クロックなどSA-10から進化も
マランツ、オリジナルDAC搭載で30万円のSACDプレーヤー「SA-12」
マランツは、“12シリーズ”のSACDプレーヤー/USB-DAC「SA-12」を7月13日より発売する。価格は300,000円。
12シリーズは、マランツのフラグシップとなる“10シリーズ”の技術を多数継承しつつ、さらなる進化を果たしたという新シリーズ。従来の14シリーズ「SA-14S1」(関連ニュース)が生産完了になることもありその後継という位置付けだが、その内容は10シリーズから多くの要素を継承、価格帯も従来より上のクラスとなり、実質的に新たなラインナップが追加されたかたちだ。
同時発表された12シリーズのプリメインアンプ「PM-12」については、こちらの記事で紹介する。
SA-12は、2016年10月発売の旗艦SACDプレーヤー「SA-10」(60万円/税抜、関連ニュース)において開発されたオリジナルDACを継承。ほぼそのままの形で搭載しているとのこと。一方、SA-10のプリアンプ部がフルバランス構成だったのに対して、SA-10はアンバランス構成となる。デジタル回路も構成はほぼ同一だが、採用するパーツなどにおいて差異があるという。
ドライブメカも、SA-10で開発されたマランツ独自の「SACDM-3」を継承。メカ本体およびデコーダーがSA-10と同じだが、メカを支えるベース部は異なっている(各部のSA-10との差異は後述する)。
多くを旗艦機から継承する一方で、最新モデルとしてより進化したというのがクロック回路だ。SA-12には、SA-10に搭載されたものから15dBの位相雑音の改善を実現したという最新世代の超低位相雑音クロックが採用された。
光ディスクディスクは、SACD、CD、ハイレゾファイルを保存したデータディスクの再生をサポート。USB-DACは最大11.2MHz DSDおよび384kHz/32bit PCMの再生に対応する。USB-A端子からは、USBストレージに保存した最大5.6MHz DSDおよび192kHz/24bitのWAV・AIFF・FLACなどの再生が行える。その他、同軸/光デジタル入力・出力も備える。
マランツは発表に先立ち、プレス向けの製品発表会を開催した。発表会の冒頭では、ディーアンドエムホールディングス 国内営業本部 営業企画室 室長の玉木 賢氏が挨拶。12シリーズのコンセプトが、10シリーズからの「継承と進化」であり、10シリーズの資産を継承しつつ最新モデルとしてさらなる進化も遂げたと述べた。また、14シリーズの単純な後継機ではなく、12シリーズとして作り込まれた“リ・ラインナップ”であることも強調した。
発表会では、マランツのサウンドマネージャーである尾形好宣氏、マーケティング担当の高山健一氏がその詳細について説明した。以下に本製品の詳細を説明する。
■オリジナルDACをSA-10から継承
SA-12の最大の特徴は、マランツがSA-10において3年以上の歳月をかけて開発したオリジナルDAC「Marantz Musical Mastering」(MMM)を、回路構成など“ほぼそのまま”に搭載している点だ。
多くのオーディオメーカーはESS Technologyや旭化成エレクトロニクスといったチップセット・メーカーが手がける汎用DACチップを用いている。しかし、年々DACチップの選択肢が減っていること、オリジナルDACは実現が困難ながらも汎用DACチップではブラックボックスとなるレベルまでに踏みこんだ音質チューニングが行えることなどから、マランツは新旗艦プレーヤーのSA-10においてオリジナルDACの開発に踏み切り、これをMarantz Musical Masteringとして実現させた。
今回登場するSA-12は、SA-10の約半分の価格ながら、このオリジナルDACをほぼそのまま継承するに至った。なお、従来モデルのSA-14S1は、バー・ブラウンのDACチップ「DSD1792A」を採用していた。
■「Marantz Musical Mastering」の詳細
オリジナルDAC「Marantz Musical Mastering」の詳細については、SA-10のニュース記事で詳しく説明しているが、改めてその概要も紹介しておく。
Marantz Musical Masteringは、オーバーサンプリング/デジタルフィルターとΔΣ変換により入力されたPCM信号をDSD化する「MMM-Stream」と、DSD信号をアナログ変換する「MMM-Conversion」の2パートから構成される。
MMM-Streamは独自アルゴリズムによりPCM信号を11.2MHz/1bitのDSD信号に変換(44.1kHz系の場合。48kHz系は12.3MHz DSDに変換)、後段のMMM-Conversionに送り出す役目を果たす。この過程におけるオーバーサンプリング、デジタルフィルター、ΔΣ変換、ノイズシェーパー、ディザー、レゾネーターなどの処理を全て自社開発のアルゴリズムとパラメーターで行うことで、マランツが理想とするサウンドを狙っている。
MMM-Conversionでは、MMM-Streamから入力される1bit DSD信号をアナログFIRフィルターによってダイレクトにD/A変換する。
12シリーズは、マランツのフラグシップとなる“10シリーズ”の技術を多数継承しつつ、さらなる進化を果たしたという新シリーズ。従来の14シリーズ「SA-14S1」(関連ニュース)が生産完了になることもありその後継という位置付けだが、その内容は10シリーズから多くの要素を継承、価格帯も従来より上のクラスとなり、実質的に新たなラインナップが追加されたかたちだ。
同時発表された12シリーズのプリメインアンプ「PM-12」については、こちらの記事で紹介する。
SA-12は、2016年10月発売の旗艦SACDプレーヤー「SA-10」(60万円/税抜、関連ニュース)において開発されたオリジナルDACを継承。ほぼそのままの形で搭載しているとのこと。一方、SA-10のプリアンプ部がフルバランス構成だったのに対して、SA-10はアンバランス構成となる。デジタル回路も構成はほぼ同一だが、採用するパーツなどにおいて差異があるという。
ドライブメカも、SA-10で開発されたマランツ独自の「SACDM-3」を継承。メカ本体およびデコーダーがSA-10と同じだが、メカを支えるベース部は異なっている(各部のSA-10との差異は後述する)。
多くを旗艦機から継承する一方で、最新モデルとしてより進化したというのがクロック回路だ。SA-12には、SA-10に搭載されたものから15dBの位相雑音の改善を実現したという最新世代の超低位相雑音クロックが採用された。
光ディスクディスクは、SACD、CD、ハイレゾファイルを保存したデータディスクの再生をサポート。USB-DACは最大11.2MHz DSDおよび384kHz/32bit PCMの再生に対応する。USB-A端子からは、USBストレージに保存した最大5.6MHz DSDおよび192kHz/24bitのWAV・AIFF・FLACなどの再生が行える。その他、同軸/光デジタル入力・出力も備える。
マランツは発表に先立ち、プレス向けの製品発表会を開催した。発表会の冒頭では、ディーアンドエムホールディングス 国内営業本部 営業企画室 室長の玉木 賢氏が挨拶。12シリーズのコンセプトが、10シリーズからの「継承と進化」であり、10シリーズの資産を継承しつつ最新モデルとしてさらなる進化も遂げたと述べた。また、14シリーズの単純な後継機ではなく、12シリーズとして作り込まれた“リ・ラインナップ”であることも強調した。
発表会では、マランツのサウンドマネージャーである尾形好宣氏、マーケティング担当の高山健一氏がその詳細について説明した。以下に本製品の詳細を説明する。
■オリジナルDACをSA-10から継承
SA-12の最大の特徴は、マランツがSA-10において3年以上の歳月をかけて開発したオリジナルDAC「Marantz Musical Mastering」(MMM)を、回路構成など“ほぼそのまま”に搭載している点だ。
多くのオーディオメーカーはESS Technologyや旭化成エレクトロニクスといったチップセット・メーカーが手がける汎用DACチップを用いている。しかし、年々DACチップの選択肢が減っていること、オリジナルDACは実現が困難ながらも汎用DACチップではブラックボックスとなるレベルまでに踏みこんだ音質チューニングが行えることなどから、マランツは新旗艦プレーヤーのSA-10においてオリジナルDACの開発に踏み切り、これをMarantz Musical Masteringとして実現させた。
今回登場するSA-12は、SA-10の約半分の価格ながら、このオリジナルDACをほぼそのまま継承するに至った。なお、従来モデルのSA-14S1は、バー・ブラウンのDACチップ「DSD1792A」を採用していた。
■「Marantz Musical Mastering」の詳細
オリジナルDAC「Marantz Musical Mastering」の詳細については、SA-10のニュース記事で詳しく説明しているが、改めてその概要も紹介しておく。
Marantz Musical Masteringは、オーバーサンプリング/デジタルフィルターとΔΣ変換により入力されたPCM信号をDSD化する「MMM-Stream」と、DSD信号をアナログ変換する「MMM-Conversion」の2パートから構成される。
MMM-Streamは独自アルゴリズムによりPCM信号を11.2MHz/1bitのDSD信号に変換(44.1kHz系の場合。48kHz系は12.3MHz DSDに変換)、後段のMMM-Conversionに送り出す役目を果たす。この過程におけるオーバーサンプリング、デジタルフィルター、ΔΣ変換、ノイズシェーパー、ディザー、レゾネーターなどの処理を全て自社開発のアルゴリズムとパラメーターで行うことで、マランツが理想とするサウンドを狙っている。
MMM-Conversionでは、MMM-Streamから入力される1bit DSD信号をアナログFIRフィルターによってダイレクトにD/A変換する。
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