本社CEOロード氏が事業戦略を語る
シーラス・ロジック、車載・ポータブル向けなどオーディオ用チップ新製品を発表
米シーラス・ロジック社は、オーディオ・アンプ向けに32ビットDSPや高音質コンバーターなど複数の機能を1つのICに集積したシステム・オン・チップ「CS47048」を発表した。
米本社と日本法人のシーラス・ロジック(株)は本日新製品の記者発表会を開催。本社からは社長 兼 CEOのジェイソン・ロード氏も出席し、新製品の紹介と同社の事業戦略に関する説明を行った。
ロード氏は2007年5月にシーラス・ロジック社の社長 兼 最高経営責任者(CEO)に就任し、昨年は特にオーディオ分野と産業用エネルギー分野での信号処理コンポーネントで同社の成長を指揮してきた。「昨年の収益内訳は6割がオーディオ、4割が産業向けのエネルギーICである」と語るロード氏。今年に入ってからもポータブルオーディオでの成功が同社の成長を牽引するとともに、エネルギー・産業市場でも資源探査や計測機器、エネルギーコントロールのマーケットで好調を維持しているという。
本日の発表会ではポータブルオーディオや車載用オーディオアンプ向けの新製品が公開されたが、ロード氏は「再生クオリティや消費電力の各々で高性能を追求しながら、シェアとアプリケーションの拡大を図りたい」とコメント。日本市場についても「重要な市場と位置づけ、日本法人と密に連携を取りながらカスターマーサービス等を強化していきたい」と語った。
今回は同社から発表された製品より、オーディオ系製品の詳細をご紹介する。
「CS47048」はオーディオアンプ向けのSOC(システム・オン・チップ)新製品。32bit対応シングルコアのオーディオプロセッサーと、マルチビットのΔΣオーディオコンバーター、デジタルオーディオレシーバー/トランスミッターを内蔵しており、同社では車載用途のオーディオアンプへの展開などを提案している。プロセッサーにはカスタマー用のプログラミングツールも付属し、設計者にとってはアンプの実装に必要なICの数をチャンネル数や信号処理に合わせて削減でき、シンプルな設計を可能にするという。またDAコンバーターやADコンバーター、DSP、メモリー、SPDIFを含むチップの削減が可能になり、基板スペースとシステムコストの大幅な低減が可能になる点もメリットとして訴求されている。
本製品にはシーラス・ロジック社の特許取得、ならびに特許申請中の技術が採用されることにより、優れたアナログ特性を維持しながら、ミックスドシグナルのオーディオコンバーターと高速DSPが一つのシリコンに統合されている。同社の特許技術については、新たな連続時間アーキテクチャーを採用することにより、コンバーターとDSP間のアイソレーションが向上され、コンバーターの性能にほぼ影響を及ぼすことなくDSPの高性能を発揮できるようになる。
内蔵されている4チャンネルのADコンバーターはダイナミックレンジが105dB、THD+Nが-98dBとなる、また8チャンネルのDAコンバーターはダイナミックレンジが108dB、THD+Nが-98dB。内蔵サンプルレートコンバーターは、最大192kHzまでのサンプルレートをカバーしている。
本製品のサンプル出荷は既に開始されており、出荷単位は100ピンのLQFPパッケージ。10,000個注文時の単価が6.12ドルとなる。
また、携帯オーディオ向けコーデック「CS42L55」も発表された。本製品は24ビットで、無音再生時の消費電力を5.1ミリワットという低消費電力を実現している。また同社が2つのモードを持つクラスH技術を採用し、携帯機器に採用されているクラスA/Bアンプと比べ、消費電力を50%近く低減可能という特徴を有している。同社では本製品を携帯型メディアプレーヤーやナビゲーション機器、ワイヤレスヘッドセットやゲーム機などの製品開発向けに提案しており、量産を既に開始している。出荷単位は36ピンのxQFNパッケージで、10,000個注文時に1.73ドルの単価で販売される。
本日の記者発表会にはシーラス・ロジック(株)日本支社長 兼 米国本社副社長(日本および南アジア統括)の島内秀氏も登壇し、日本市場におけるビジネス展開への抱負を語った。
同社では現在人員を倍増し、日本のカスタマー向けのサポート体制強化を推し進めているという。米国本社からも重要拠点として位置づけられている日本市場にて、さらなる成長を遂げるため、島内氏は「これまでも日本のセットメーカー様と強固なパートナーシップを築き上げ、当社としても次世代の製品開発に日本のニーズを吸収しながら力を入れてきた。この関係を今後も大事にするとともに、さらにカスタマーにご満足いただけるような体制づくりを強化していきたい」とし、同社の方針を語った。
米本社と日本法人のシーラス・ロジック(株)は本日新製品の記者発表会を開催。本社からは社長 兼 CEOのジェイソン・ロード氏も出席し、新製品の紹介と同社の事業戦略に関する説明を行った。
ロード氏は2007年5月にシーラス・ロジック社の社長 兼 最高経営責任者(CEO)に就任し、昨年は特にオーディオ分野と産業用エネルギー分野での信号処理コンポーネントで同社の成長を指揮してきた。「昨年の収益内訳は6割がオーディオ、4割が産業向けのエネルギーICである」と語るロード氏。今年に入ってからもポータブルオーディオでの成功が同社の成長を牽引するとともに、エネルギー・産業市場でも資源探査や計測機器、エネルギーコントロールのマーケットで好調を維持しているという。
本日の発表会ではポータブルオーディオや車載用オーディオアンプ向けの新製品が公開されたが、ロード氏は「再生クオリティや消費電力の各々で高性能を追求しながら、シェアとアプリケーションの拡大を図りたい」とコメント。日本市場についても「重要な市場と位置づけ、日本法人と密に連携を取りながらカスターマーサービス等を強化していきたい」と語った。
今回は同社から発表された製品より、オーディオ系製品の詳細をご紹介する。
「CS47048」はオーディオアンプ向けのSOC(システム・オン・チップ)新製品。32bit対応シングルコアのオーディオプロセッサーと、マルチビットのΔΣオーディオコンバーター、デジタルオーディオレシーバー/トランスミッターを内蔵しており、同社では車載用途のオーディオアンプへの展開などを提案している。プロセッサーにはカスタマー用のプログラミングツールも付属し、設計者にとってはアンプの実装に必要なICの数をチャンネル数や信号処理に合わせて削減でき、シンプルな設計を可能にするという。またDAコンバーターやADコンバーター、DSP、メモリー、SPDIFを含むチップの削減が可能になり、基板スペースとシステムコストの大幅な低減が可能になる点もメリットとして訴求されている。
本製品にはシーラス・ロジック社の特許取得、ならびに特許申請中の技術が採用されることにより、優れたアナログ特性を維持しながら、ミックスドシグナルのオーディオコンバーターと高速DSPが一つのシリコンに統合されている。同社の特許技術については、新たな連続時間アーキテクチャーを採用することにより、コンバーターとDSP間のアイソレーションが向上され、コンバーターの性能にほぼ影響を及ぼすことなくDSPの高性能を発揮できるようになる。
内蔵されている4チャンネルのADコンバーターはダイナミックレンジが105dB、THD+Nが-98dBとなる、また8チャンネルのDAコンバーターはダイナミックレンジが108dB、THD+Nが-98dB。内蔵サンプルレートコンバーターは、最大192kHzまでのサンプルレートをカバーしている。
本製品のサンプル出荷は既に開始されており、出荷単位は100ピンのLQFPパッケージ。10,000個注文時の単価が6.12ドルとなる。
また、携帯オーディオ向けコーデック「CS42L55」も発表された。本製品は24ビットで、無音再生時の消費電力を5.1ミリワットという低消費電力を実現している。また同社が2つのモードを持つクラスH技術を採用し、携帯機器に採用されているクラスA/Bアンプと比べ、消費電力を50%近く低減可能という特徴を有している。同社では本製品を携帯型メディアプレーヤーやナビゲーション機器、ワイヤレスヘッドセットやゲーム機などの製品開発向けに提案しており、量産を既に開始している。出荷単位は36ピンのxQFNパッケージで、10,000個注文時に1.73ドルの単価で販売される。
本日の記者発表会にはシーラス・ロジック(株)日本支社長 兼 米国本社副社長(日本および南アジア統括)の島内秀氏も登壇し、日本市場におけるビジネス展開への抱負を語った。
同社では現在人員を倍増し、日本のカスタマー向けのサポート体制強化を推し進めているという。米国本社からも重要拠点として位置づけられている日本市場にて、さらなる成長を遂げるため、島内氏は「これまでも日本のセットメーカー様と強固なパートナーシップを築き上げ、当社としても次世代の製品開発に日本のニーズを吸収しながら力を入れてきた。この関係を今後も大事にするとともに、さらにカスタマーにご満足いただけるような体制づくりを強化していきたい」とし、同社の方針を語った。