PCMは全て1bit DSD変換して処理
マランツ、独自開発のディスクリートDACを搭載した旗艦SACDプレーヤー「SA-10」
■DACをディスクリート化したメリット
ディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering」の開発には、約3年が要された。高山氏は、大きな時間とコストをかけてオリジナルDACを開発した意義について、以下のように説明する。
「一般的なディスクプレーヤーは、“メカエンジン”“デジタルフィルター”“D/Aコンバーター”“アナログステージ”の主に4要素で構成されます。マランツはこれまでも、メカエンジン、デジタルフィルター、アナログステージを全てオリジナル設計してきました。今回、唯一汎用品を使ってたDACも独自開発とすることで、プレーヤーの入り口から出口まで、全てをマランツ・オリジナルにすることができたのです」(高山氏)。
もちろん汎用DACには「開発不要による低コスト・低リスク」と「実装基板が小型であるゆえの省スペース」というメリットがある。しかし、汎用DACはブラックボックスであり、マランツサウンドの追求には限界があったという。またICチップでは高音質パーツが使えないというデメリットもあった。
一方でオリジナルDACならば、独自アルゴリズムによってマランツサウンドが思う存分追求できる。なおかつディスクリート構成とすることで、高音質パーツを使うことができる。今後の10年を見据えたリファレンスとして開発されたSA-10では、こうしたメリットを踏まえ、開発期間やコストを度外視してオリジナルDACを実現させたという。
また、オリジナルDAC実現にはプログラムを書ける優秀な技術者が不可欠であり、マランツがそれを可能にする人材を擁していたことも、実現の原動力になったという。SA-10においては、同社のメンバーであるライナー・フィンク氏のアルゴリズム開発を担当した。
同氏は元オランダフィリップスのアプリケーションラボ出身で、DAC-7などに採用されたビットストリームDAC、CD-7のデジタルフィルターの開発に携わった人物。現在、マランツのEUリージョンの音質担当も務めている人物という。
■マランツオリジナルの最新世代メカエンジン「SACDM-3」
ディスクドライブには、マランツオリジナルの最新世代メカエンジン「SACDM-3」を搭載する。ピックアップ制御とデコードを行う回路が新開発され、回路を最短・最小化することで余分な電流やノイズの発生を抑えたという。
スチールシャーシとアルミダイキャストトレーを採用することで剛性も強化。ディスク回転によって発生する振動を効果的に抑制し、データの読み取り精度を向上させた。
メカを支えるベースブロックには、2mm厚のスチールメカブラケットと最大10mm厚のアルミ押し出し材を使用。このブロックに2重構造のボトムシャーシを強固に固定することで高い制振性を実現したとのこと。また。ディスク回転により発生する振動の周辺回路への影響を抑えるとともに、外部振動からの影響も受けにくい構造としている。
こうした配慮により読み取り精度を高め、サーボへの不可やエラー訂正処理も軽減されるという。なお、USB-Bなどデジタル入力が選択された際には、音質に配慮してメカエンジンへの電源供給を停止する。
ドライブの刷新により、データディスクの再生にも対応。DVD-R/-RW/+R/+RWやCD-R/-RWに記録した、WAV・AIFF・FLAC・ALAC・AAC・WMA・MP3・DSDファイルの再生に対応。最大5.6MHzのDSD、192kHz/24bitまでのPCMの再生が可能となっている(DSDについてはCD-R/RWでは再生できない)。
ディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering」の開発には、約3年が要された。高山氏は、大きな時間とコストをかけてオリジナルDACを開発した意義について、以下のように説明する。
「一般的なディスクプレーヤーは、“メカエンジン”“デジタルフィルター”“D/Aコンバーター”“アナログステージ”の主に4要素で構成されます。マランツはこれまでも、メカエンジン、デジタルフィルター、アナログステージを全てオリジナル設計してきました。今回、唯一汎用品を使ってたDACも独自開発とすることで、プレーヤーの入り口から出口まで、全てをマランツ・オリジナルにすることができたのです」(高山氏)。
もちろん汎用DACには「開発不要による低コスト・低リスク」と「実装基板が小型であるゆえの省スペース」というメリットがある。しかし、汎用DACはブラックボックスであり、マランツサウンドの追求には限界があったという。またICチップでは高音質パーツが使えないというデメリットもあった。
一方でオリジナルDACならば、独自アルゴリズムによってマランツサウンドが思う存分追求できる。なおかつディスクリート構成とすることで、高音質パーツを使うことができる。今後の10年を見据えたリファレンスとして開発されたSA-10では、こうしたメリットを踏まえ、開発期間やコストを度外視してオリジナルDACを実現させたという。
また、オリジナルDAC実現にはプログラムを書ける優秀な技術者が不可欠であり、マランツがそれを可能にする人材を擁していたことも、実現の原動力になったという。SA-10においては、同社のメンバーであるライナー・フィンク氏のアルゴリズム開発を担当した。
同氏は元オランダフィリップスのアプリケーションラボ出身で、DAC-7などに採用されたビットストリームDAC、CD-7のデジタルフィルターの開発に携わった人物。現在、マランツのEUリージョンの音質担当も務めている人物という。
■マランツオリジナルの最新世代メカエンジン「SACDM-3」
ディスクドライブには、マランツオリジナルの最新世代メカエンジン「SACDM-3」を搭載する。ピックアップ制御とデコードを行う回路が新開発され、回路を最短・最小化することで余分な電流やノイズの発生を抑えたという。
スチールシャーシとアルミダイキャストトレーを採用することで剛性も強化。ディスク回転によって発生する振動を効果的に抑制し、データの読み取り精度を向上させた。
メカを支えるベースブロックには、2mm厚のスチールメカブラケットと最大10mm厚のアルミ押し出し材を使用。このブロックに2重構造のボトムシャーシを強固に固定することで高い制振性を実現したとのこと。また。ディスク回転により発生する振動の周辺回路への影響を抑えるとともに、外部振動からの影響も受けにくい構造としている。
こうした配慮により読み取り精度を高め、サーボへの不可やエラー訂正処理も軽減されるという。なお、USB-Bなどデジタル入力が選択された際には、音質に配慮してメカエンジンへの電源供給を停止する。
ドライブの刷新により、データディスクの再生にも対応。DVD-R/-RW/+R/+RWやCD-R/-RWに記録した、WAV・AIFF・FLAC・ALAC・AAC・WMA・MP3・DSDファイルの再生に対応。最大5.6MHzのDSD、192kHz/24bitまでのPCMの再生が可能となっている(DSDについてはCD-R/RWでは再生できない)。
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