PCMは全て1bit DSD変換して処理
マランツ、独自開発のディスクリートDACを搭載した旗艦SACDプレーヤー「SA-10」
■前段でPCM信号を11.2MHz DSDに変換。後段のアナログFIRフィルターでD/A変換
尾形氏は、このディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering」の詳細について、汎用DACとの比較を交えながら説明を行った。
汎用DACチップは、「オーバーサンプリング」「ΔΣモジュレーター」「D/Aコンバーター」「I/Vコンバーター」と最大で4つ程度のステージに別れている(マランツの上位プレーヤーは、I/V変換はDAC後段のディスクリート回路で行う)。一方、SA-10のディスクリートDACでは、前段のMMM-StreamがオーバーサンプリングとΔΣモジュレーターを、後段のMMM-ConversionがD/Aコンバーターを含んでいる。
PCM信号の場合は、MMM-Streamにて11.2MHz/1bit DSDへ変換が行われ、このDSD信号を後段のMMM-ConversionにてD/A変換する。DSDの場合は、MMM-Streamの処理をパスして、MMM-ConversionでD/A変換される。よってSACDを含む2.8MHz DSD、5.6MHz/11.2MHz DSDは、それぞれオーバーサンプリングされずに処理されるという。
MMM-Streamは、アナログデバイセズ製のDSP「SHARC」を2基、日本アルテラ製のCPLD(Complex Programmable Logic Device)を2基、合計4基のデバイスを用いて処理を行う。その後段のMMM-Conversionは、出力抵抗やコンデンサーでアナログFIRフィルターを構成。出力抵抗にはVishay製のメルフ抵抗を採用するなど、音質パーツも厳選した。
■D/A変換直前にアイソレーション回路を配置。デジタルフィルターも刷新
前述のように、MMM-StreamとMMM-Conversionの間にはデジタル・アイソレーション回路が設置された(USB-Bのアイソレーターと合わせて、“コンプリートアイソレーションシステム・デュオ”と呼ぶ)。ディスクリートDACの内部でもデジタル/アナログ段を分離することで、ノイズ対策を徹底したという。
デジタル・アイソレーション回路は2006年発売のSACDプレーヤー「SA-7S1」で初採用された。SA-7S1は外部入力がないのでDACチップの直前にアイソレーション回路を設置して、アナログ段へノイズを流入させないという手法を取った。その後、NA-11S1などUSB-DAC機能を備えたプレーヤーでは、PCからのノイズ流入を防ぐためにUSB-B入力に対してアイソレーション回路が配置された。
そして今回のSA-10では、「DACの直前」と「USB-B」の両方に対してアイソレーション回路を配置。さらには、SA-7S1はDACチップ直前にアイソレーション回路を置いていたが、SA-10はディスクリート構成を活かしてMarantz Musical Mastering内のD/A変換部の直前にアイソレーション回路を設置した。これにより、アナログ段へのノイズ流入をさらに抑えることが可能になったという。
話は前後するが、MMM-Streamのデジタルフィルターは、「CD-7」時に開発され、「SA-11S2」から改良が加えたもので、2種類を搭載して切り替え可能とした。ノイズシェービングも新規にアルゴリズムを開発。これはノイズを可聴帯域外にシフトさせて低域のノイズレベルを下げて音質改善を行う技術で、演算の度合いを次数で表すが、開発時には最大7次まで検証を行ったとのこと。その上で音質と演算処理、コストの兼ね合いを図り、3次と4次のノイズシェイパーを実装したと尾形氏は語る。
なお、デジタルフィルターやノイズシェイパーの切り替えにより24通りの組み合わせできるDACのパラメーターについては、デフォルトの設定がマランツの推奨のサウンドとのことだった。
尾形氏は、このディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering」の詳細について、汎用DACとの比較を交えながら説明を行った。
汎用DACチップは、「オーバーサンプリング」「ΔΣモジュレーター」「D/Aコンバーター」「I/Vコンバーター」と最大で4つ程度のステージに別れている(マランツの上位プレーヤーは、I/V変換はDAC後段のディスクリート回路で行う)。一方、SA-10のディスクリートDACでは、前段のMMM-StreamがオーバーサンプリングとΔΣモジュレーターを、後段のMMM-ConversionがD/Aコンバーターを含んでいる。
PCM信号の場合は、MMM-Streamにて11.2MHz/1bit DSDへ変換が行われ、このDSD信号を後段のMMM-ConversionにてD/A変換する。DSDの場合は、MMM-Streamの処理をパスして、MMM-ConversionでD/A変換される。よってSACDを含む2.8MHz DSD、5.6MHz/11.2MHz DSDは、それぞれオーバーサンプリングされずに処理されるという。
MMM-Streamは、アナログデバイセズ製のDSP「SHARC」を2基、日本アルテラ製のCPLD(Complex Programmable Logic Device)を2基、合計4基のデバイスを用いて処理を行う。その後段のMMM-Conversionは、出力抵抗やコンデンサーでアナログFIRフィルターを構成。出力抵抗にはVishay製のメルフ抵抗を採用するなど、音質パーツも厳選した。
■D/A変換直前にアイソレーション回路を配置。デジタルフィルターも刷新
前述のように、MMM-StreamとMMM-Conversionの間にはデジタル・アイソレーション回路が設置された(USB-Bのアイソレーターと合わせて、“コンプリートアイソレーションシステム・デュオ”と呼ぶ)。ディスクリートDACの内部でもデジタル/アナログ段を分離することで、ノイズ対策を徹底したという。
デジタル・アイソレーション回路は2006年発売のSACDプレーヤー「SA-7S1」で初採用された。SA-7S1は外部入力がないのでDACチップの直前にアイソレーション回路を設置して、アナログ段へノイズを流入させないという手法を取った。その後、NA-11S1などUSB-DAC機能を備えたプレーヤーでは、PCからのノイズ流入を防ぐためにUSB-B入力に対してアイソレーション回路が配置された。
そして今回のSA-10では、「DACの直前」と「USB-B」の両方に対してアイソレーション回路を配置。さらには、SA-7S1はDACチップ直前にアイソレーション回路を置いていたが、SA-10はディスクリート構成を活かしてMarantz Musical Mastering内のD/A変換部の直前にアイソレーション回路を設置した。これにより、アナログ段へのノイズ流入をさらに抑えることが可能になったという。
話は前後するが、MMM-Streamのデジタルフィルターは、「CD-7」時に開発され、「SA-11S2」から改良が加えたもので、2種類を搭載して切り替え可能とした。ノイズシェービングも新規にアルゴリズムを開発。これはノイズを可聴帯域外にシフトさせて低域のノイズレベルを下げて音質改善を行う技術で、演算の度合いを次数で表すが、開発時には最大7次まで検証を行ったとのこと。その上で音質と演算処理、コストの兼ね合いを図り、3次と4次のノイズシェイパーを実装したと尾形氏は語る。
なお、デジタルフィルターやノイズシェイパーの切り替えにより24通りの組み合わせできるDACのパラメーターについては、デフォルトの設定がマランツの推奨のサウンドとのことだった。
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