「2009 iVDRセミナー」レポート
三洋とマクセル、iVDRレコーダーを今夏発売へ − iVDRパッケージソフトも商品化決定
■年内にもiVDRが国際標準規格として認定へ − コンソーシアム会長 釘屋文雄氏
iVDRコンソーシアム会長の釘屋文雄氏は「動きはじめたiVDRビジネス」と題し、iVDRの概況と今後の展開について説明した。
釘屋氏はまず、iVDR-Sの特徴をあらためて説明。「記録時間が長いこと、データ転送速度が速いことが大きな特徴。データの追記、書き換えもスピーディーに行えるなど、BDに対するアドバンテージを持っている」とした。「現在のラインナップでは320GBが最大で、これはハイビジョン番組を圧縮無しで約40時間録画できる容量。容量については年々増えていて、来年は500GB、さらには1TBを予定している」とした。
対応機器については、日立の“Wooo"2009年度モデルが全機種にiVDR-Sスロットを搭載しており、今年のモデルがiVDR-S対応機として第3世代に当たることを紹介。さらにマクセルから発売され、アイ・オー・データ機器からも本日発表されたiVDRプレーヤーを用いることで、テレビで録画した番組をほかのテレビで再生することはもちろん、PCからダウンロードしたコンテンツをテレビで再生することもできると、その利便性の高さを訴えた。
なおテレビの録画ソリューションについては、「外付けHDDに録画するタイプの製品は、録画したテレビでしか再生できないという問題点があるが、iVDR-Sはこのような制約がない。2011年にはアナログ停波を控え、テレビとPCを結ぶブリッジメディアとしてiVDR-Sの存在感が増すことを期待している。爆発的に普及する可能性を秘めた製品と考えている」と語った。
また、iVDRの新たな展開については、iVDR-Sをメディアに用いたセルパッケージソフトが登場することが発表された。詳細は語られなかったが、英OPUS ARTE社のオペラプレミアムセレクションをクリエイティブ・コア社が販売するようだ。
さらに、iVDRが国際標準規格として年内にも認定を受ける予定であることも発表。2008年から国際標準化への着手を始めたとのことで、ファイナルコミッティードラフトが4月に終わり、8カ国のうち7カ国が賛成したという。「中国、韓国、インドなどが国際標準化に高い興味を示してくれたほか、ヨーロッパも好意的だったのが印象的だった。これはぜひ実現したい」とした。
なお、去年から今年にかけて、10社がコンソーシアムに新たに参加したとのことで、そのうち半数の5社が海外メーカーだったという。「iVDRをグローバルに展開していく上で、国際標準化が非常に重要となる」と釘屋氏は述べた。