音声信号の相互送信対応、マイクロコネクタも登場
HDMI 1.4の詳細が明らかに − イーサネットを統合、3D/4K2Kもサポート
■ネットワーク接続を共有できる「HDMI イーサネット チャンネル」
「HDMI イーサネット チャンネル」は、HD映像やオーディオ信号、コントロール信号といった従来のデータに加え、データ通信を1本のHDMIケーブルで行えるというもの。HDMIを通してIPベースのアプリケーションが利用可能になる。転送速度は最大100Mbps。この機能を使用するには、新たに発売される「イーサネット機能付き標準HDMIケーブル」と「イーサネット機能付きハイスピードHDMIケーブル」の2種類のいずれかを使う必要がある。なお、これらのイーサネット機能付きHDMIケーブルでのデータ伝送は、これまで使われていなかった予備ピンを活用し、さらにツイステッドペア構造を採用することなどにより実現した。
「HDMI イーサネット チャンネル」を使えば、たとえばネットワークに接続したテレビに、HDMIケーブルでプレーヤーやレコーダー、ゲーム機などを接続すると、テレビのインターネット接続をそれぞれの機器が共有することができる。これまでは個々の機器をそれぞれイーサネットケーブルなどでネットワークにつなぐ必要があったため、接続は非常に簡便になる。それぞれの機器がネットワーク上で繋がっているので、一つのデバイスから別のデバイスへコンテンツを配布したり、HDMIを通して録画することも可能。DLNA、UPnP、IPTV、後述する「LiquidHD」などのIPベースのアプリケーションも当然のことながら利用できる。
オーディオ信号をアップストリーム可能な「オーディオ リターン チャンネル」
「オーディオ リターン チャンネル」は、HDMIを通じてアップストリームのオーディオ信号伝送を可能にするもの。ヴェヌティ氏は「テレビとAV機器感の接続をシンプルにでき、家庭内のケーブルをさらに減らすことができる」と説明した。
たとえばプレーヤーからAVアンプのあいだをHDMIケーブルで接続し、さらにAVアンプとテレビをHDMIで接続するシーン。これまではテレビのチューナーで受信した音をAVアンプで再生するためには、別途テレビのオーディオ出力からAVアンプの音声入力につなぐ必要があったが、オーディオ リターン チャンネルを使用した場合、テレビからAVアンプに音声をアップストリームすることが可能になり、1本のケーブルで出力できる。
オーディオ リターン チャンネルについては、シリコンイメージ社のマーケティングディレクター、ワヒード・ラシード氏が「サウンドバー(フロントサラウンドシステム)への応用も可能」と説明。オーディオ リターン チャンネルを使うことで、テレビとサウンドバー間の結線が1本で済み、よりシンプルな配線が可能になる。
なお、この「オーディオ リターン チャンネル」については、「これから検証が必要だが、基本的にはこれまでのHDMI 1.3ケーブルでも利用できるはず」という。