル信号を入力する構成となっているため、クロックモジュールをDDFAのデジタルモジュレーターの直近に配置。デジタルモジュレーターをマスターとしてクロック供給を行うことで、周辺のデジタル回路を正確に同期させ、ジッターの発生を抑えた正確な再生が行えるという。
ビット拡張&データ補完によるデノン独自のアナログ波形再現技術「ALPHA Processing」も当然採用。DRA-100は、32bitまでのハイビット化処理に対応した「Advanced AL32 Processing」を搭載する。16bitの音楽信号を32bitに拡張するハイビット化処理に加え、アップサンプリングにより時間軸方向の情報量も拡大して、最終的に35bitで処理。単純な補間処理を行うのではなく、音楽信号から本来あるべきデータを推測して本来のアナログ信号の滑らかな波形を再現することで、微小な音の再生能力を高めている。
DRA-100はヘッドホン出力も搭載する。スピーカー出力用のパワーアンプとは別に、ヘッドホン出力専用アンプを用意。電圧増幅段にはハイスピード、ローノイズな新規オペアンプを用い、フルディスクリート回路の出力バッファーも見直しを行ったことで、ハイスピードかつパワフルなサウンドを実現したという。3段階のゲイン切替機能を備え、インピーダンスの高いヘッドホンの駆動にも対応できる。
筐体はDesign Seriesとしてのデザインを踏襲。PMA-50と同様に、アルミとアクリルという異種素材の組み合わせを特徴としている。一方で本体上下のパネルには、PMA-50の3mmよりもさらに厚い5mmのアルミニウムを使用して剛性を向上。表面仕上げはサンドブラスト加工としている。筐体のサイズは、PMA-50が横幅20センチだったのに対して、DRA-100は横幅が28センチと一回り大きくなった。
■5.6MHz DSDや192kHz/24bit PCMのネットワーク再生が可能
DLNA1.5準拠のネットワークオーディオプレーヤー機能を搭載。主な再生対応フォーマットは、5.6MHz/2.8MHzのDSD(dsf/dff)、192kHz/24bitまでのWAV・FLAC・AIFF、96kHz/24bitまでのALAC、320kbpsまでのAAC、MP3、192lbpsまでのWMA。DSD、WAV、AIFF、FLAC、ALACはギャップレス再生も可能だ。
また上記と同様のフォーマットをUSBメモリーなどに保存して、USB-A端子から再生することが可能。USB-A端子はiPhone/iPodとのデジタル接続および充電にも対応している。AirPlay、インターネットラジオの再生も可能だ。
デノンのHi-Fiコンポーネント専用の操作アプリ「Denon Hi-Fi Remote」からの操作にも対応。スマートフォンやタブレットから、基本操作はもちろん、NAS内の音楽ファイルのブラウズや選曲が可能だ。しかも本アプリは選んだ楽曲を任意の順番で思いのままに再生できるキュー再生機能にも対応する。
DRA-100はWi-Fiを内蔵しており、ワイヤレスでネットワーク再生やAirPlay再生、Denon Hi-Fi Remoteからの操作などが可能。Wi-FiはIEEE 802.11b/gに加えて11nにも対応。Wi-FiシェアリングやWPSによる簡単接続も可能となっている。
Bluetoothによるワイヤレス再生にも対応。Bluetooth 2.1+EDRに準拠し、SBCに加えてより高音質な伝送ができるAACコーデックにも対応している。またNFCによるワンタッチペアリングも可能だ。
アナログ音声出力を1系統備え、音量の固定/可変が切替可能となっている。サブウーファー出力も備える。
消費電力は60W(待機時0.3W)。外形寸法は280W×104H×337Dmm(アンテナを寝かせた場合)、質量は4.8kg。
■試聴デモではB&W「801D」を悠々とならすドライブ力を垣間見せた
発表会ではデノンの試聴室にてDRA-100を実際に試聴することができた。用意されたスピーカーはB&W「801D」と、普通の感覚であれば10万円超のDRA-100と組み合わせるのにはミスマッチといえるモデル。しかし、そのサウンドを聴くと駆動力の不足を感じさせることがなく、むしろ低域のキレやスピード感には関心させられた。試聴はごく短時間だったが、同じDDFAを用いながらPMA-50を大きく超えるという駆動力の片鱗を感じるには十分だった。
発表会では、DRA-100のコンセプトについても紹介。宮原氏によれば、今年1月に発売されたPMA-50が未だに市場で大きな評価を得ているとのこと。そのPMA-50がいわゆるニアフィールドリスニングやデスクトップオーディオ向けの製品であったに対して、これに続くDRA-100はリビングなどでの用途も想定。優れた駆動力と共に、ネットワーク再生からBluetoothにまで対応させることで使い勝手も追求したという。
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