ハイレゾ収録のデータディスク再生に対応

デノン、ディスク再生特化のSACDプレーヤー「DCD-2500NE」 - 上位機からドライブメカを継承

公開日 2016/01/15 10:00 編集部:小澤貴信
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■アナログオーディオ回路の設計にも注力。防振対策も徹底した

電源部には、2トランス構成のデジタル/アナログ独立電源トランスを搭載。またスチール製の1.6mm厚トランスベースの下にアルミプレートを組み合わせることで、剛性の強化も図っている。

2トランス構成のデジタル/アナログ独立電源トランスを搭載

アナログオーディオ回路専用電源においては、DCD-SX11において開発されたデノン・オリジナルの大容量ブロックコンデンサー(3300μF)を採用。基板インピーダンスを下げる高純度銅のバスバーも用いている。さらにDCD-SX1やDCD-SX11で採用実績のある、ポリフェニレンスルファイド・フィルムコンデンサーやカスタム電解コンデンサーも使い、クリーンかつ安定した電源供給を実現している。

デノン・オリジナルの大容量ブロックコンデンサーなど上位機で採用されたカスタムパーツを惜しみなく投入

アナログ専用電源基板(左)とアナログオーディオ基板(右)

なお、本機も上位機の設計思想を受け継ぎ、回路全体の「シンプル&ストレート化」を徹底。基板上のパターンを見直して信号経路を最短化した。その一例として出口氏が取り上げたアナログオーディオ回路は、完全なシンメトリー設計が為されているとのこと。「回路パターンの設計においても、力強さと繊細さを両立した再生を目指して、検討に検討を重ねました」と説明していた。

剛性と振動対策を徹底するデノンの独自思想「ダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクション」に基づいた設計も徹底。ドライブメカはシャーシ中央の低位置に配置して低重心化しつつ、ディスク回転による振動および外部振動にも強い構造を採用。自ら振動する電源トランスはフットの間近に配置し、振動を直接グラウンドに逃がしている。また1.2mm厚のメインシャーシに1.6mm厚スチールプレートを2枚追加した3層構造シャーシとすることで、剛性と質量を十分に確保し、外部からの振動エネルギーを遮断している。

シャーシやフットなど振動対策も徹底

フットは、出口氏がDCD-1650REを手がけた際に自身で開発したBMC製フットを採用する。これは高密度つ高剛性のBMC(Mulk Molding Compound)に、ガラス繊維を加えた素材で構成され、下部には高密度フェルトが施されている。「このフットは10種類もの試作を重ねて完成させたもので、その効果には自信がありました。しかしこれまで上位モデルでは使う機会がなかったのですが、今回はDNP-2500NE、PMA-2500NEとあわせて3機種で採用されることになりました」(出口氏)。

フットは、BMCにガラス繊維を加えた素材で構成

出口氏はこうして振動対策を徹底する理由にも言及。「ディスクが回転する際にどうしても振動は発生するのですが、この振動によってサーボ(補正回路)が働くときに余計な電流が流れるため、信号が劣化してしまいます。振動を極力抑えることで、より品質の高い信号ピックアップが可能になり、高品位なデジタル信号をAdvanced AL32 Processing Plusを司るFPGAへ供給できるのです」(出口氏)。

製品には、PMA-2500NEなどのデノン製アンプも操作可能なアルミトップリモコンが付属する。再生周波数特性はSACD:2Hz〜50kHz(-3dB)、CD:2Hz〜20kHz(±0.5dB)。S/NはSACD:120dB(可聴帯域)、CD:118dB。ダイナミックレンジはSACD:112dB(可聴帯域)、CD:101dB。高調波歪率はSACD:0.0006%(1kHz、可聴帯域)、CD:0.0015%(1kHz)。

消費電力は25W(待機時0.1W以下)。外形寸法は434W×138H×335Dmm、質量は13.7kg。

(編集部:小澤貴信)

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